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【WIRELESS JAPAN 2004】
UTスターコムのLu氏、急成長の中国市場の通信を語る

流暢な日本語で講演を行なったUTスターコムのプレジデント CEOのHong Liang Lu氏

2003年に2億3,000万を突破
 ここ数年成長著しい中国市場だが、今回のWIRELESS JAPAN 2004でも中国で事業展開する企業からの講演者が迎えられている。最終日となる23日、UTスターコムのプレジデント CEOのHong Liang Lu氏が、「中国版PHS“PAS”から次世代へ 中国にみるユビキタス社会の展望」と題して中国のワイヤレス市場について講演を行なった。内容は、現在の中国経済の好調を伝えるものとなったが、本誌では通信関連の話をお伝えする。

 Lu氏はまず、中国で「PAS」と呼ばれる中国のPHSについて説明し、日本からPHSを中国に持ち込んだ際に当初は日本と同じPHSという名称だったと語った。しかし、日本でPHS市場が縮小していく中、中国では「日本で失敗した技術」というイメージを避けるため、「PAS」(Personal Accessの略)と名付けられたという。

 次いで中国の通信環境について説明し、2003年に無線が有線を抜いて、世界的なトレンドと同様にワイヤレス通信が急成長しているとした。ただし、こうした調査の中でPASは有線通信網の方に分類されるという。これは、PASのそもそもの規定が「固定網の延長である」からで、限定された地域で使えるというイメージがこうした分類に反映されているとのこと。

 中国では携帯電話の成長率も著しいものを見せているが、Lu氏によれば中国では固定と無線ではそのコストに5倍程度の大きな開きがあるという。この点PASは、電話回線と同じ固定網を使用するためコスト的に安くあげられるのが特長で、これまで携帯電話を持てなかった低所得者層でも購入できるメリットがあるという。UTスターコムでは、低所得者層とされる道路掃除業務に従事する人たちが利用できるようにと、「彼らのオフィスである道路で連絡が取れるようにサービスを展開した」(Lu氏)という。なお、日本と同様発信者課金であるため、端末を購入すれば安く携帯電話を持つことができるのもメリットの1つだという。

 「2003年には2億5,000万ユーザーを突破し、約1年で日本の携帯電話市場を超えた」と語ったLu氏は、この状況が続けば、2~3年以内にアメリカの携帯電話市場の規模を突破すると予測し、中国市場がまだまだ成長する可能性のある巨大なマーケットであるとした。

 また、巨大市場であるがゆえに競争は厳しいが、端末メーカーなどを中心に世界展開する企業が続々と中国に進出している。Lu氏は「ノキア、モトローラ、エリクソンなどが積極的に参入している。ワイヤレスビジネスで中国を制覇しなければ、他の国では成功しないと言えるかもしれない」と述べた。


 広大な土地と多くの人口を抱える中国では、通信分野でアジアの半数以上シェアを占めている。中国国内でも通信事業は活発な動きを見せており、中国の経済成長率が7~9%であるのに対し、通信分野に限ってみると今後10年間で32%伸びると調査報告が出ているという。「通信分野の発展が(中国の)現在の好調を牽引していると言える」と自信をのぞかせていた。

 なお、中国の情報通信事業は、アメリカ・日本についで世界で3位の立場にある。Lu氏はこれには、「労働報酬が少ないということもあるが」と前置きした上で、5年後には「中国は3倍以上のユーザーを抱える市場となる」と予測。この市場規模は日本の6~7倍に当たり、「中国に参入していないのであれば、早く参入した方が良いだろう」と会場の業界関係者に積極的にアピールしていた。

 だが、中国の全人口のうち6割以上は農村部にいるという。つまり、それだけの労働力が農村部に集中しているということになり、Lu氏によれば、「政府は、向こう10年から20年の間に農村部の4億人の人口を都市部に移行する計画」と語った。これにより、都市部の生産能力は数倍に膨れあがるため、さらなるインフラなどが必要になるという。リサーチ会社の調査では、2020年には中国の市場はアメリカの4倍程度になると発表されており、Lu氏は「これはかなり保守的な数値。個人的には7倍ぐらいにはなるのではないか」とのこと。

 「中国市場が大きくなるというこは、貿易を行なっている日本の市場も大きくなるということ」と語ったLu氏は、中国市場で今後期待できるものとして、携帯電話や車などの個人ユースの製品を挙げた。また、中国で今後通信事業者がビジネスを行なう場合は、インフラから端末、ソフトまで一括して提供できる企業が強みを持つとした。

 UTスターコムのPASユーザーは3,200万人。同社では1997年からPASで導入している。中国通信インフラが1%に満たないときから中国市場に参入している強みを活かして今後も展開していくとのこと。この成功を活かしてインドでも積極的に投資していくという。

 また、UTスターコムでは音声通信の分野は全て無線になると考えており、同社のバックボーンは、PAS、W-CDMA、TD-CDMA、TD-SCDMAなどが同じネットワーク上に共存することが可能だという。「なかなか珍しいサービスではないか」と語ったLu氏は、北京ではW-CDMAとPASのコアネットワークを共有しているとした。最近PASと無線LANのネットワークが共有できるものも発表し、コアネットワークのソフトを変えていくことでデータもボイスも共有できる。最後に同氏は「End To End、ユーザーからオペーレーターにまで端末を共有できるようにしたい」と豊富を述べて講演を締めくくった。


今後さらに成長が見込まれる中国市場 通信分野は今後10年間で32%伸びるという

農村部の4億人を都市部へ移行
させる計画
UTスターコムは中国市場が世界に開かれる前から中国へ進出

音声通信は全て無線に 同社のコアネットワークは、PAS、W-CDMA、TD-CDMA、TD-SCDMAなどの共存が可能


URL
  UTスターコム(英文)
  http://www.utstar.com/
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/


(津田 啓夢)
2004/07/23 20:22

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