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【BREW 2005 Conference】
“好みのユーザーインターフェイス”を実現する「uiOne」とは

Jason Kenagy氏

米クアルコム
インターネットサービス部門
シニアディレクター
Jason Kenagy氏
 クアルコム次期CEOであるPaul Jacobs氏の基調講演で強くアピールされた「uiOne」とは、携帯電話を操作する際のメニュー画面やアイコンといったユーザーインターフェイスを自由にカスタマイズできるようにする技術だ。

 2日午後に行なわれたセッションでは、米クアルコムインターネットサービス部門シニアディレクターのJason Kenagy氏による「uiOne」の概要説明が行なわれた。

 同氏は、まず5年前の携帯電話を例に挙げ、「かつてはシンプルな機能しか搭載していなかったが、現在は携帯電話そのものの種類が拡大し、市場には数多くの機種が溢れている。国やキャリアによってニーズも異なり、さまざまな問題が出てきた」と指摘。過去、現在、そしてuiOne対応の携帯電話を比較するポイントとして、「Features(機能)」「Re-use(再利用度)」「Effort(労力)」の3点を示し、「過去の携帯電話は、機能が低かったが再利用度が高い。そして開発時の労力は大きかった。現在は、機能面が大きく向上したものの、再利用度は低く、開発時の労力は過去と変化がなく、大きいままだ。しかし、uiOne対応であれば、多機能で再利用度は高く、開発時の労力は少なくて済む」と述べ、uiOneの優位性をアピールした。

 uiOneの記述言語は、XMLとTrigMLの2種類。このうちTrigMLは、XMLベースでuiOneの独自仕様と言える言語。uiOneのベース技術を保有していた英企業のTrigenix社を、米クアルコムが昨年10月に買収したことで、この名称となっている。

 従来の携帯電話の構造は、ハードウェア上に、OSやBREW3.1などのプラットフォームが配され、さらにその上でメールソフトやブラウザといったアプリケーションのコードが搭載され、最終的な操作感を実現するインターフェイス部分もプログラミングされているというイメージになる。このため、インターフェイス部分はメーカーごとに個別に開発され、新機種の開発が行なわれるたびに新たなプログラミングが必要となっていた。

 一方、uiOneでは、ハードウェア→プラットフォーム→アプリケーションまでの構造は変わらないものの、ユーザーインターフェイス部分については、画像データを用意して、それをどう配置するかXMLで記述するという形になる。ユーザーインターフェイス部分をプログラムコードではなく、シンプルな画像データを中心に据えることで、柔軟なカスタマイズ機能を実現している。

 カスタマイズ機能の幅を広げるために、あらかじめ用意された画像データとXMLだけではなく、ネットワーク経由で新たなユーザーインターフェイスをダウンロードし、好みのデザインに変更することができる。このカスタマイズは、エンドユーザーと端末メーカーが行なえるため、単に「好みの見栄えに変更する」というエンドユーザーのニーズに応えるだけではなく、「同一機能を持った携帯電話でも、ある1機種の見た目はビジネス向けに、もう一方の機種は若年層向けに」と、端末メーカーが開発時に設定することも可能だ。


 同氏は、uiOneがどのように展開していくか、2005年から2006年にかけての動きを表わしたグラフを示し、「まず今年は基本的なアプリケーションとユーザーインターフェイスの制作がスタートし、次にユーザーインターフェイスをコンテンツとして扱い、ネットワーク経由でのダウンロードが開始されるだろう。2006年には基本的なアプリケーションに加えて、より幅広いアプリケーションについてもuiOneの範疇となってくる」との見通しを示した。

 最後に同氏は「今後、BREWとuiOneによって、端末開発の期間が短縮され、セグメントごとの開発も行なわれるようになるだろう」と述べ、セッションを締めくくった。


過去の携帯電話との比較 カスタマイズ
 過去の携帯電話と比較した場合、uiOneのほうが機能面、再利用度というポイントで優れ、労力も少なくて済むという  ユーザーのセグメントごとにユーザーインターフェイスを変更できる

構造 開発手法
 uiOne対応携帯の構造イメージ  BREWプラットフォームである場合、基本機能はC言語で、ユーザーインターフェイスはXMLと画像データになる

今後のスケジュール 端末開発の期間短縮
 今年から来年にかけての動き  uiOneによって端末開発の期間短縮が見込める


URL
  米クアルコム(英文)
  http://www.qualcomm.com/

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(関口 聖)
2005/06/03 12:53

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