NTTドコモのブースでは、発表されたばかりのムーバ4機種が人気を呼んでいたが、その一方で、GSM/W-CDMAデュアルネットワーク対応端末やFOMA端末用燃料電池などが参考出展されるなど、興味深い展示がいくつか見受けられた。
■ NEC製のGSM/W-CDMAデュアル端末が登場
ドコモでは、かねてよりGSM/W-CDMAの2方式に対応した携帯電話端末の開発を明らかにしている。今回、参考出展されていたデュアル端末はNEC製のもの。全体的なフォルムはNECらしい雰囲気をまとっているが、キー配列など細かな点で新たな試みに取り組んでいることが伺える仕上がりとなっている。
担当者によれば「リリース時期や型番はまだ未定」とのこと。今回の出展もケース内に収められた形で、実際に手にすることはできない状態だ。
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「FOMA・GSMデュアル端末」という形で紹介
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キー配列。NECらしさもある一方で、方向決定キー周辺などはひと味異なる雰囲気
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赤外線ポートも装備
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こちらは右側面
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■ プロペラを回して“発電”をアピールする燃料電池
同社ブース内で、先端機器を紹介するコーナーでは、先日発表されたばかりのFOMA端末用燃料電池が出展されていた。同社では2005年度末を目処に実用化が進めており、それに先駆けてクレードル型の燃料電池を試作した。
携帯向け燃料電池は、簡単に言えば、メタノールと水の混合物および空気中の酸素を用いて、触媒を経て水を作りだし、その際に電力が発生するという仕組みだ。担当者は「燃料電池内での発電によって水蒸気が発生する。その水蒸気が外部に漏れ出てしまうこともあるが、もちろん商品化する際は、防止するために万年筆のインクのようなイメージでカートリッジを内部に格納する形にしたい」と語っていた。
また今回試作された燃料電池では、濃度30%のメタノールが利用されていることについて、「触媒などの耐久性を踏まえて低濃度のメタノールを利用しているが、将来的には高濃度のものを利用できるよう開発を進めていく」(担当者)という。
同コーナーでは、小型のプロペラを用意して、燃料電池が実際に発電していることをアピールしていた。
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携帯電話用クレードルのような形状の燃料電池
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メタノールを入れるカートリッジ(左)を外したところ
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プロペラを回して、電力供給していることをアピール
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■ 携帯のヘッドセットになるBluetooth対応音楽プレーヤー
現在、ドコモのラインナップでは「F900iT」のみがBluetooth対応端末となる。道路交通法改正などの影響もあって、携帯電話と接続できるヘッドセットへのニーズが高まっているが、同社ブース内では、AIWAブランドのBluetooth対応ミュージックプレーヤーが参考出展されていた。
来月にも正式に発表されるという同製品は、Bluetooth経由で携帯電話と接続し、ヘッドセットとしても利用できるミュージックプレーヤー。通話時には、再生/停止ボタンで発話・終話が可能となっている。
F900iTとリンクを確立させたデモンストレーションが行なわれていたが、残念ながら会場内では通信が混雑していたためか、FOMA端末へ電話をかけられず、体験することはできなかった。
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Bluetooth対応ミュージックプレーヤーの概要
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AIWAブランドの製品だ
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BluetoothのON/OFFはボタン1つで切り替えられる
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■ 補聴器との干渉を抑えたハンドセット
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Bluetooth対応ハンドセット。ハーティスタイルの一環だ
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同社が取り組むサービスの1つに、身体障害者などへ向けた「ハーティスタイル」がある。今回、同サービスに関連した製品として、補聴器との干渉を抑えたハンドセットが展示されていた。補聴器には、Tコイルと呼ばれるパーツが組み込まれているが、このTコイルへの対策が施されていない通常の携帯電話では、補聴器を装着しながら電話するとノイズが発生するという。
展示されていたハンドセットでは、その対策が施されており、ノイズが低減されているという。また、骨伝導機能も用意されており、聴覚障害者にとっては期待できる製品だ。携帯電話との接続はBluetooth経由になっており、Bluetooth機能非対応の携帯電話向けに専用アダプタも用意されている。
同じような狙いを持たせる機能として、ハンドセットの横にはわかりやすく親しみやすいアイコンを採用したメニュー「アイコンナビ機能」や、絵文字を使った「絵文字コミュニケーション」機能も展示されていた。
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やや濃い青色の部分が骨伝導の役割を果たす
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今回展示されていた「ハーティスタイル端末」の概要
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わかりやすいアイコンで説明する「アイコンナビ機能」
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こちらもわかりやすいイラストで操作を案内するメニュー
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■ 253iシリーズやiモード
このほか同社ブースでは、発売中の「D253i」を含む253iシリーズや、7月からスタートしたiモード FeliCaの各種サービスなどが展示されていた。
また、デジタルテレビ視聴の近未来的なスタイルを提案するコンセプトモデル「OnQ」も展示されていた。同モデルは、5月に催された「ビジネスシヨウ TOKYO」などでも展示されていたが、今回は分解モデルも併せて展示されており、コンセプトだけではなく実用化を期待させるものとなっている。
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発売中のD253i
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これはN253i
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P253iも展示されていた
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発売から間もないFOMAらくらくホンも
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iモード FeliCa関連の展示も用意されている
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am/pmの電子マネー決済をアピール
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Edyを利用してCS放送のコンテンツを購入できる
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近未来のテレビ視聴スタイルを提案するOnQ
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ケース内での展示だ
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分解モデルも展示されている
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底面にはminiSDのロゴも
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■ URL
CEATEC JAPAN 2004
http://www.ceatec.com/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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