■ FOMAとパソコン間のテレビ電話を可能に
|
NTTグループのブース内で紹介されていた実証実験
|
NTTレゾナント、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモの3社は、FOMA端末とパソコン間でテレビ電話が可能なサービスの実証実験を開始した。これにともない3社では、「CEATEC JAPAN 2004」会場内において発表会を開催し、その概要を説明した。
今回実施される実証実験は、NTTドコモのFOMA端末とパソコン間でテレビ電話が可能になるというもの。また複数のパソコン間でのテレビ会議も可能となっている。3社では、「いつでもどこでもコミュニケーションできる」という点をアピールしており、中小企業やSOHOからモニターを募る。
特長として挙げられたのは、FOMAとパソコン間のテレビ電話、複数のパソコンが参加できる多地点接続、エコーキャンセラー機能によってハウリングなどを抑制した通話品質だ。映像は基本的にMPEG-4形式でやり取りすることになり、ADSLを導入しているSOHO環境でも利用可能だという。多地点接続を行なった場合、最大10人まで参加可能で、音声レベルは自動調節され、複数の人が同時に話した場合でも聞き取りやすいようになっている。
実証実験は、12月末まで実施される予定で、モニターは回線代やOCNの利用料、FOMAから接続した場合のテレビ電話通話料を負担する。
|
|
会場では、FOMAとパソコン間のテレビ電話を体験できる
|
トライアルサービスの概要
|
■ TypeBの非接触ICチップを搭載したminiSDカード
|
TypeBの非接触ICチップを搭載するminiSDカード。電源は端末から供給される
|
NTTグループの製品、サービスを紹介するブースでは、ユニークな出展が数多く見られた。携帯電話に関わるものでは、NTTサービスインテグレーション基盤研究所から「TypeB非接触ICチップ内蔵miniSDカードおよび携帯電話」が参考出展されていた。
TypeBは、非接触IC技術の1つで、国内では住基カードに採用されている。今回展示されていたものは、非接触ICチップが1MB、miniSDカードが256MBという容量が想定されたもの。非接触IC側では、現在iモード FeliCaで提供されているような各種サービスや、住民票の発行といった行政サービスの利用などが想定され、一方のminiSDカード側では携帯向けコンテンツの持ち運びやデジタル家電との連携などに利用できる。なお、ユーザー認証は公開鍵方式が用いられるとのこと。
非接触ICチップにおいて、1MBというサイズはかなりの大容量と言えるもの。同研究所はドコモと研究・開発を進め、大容量サイズを活かした多数のアプリケーションが活用できるようになることを目指していく。ちなみに、非接触ICチップを搭載したメモリカードという意味では、MOPASSコンソーシアムが推進している規格とほぼ同様に思えるが、担当者によれば「今のところ、MOPASS準拠にする予定はない」という。
|
|
その概要
|
幅広い利用シーンが想定されている
|
■ 未来を体験できるユニークな展示も
|
イラストが描かれた紙をカメラが捉えると、ディスプレイには花瓶が表示される
|
同ブースの一角では、3Dのコンピュータグラフィックスを用いた体験デモが披露されていた。これは、複数のカメラで花瓶や人形といったオブジェクトを多方向から撮影することで、速やかに3DCGを生成するシステムを活用したもの。
体験デモでは、用意された紙のイラストをカメラに向けると、そのカメラの脇にあるディスプレイ上ではイラスト部分にあらかじめ登録された3DCGが表示されていた。目の前には平らな紙しかないにも関わらず、ディスプレイ内には花瓶が表示されるという形になる。
このデモでは、カメラで取り込んだ静止画をQRコードと紐付けるサービスも提供。カメラ付き携帯電話で読み取れば、体験デモの際に見ていた映像をもう一度チェックできる。
|
|
複数のカメラを使って、3DCGを生成
|
目の前にイラストを掲げると、着ぐるみを頭につけたように表示された
|
|
2つのディスプレイを背中合わせにしたデモ。左右はそれぞれ遠隔地という設定
|
大画面のディスプレイを2つ背中合わせに配置し、それぞれのディスプレイの中央に小型カメラを設置したデモを行なっていたのは、「ミラーインターフェイス」と呼ばれるもの。これは遠隔地にいる人とコミュニケーションする際に、同じ空間にいるような感覚を味わうために開発されたという。
自分が見ているディスプレイには、うっすらと向こうにいる相手が映し出され、その上に覆い被さるようにアイコンやプレゼンテーション資料が表示されていた。その画面内には、自分自身の姿も薄く表示される。自分と遠隔地の相手がアイコンを押す動作をすれば、それぞれの動きがディスプレイ上に表示され、「同時にアイコンを押す自分と相手」を目にすることになる。単に遠隔地にいる相手とやり取りするだけであれば、自分自身の姿を映し出す必要はないが、「同じ空間にいて、同じものに触る」という感覚を得るために、今回のような仕組みが採用されている。
|
|
「ミラーインターフェイス」の概要
|
ディスプレイにはうっすらと自分と相手、アイコンなどが映し出される
|
■ URL
CEATEC JAPAN 2004
http://www.ceatec.com/
NTTグループ
http://www.ntt.co.jp/
(関口 聖)
2004/10/05 20:20
|