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【WIRELESS JAPAN 2004】
クアルコム松本社長、4Gまでは「3G+無線LAN」携帯が本命

 「WIRELESS JAPAN 2004」で開催された「ワイヤレス コンファレンス2004」では、最終日となる23日に、クアルコムジャパン 代表取締役社長の松本 徹三氏が「移動体通信の将来像とクアルコムの戦略」と題した講演を行なった。


クアルコムジャパン 代表取締役社長の松本 徹三氏
 講演の冒頭で、同氏はCDMA方式を採用する携帯電話の加入者数が順調に推移してきたことをアピールし、「GSM方式は今年から来年をピークに減少していくだろう」と予想。また、先進国では旺盛な買い換え需要によって出荷が続くとし、一方で発展途上国では固定電話が普及する前に携帯電話が急速に普及する例を挙げ、複雑なシステムながらマーケットが大きいことにより結果的に安価なサービスとして提供される携帯電話サービスを、まったく異なる2つ性質から成り立っていると分析した。そしてこれらを踏まえた上で今後7~8年はCDMA2000とW-CDMAが拮抗していくとの見方を示した。日本においては、NTTドコモのFOMAが本格的な普及をはじめたことに触れ、「今年は真っ向からW-CDMAとCDMA2000が激突する」とし、日本市場は世界に先駆けて完全に3Gの競争になると述べた。


 3G以降の発展については、来年にも市場に導入されるという1x EV-DOの強化版「1x EV-DO Release-A」を採り上げ、アプリケーションによってデータ転送の優先度をコントロールする「QoS」、キャッシングしたデータを受取る蓄積放送、若干ながらアップリンク速度が向上していることなど、Release-Aの特徴を解説。しかし、3メガピクセルのカメラが搭載される端末も登場している現在では、大容量データを送信したいといった高速なアップリンクへの対応はHSDPAや1x EV-DO Release-Aでも難しいとし、その次の規格の必要性を説いた。


3Gから3.5Gへの発展。波線の規格の必要性に氏は疑問を投げかけた 2,500人の半導体技術者であらゆる種類に対応していくという

 無線LAN(OFDM)についても触れられ、同氏はこれを4Gではなく3Gと共存する有力技術と解説。パソコンなど、固定環境で使われるものと、携帯など移動環境で使われるものの中心にあるのが無線LANとした。そして固定・移動という「場所」と、短時間・じっくりといった「目的」により4つの使い方があると分析、それぞれの中間をうめるのが3Gと無線LANに対応した携帯電話であると述べ、この方式が4G以前の近い将来の「本命」になるとの見方を示した。また、現在2チップ構成でこの方式に対応すべく開発を進めていることを明らかにし、1チップ化も計画しているという。コスト面からも「CDMAとWiFiが結婚するのが経済効率がいい」と同方式をアピールし、「1つの方式ですべての性能をカバーしようとすればどれも中途半端になる」と乱立する無線LAN規格を牽制した。

 同氏はまた、「究極の802.11」と呼ぶ「IEEE 802.11n」についても言及し、携帯電話への搭載は難しいだろうとの見方を示しながらも「無線LANにはぴったり」と述べ、「4~5年のうちに家庭では無線LANが当たり前になる」としたうえで、11nを日本の家電メーカーと協力して普及に取り組んでいきたいと語った。技術的に完成しているとのことで、商品化に3年ほどを予想しているという。


無線LANは3Gと共存する有力技術 3Gと802.11のデュアルモードの必要性を解説

スペックが先行する無線LAN規格には疑問符を投げかけた 11nの普及に取り組んでいくという

 講演では放送と通信の融合についても語られたが、まず同氏は携帯電話へデジタル放送受信端末などを搭載することについて「本当にユーザーは求めているのか」と疑問を呈した。同氏は「ケータイで見たいのはニュースかスポーツ」と述べ、番組表に沿って決まった時間に開始される放送番組を家で見るのと、暇なときに時間つぶしとして携帯で番組を見るのはそもそも同機が別であると指摘。そこに必要とされる技術が、「1x EV-DO Release-A」でも対応する「蓄積放送」であるとした。同氏はこれを「放送と通信の融合の決め手ではないか」と述べ、蓄積放送がユーザーの立場に立った方式であるとことをアピールした。


放送と通信の融合のあるべき姿 蓄積放送の技術


URL
  クアルコムジャパン
  http://www.qualcomm.co.jp/
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/


(太田 亮三)
2004/07/23 23:06

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