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【WPC EXPO 2004】
ドコモ榎氏、「モバイルは人のそばにあることが重要」

NTTドコモ 常務取締役 プロダクト&サービス本部長の榎 啓一氏
 「WPC EXPO 2004」3日目、22日の基調講演にはNTTドコモの常務取締役 プロダクト&サービス本部長の榎 啓一氏が登場した。同氏は、「モバイルコミュニケーションの進化によるライフスタイルの変化」と題して講演を行ない、FeliiCaやQRコード、赤外線通信など外部インターフェイスとなる機能について語った。

 榎氏はまず、iモード契約数の伸び率などを説明し、赤外線通信機能対応端末が2,500万台、QRコード対応端末が1,200万出荷されているとした。同氏は「今年は2次元バーコードの年になる」と話し、携帯電話のQRコードを使ったビジネスがいよいよ本格展開すると述べた。

 同氏は「印刷物の最大の欠点は印刷した時点で情報が止まるということ。QRコードは、プリントメディアに人を引きつける力と情報の即時性を提供する」とアピールし、QRコード入りの観光地向けポスターなどを紹介した。

 また、iモード FeliCaについては、現状で約50万台が販売されているとし、赤外線通信機能やQRコードが拡大するのと同様に「普及拡大する」と自信を見せた。

 次いで、携帯電話の市場規模を説明。有料コンテンツ市場は1,500億円規模の巨大なマーケットとなり、そのうち、約半数が着メロ・着うたといった音楽系コンテンツだとした。また、携帯電話を使った物販サービスについては、数千億円市場と推測し、化粧品などのちょっとした商品の売れ行きがいいと語った。

 そして、最も大きなマーケットとして株式市場を挙げ、携帯電話から数十兆円の売買があるとした。榎氏は携帯による株取引が拡大した背景に、平日昼間に働いている会社員の存在を挙げた。「勤務中に証券市場は閉まってしまう。かといって会社のパソコンで取引を行なえば、すぐに会社にばれる。携帯電話は画面が小さく何をやっているかばれにくく、取引条件を設定しておけばメールが来るのでそれまでちゃんと仕事ができる」とした。なお、同氏の元にはシニア層から「らくらくホンをiアプリに対応欲しい」とする株取引を求める声も届いているという。


iモードの産業規模 携帯電話は24時間いつもそばにあることが強み

 「世の中は人が主体のため、決定するのは人。そして意志を決定するものの一番そばにあるのがケータイ」(榎氏)。榎氏は携帯電話事業に携わる中で、これまではコンテンツが豊かで、高画質・高機能なものが良いとする考え方から、人の近くにあることの方が重要だと感じたという。小売店の例を挙げ、コンビニエンスストアが好調な理由に集客力がある点を説明。今回の講演の中で同氏は、再三に渡って「モバイルは移動できることが重要なのではなく、重要なのは人のそばにあること」と説いた。

 赤外線通信機能やQRコード、iモード FeliCaを説明していく中で、榎氏は「携帯電話で繋がるもの全てをドコモがやるわけじゃない。ドコモはあくまでプラットフォームを用意するだけ」とした。サービスを各社が提供することで、BtoCのビジネスを展開する各社にビジネスチャンスがあるとし、来場者にアピールした。

 このほか、同氏はBluetoothについても言及した。中近距離通信技術として欧州を中心に普及するBluetoothだが、ドコモでは赤外線やQRコードのような展開は現状で考えていないようだ。「人間の意識は、何かをコントロールしようとするときに目の前に集中する。指向性のないBluetoothは赤外線やQRコードのようにはいかない。ハンズフリー通話などでの用途が考えられるので各々使い方が分かれてくるだろう」とした。

 榎氏は、同社が用意するプラットフォームの上でビジネスを展開する上で、「持ってもらう、使ってもらう」といった他動詞ではなく、ユーザー自身が決定するものが重要だとした。「日本の携帯電話市場は、教育程度や安全性が保たれた社会だからこそ生まれたもの。海外でも今後、中産階級が主流となる社会が増えていけばさらに発展が期待できる」と述べ、最後に「携帯電話ビジネスは勝てる可能性がある。将来、プロ野球球団が買えるような商売ができるのはないか」と来場者に呼びかけた。


意志を決定する人のそばに携帯電話がある 講演では主体は人であることが繰り返し説明された

携帯電話の外部インターフェイス ユーザーが自分で働きかけるようなサービスが重要


URL
  WPC EXPO 2004
  http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/


(津田 啓夢)
2004/10/22 18:06

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