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【Java Computing 2005 Spring】
ドコモ夏野氏、「リアルとバーチャルを繋げるのがJava」

NTTドコモ プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏
 3月10日、11日の2日間、東京・六本木ヒルズでJava技術者向けのイベント「Java Computing 2005 Spring」が開催されている。サン・マイクロシステムズ主催で、「Java誕生10周年 前夜祭」に位置付けられており、Javaに関するさまざまな展示や技術関連のセミナーが行なわれている。

 11日の基調講演には、NTTドコモ プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏が登場し、iモードとJavaの関連や今後の動向などを紹介した。

 夏野氏は、iモード端末にJavaを搭載しようと思いついたのは「1998年12月にiモードを開始する予定だったが、端末発売時期が延び、1999年2月にスタートすることになった。“携帯電話を財布にしたい”という構想がもともとあり、余裕ができた間にJavaが有効なのではないかと思いついた」と当時の経緯を説明。

 同氏は、現在iモードユーザーが国内で4,300万人、海外で500万人存在し、このうちJava対応端末は国内で2,800万台、海外でも200万台以上になっているという数値を示し、「iモードだけで世界に3,000万台ものJava対応端末が存在する」と述べた。

 また夏野氏は、「世界中にJava搭載の携帯電話は存在するが、ヒープメモリなどのバランスが重要。他社は1MBのアプリを提供しているが、それを実際に動作させるのは別問題」と述べ、「ドラゴンクエスト」など人気タイトルがiアプリとして登場していることなどを示して、iモードとJavaの関係を成功事例としてアピールした。


iアプリの成功の背景には、バランスの取り方に注力したことがあると説明 ゲームタイトルの充実ぶりを示して、iアプリの成功をアピール

生活インフラを目指して打ち出されたのがiモード FeliCa

iモード FeliCaのメリット
 2004年夏から、FeliCaを利用した「おサイフケータイ」をスタートしたことに関して、同氏は「リアルと連携する生活インフラ戦略と位置付けている。携帯電話のマルチメディア化が当然のこととなり、新機軸としてスタートしたものだ」と説明した。

 夏野氏は、「おサイフケータイの根幹はJavaであり、携帯電話とICチップを融合させている。サービス提供事業者がICチップの中にバリューを追加したり、コントロールしたりする場合、ドコモに委託することはできないだろう。ICチップとの連携は、ともすれば携帯電話の他の機能への影響が懸念されるが、Javaによって、各社のサービスは個々に携帯電話の中に搭載され、Java VMの中で分けられている。Javaの本質的な得意分野が携帯電話に活かされていると言える」と語り、Javaによってiモード FeliCaが成立したとの見方を示した。

 iモード FeliCa向け各種サービスの事例を紹介した同氏は、セキュリティ面について不安の声が挙がっていることに触れ、「おサイフケータイは、財布と同じ程度のリスク。もともと携帯電話は、メールやアドレス帳など個人情報の固まりであり、(iモード FeliCaがなくとも)それなりのリスクは存在していた」と語り、おサイフケータイという新サービスで、新たなリスクは発生していないとした。

 最後に夏野氏は、「携帯電話は、音声からマルチメディアへ進化した。インターネットによって一気に普及したが、Javaを搭載したことでマルチメディア化はさらに進んだ。次のステップであるおサイフケータイは、Javaが根幹のプラットフォームであり、今後もユーザーの利便性向上に向け、開発者とともに頑張っていきたい」と聴衆に語りかけ、講演を終えた。


JavaがiモードとICチップを、バーチャルとリアルを連携させるとした iモード FeliCaにおけるメモリ領域を示した図

■ Java Computing 2005 Spring
  http://jp.sun.com/jc2005/

■ NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/



(関口 聖)
2005/03/11 15:33

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