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【WPC EXPO 2004】
au design projectの小牟田氏、携帯のデザインについて語る

talbyを手にする小牟田氏
 「WPCフォーラム2004」では20日、au design projectを指揮するKDDI プロダクト統括部 プロダクトデザインディレクターの小牟田 啓博氏が登壇し、同社の携帯電話デザインについて講演が行なわれた。講演後には、「A5405SA」「A1403K」などのデザインを手がけたイワサキデザインスタジオ代表の岩崎 一郎氏を招いて小牟田氏との対談も行なわれた。

 講演の冒頭では、小牟田氏からau design projectの生い立ちや、製品化第1弾となる「INFOBAR」の誕生秘話などが語られた。小牟田氏は「KDDIに入ってすぐ、プロダクトデザイナーの深澤 直人氏に携帯電話のデザインを依頼した」と述べ、INFOBARのデザイン案ができてからも、タイル上のキーをユーザーが入れ替えられたりできるようにしたいといった提案を積極的に行なったという。深澤氏も「INFOBARに、あふれるほどの提案をしてくれた」という。同氏はまた、「INFOBARはとても恵まれたプロジェクトだった」と振り返り、「NISHIKIGOI」など端末カラーの名称は、「打ち合わせの時などに呼んでいた愛称をそのまま採用した」と当時の状況を語った。


au design project前後の流れ。小牟田氏がKDDIに入った日を単純にプロジェクトの発足日にしただけとか au端末をデザインで分類

深澤氏より考案されたデザイン原案。子供用のブロックや石鹸などを使っている 提案されたカラーバリエーション例。キーを自由に組み替えることも提案された

こちらはishicoro。小牟田氏にプレゼンする際に実際に使われた写真 ishicoroをペーパーウェイトのように使うスタイル。着信すると端末全体が優しく光るという

 同氏はまた、INFOBARなどと同じくスライド型端末としてコンセプトデザインが公開されていた「GRAPPA」に触れ、「これが革を使った初のデザインではないか」とした上で、量産を前提としたデザインという外装に革を使用した折りたたみ型「GRAPPA」の写真を公開。「量産を狙ったもので、今まで隠していた」とし、革の扱いなど、クリアしなければならない項目は多いながら、「いずれは狙っていきたい」と製品化に意欲を見せた。

 au design projectの第3弾となる「talby」については、「フラット、スリム、シンプルなケータイ。でも少しユニーク」と解説し、プロダクトデザイナー・Marc Newson氏によるデザインを紹介。「気取りすぎていないけれど、なんかカッコイイ、という距離感が素晴らしい」としたほか、「talbyに内蔵の動物メニューは、日本語の読めないMarc氏が日本で携帯の仕事をする際に使っていたもの」という裏話も明かされた。


2002年発表のGRAPPA。スライド型の端末 公開されたもう一つのGRAPPA。折りたたみ型で外装には皮革を使用、着せ替えもできるというコンセプト

A1403Kを手に対談に臨む岩崎 一郎氏。同端末については「優しさを形にしたデザイン」と自信をみせた
 講演後に行なわれた小牟田氏と岩崎氏の対談では、au design projectやデザインにこだわった端末についてそれぞれの意見が語られたほか、対談後には質疑応答にも応じた。

 岩崎氏は、初めて携帯のデザインの依頼を受けた時を「当時私は、ねばってまだ携帯を使っていない人だった」と振り返り、「これほど身近にありながら、なぜ愛着を感じないのかなと思った」と語った。携帯電話デザインへの不満、愛着のわかない製品への回答がA1403Kであるとし、また「そういったところと向き合ったものが、これから各メーカーからも出てくるのではないか」と述べ、使いやすさとデザインを両立させた携帯電話への期待を述べた。また同氏は、デザインにおいて、「メーカーの常識と生活者の常識は違う。違う世界のデザインを見、双方の違いを澄んだ目で受け入れることが重要」と語り、携帯電話デザインにおいても他の製品デザインと同じく、生活者・ユーザーの視点に立つことが重要であるとした。他の製品と携帯電話との違いについては「携帯電話のデザインはプロセスが非常に速い」と驚きを隠さなかったほか、「そして、ビックリするくらい早く世の中からなくなる」として会場の笑いを誘った。

 小牟田氏は、これからの携帯電話のデザインについて「生活者の視点がどう流れていくのか、というのが大切」とし、物価からファッションまで、世相を知ることがデザインにも重要であるとした。また、「ケータイを通じてデザインや物のクオリティを訴えかけるのは、日本のエンジニアリングならでは」とし、「今になって日本のデザインの携帯は海外でも評価されている。これからもっと面白くなる」と期待と意気込みを語った。

 質疑応答においては、au design projectでW21シリーズなど高機能な端末が発売されないのかとの問いに対して「考えているし、自信もある」(小牟田氏)との考えが明らかにされ、詳細は語られなかったものの、au design projectにおける新しいWIN端末の可能性が示された。


岩崎氏が手がけたA5405SAのコンセプト段階の写真 海外のデザイン誌で紹介されるなど、日本発のデザインに注目が高まっているという


URL
  WPC EXPO 2004
  http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/
  KDDI
  http://www.kddi.com/
  au design project
  http://www.au.kddi.com/au_design_project/


(太田 亮三)
2004/10/20 19:18

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