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【BREW 2005 Conference】
幅広いコンテンツ対応で携帯の中核を狙うピクセル
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英国に拠点を持つピクセルテクノロジーズは、8月初旬発売予定のau端末「W31CA」向けにメール添付ファイル閲覧ソフトを供給するなど、携帯電話向けソフトウェアの開発を手掛けている。
今回、「BREW 2005 Conference」の会場において、英国本社CEOのImran Khand氏に日本市場への今後の展開などの話を聞いた。
■ レンダリングエンジンで勝負
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英ピクセルテクノロジーズCEOのImran Khand氏
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――ピクセルでは、どのような製品を展開しているのでしょうか。また他社製品で似たような製品が登場した場合、優位点はどこにあると考えていますか?
Khand氏
当社が提供する製品は、ブラウザやビューワーなど多岐に渡りますが、基本にあるのは、「コンテンツを見せるためのレンダリングエンジン」です。このエンジンは、あらゆるコンテンツをどんなデバイスでも同じように表現し、体験できます。
当社では昨年3月にBREW版のブラウザソフトを発表しましたが、今回、「W31CA」に搭載されるソフトは、メールに添付されるファイルを閲覧できるものです。これはメール添付ファイルに関して興味があるという顧客のために開発されたものになります。
他社と比較した場合、たとえばビューワーやブラウザなど1つのジャンルに特化した企業は少なくありません。しかし我々は、1つのレンダリングエンジン上で、ブラウザやメッセンジャー、ビューワーなど、さまざまなアプリケーションを揃えて実装できます。ブラウザやビューワーを個別にいろんなベンダーから購入して統合するよりも、1つのコア上で多機能をサポートできるという点では優れているでしょう。
また、当社の製品はモジュール形式ですので、開発がスピーディであり、将来アップデートすることになった場合も簡単に対応可能です。これらの点は、携帯電話の新機種開発において、市場投入時期を短縮できることに繋がります。
――今後、ピクセルは、日本市場に対してどのように展開していくのでしょうか?
Khand氏
日本という国は、アニメーションなどをとってみても非常にクリエイティブであり、当社にとって重要な市場です。個人的にも好きなところです。フルブラウザということについては、「ブラウザはコンテンツを見るウィンドウの1つ」ですので、ユーザーインターフェイスや操作性、外観が重要となります。インタラクティビティが鍵となるでしょう。スクロールやズーム、コンテンツ表示の滑らかさなどで我々のレンダリングエンジンは活きてきます。
日本は、テクノロジー面で世界的にリーダーシップを取っています。そういった環境において、今後も日本のリーダーシップが継続できるように貢献できればと考えています。
――ありがとうございました。
■ BREW版「Picsel Browser」
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幅広いコンテンツの表示が可能なPicsel Browser。これは米国向けBREW端末上で動作させたもの
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インタビュー終了後、日本法人の代表取締役を務めるAli Adnan氏と、Picsel Browserを開発したChief ScientistのMajid Anwar氏から、米国向けBREW端末に搭載された「Picsel Browser」が披露された。
同ソフトは、国内の携帯電話においてNTTドコモの「SH900i」などに採用されているほか、シャープの「ザウルス SL-C3000」、ドコモの「sigmarionIII」に搭載された実績を持つ。
Adnan氏によれば、昨年発表された段階より、ユーザーインターフェイス部分などで変更が加えられているものの、ほぼ製品版と言える状況とのこと。ただし、実際にリリースするには、キャリアごとの規格に合わせる作業が必要だという。ブラウザとしてインターネット上のWebサイトを表示できるだけではなく、WordやExcelといったデータ形式の表示や、拡大縮小が可能。同社内では、幅広いコンテンツをサポートする「Super Browser」という捉え方をしているという。
動画やFlashといったコンテンツもプラグインや新たなコーデックを追加することなく、そのまま再生可能で、こちらも拡大縮小できる。なお、SMILについては、Anwar氏は「今後のロードマップに入っている」と説明し、将来的に対応する予定とした。
Adnan氏は、「携帯電話でパソコン向けWebサイトを閲覧できるフルブラウザは便利だが、パソコンに慣れていない人にとっては携帯電話向けサイトのほうが良いのではないか。そういった人に向けて、携帯向けサイトとフルブラウザのゾーンがあるのではないかと考えており、Picsel Browserのズーム機能などに合わせたコンテンツが登場するかもしれない」と、携帯向けブラウジングに対する同社の考えを説明。
携帯電話向け、あるいはパソコン向けWebサイトを制作する際は、いくつか専用ツールを使うケースがある。幅広いコンテンツに対応したレンダリングエンジンをコアにしたPicsel Browserは、それら既存ツールで制作されたデータをそのまま表示できるため、「Picsel Browser専用のコンテンツ制作ツール」は必要ないという。
Adnan氏は、「我々はブラウザやビューワーといったアプリを提供するという位置付けの会社ではなく、コンテンツエンジンの会社」とも語った。
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拡大縮小表示が可能
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Flashコンテンツを表示させたところ
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これは動画を再生させたところ。同社開発のコーデックだけではなく、他のコーデックを取り込むことも可能
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動画でも拡大縮小が可能だ
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■ URL
ピクセルテクノロジーズ(英文)
http://www.picsel.com/
■ 関連記事
・ 米クアルコム、HSDPAやBREWなどを紹介
(関口 聖)
2005/06/06 11:46
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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