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「MOPASSカード」は、SDカードなどの記録媒体としてのメモリカードにICチップを搭載したカード。携帯電話などのモバイル機器に装着することで、単なる記録媒体に留まらず、ICチップを活用することでユーザーの本人確認や、さまざまなアプリケーションやサービスが利用できる。ショッピング時のセキュリティ機能（Mc-EX）に準拠していることや、メモリカードのスロットさえあればデータの読み書きが可能な点などが特徴だ。 中原氏は、講演においてMOPASSカードの仕様を紹介しながら、セキュアな環境であり、柔軟かつオープンな仕様であることをアピール。普段携帯電話にMOPASSカードを装着していても、PDAやテレビなどの家電、パソコンなどに差し替えれば、携帯で購入したコンテンツを利用できたり、本人確認が容易に行なえるとして、「MOPASSカードはメディアとメディアをつなぐ存在、ブリッジメディアだ」（同氏）と指摘。 また同氏は「従来のコンテンツは、不正コピー防止が重要だったが、MOPASSカードはユーザー個人を特定できるPKI証明書を持っている。コンテンツを購入したユーザーは、どの機器でもコンテンツを楽しめる」と語り、コンテンツ保護と利用者認証が同時に実現できることが大きなポイントであり、コンテンツプロバイダやユーザーなどいずれの立場にとってもメリットがあるとした。
MOPASSカードは、広範囲な利用シーンが想定されているため、ICチップが非接触でも接触でも対応可能だ。またICチップに載るアプリケーションは、たとえばSIMカードのような1つの機能しか利用できないのではなく、複数のアプリケーションを利用できるようになっているという。 中原氏は「電子マネーや電子チケット、会員証といったアプリケーションを搭載できる。この点は携帯電話向けのFeliCaとぶつかる点だが、MOPASSカードはコンテンツが入った上で利用者とどこへでも行ける」と両者の違いを示した。 一般ユーザーにとって、現状では馴染みのない「MOPASSカード」だが、KDDIではau向けの非接触IC機能搭載端末において、抜き差し可能なICカードを採用するとしている。これがメモリカードと1つにまとまるものであれば「MOPASSカード」に近いものと言えるだろう。ICカードを抜き差しできれば、契約者情報に加えて非接触ICを利用するアプリケーションも別の携帯電話へ移動できるが、メモリカードも含まれていれば着信メロディやゲームといったコンテンツも同時に移動できる。 講演後、中原氏に「SIMカード、FeliCa、メモリカードの機能を1つにまとめることは可能か？」と聞いたところ、同氏は「それはMOPASSカードで技術的には実現可能。しかし実現するかどうかはキャリアの判断次第」と答えた。同コンソーシアムには、特別会員としてNTTドコモ、KDDI、ボーダフォンの3社が参加しており、近い将来携帯電話に搭載される日が来るかもしれない。 ■ ＵＲＬ MOPASSコンソーシアム http://www.mopass.info/ WIRELESS JAPAN 2004 http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/ ■ 関連記事 ・ 国内最大級のモバイル関連イベント開幕 （関口 聖） 2004/07/22 19:47 | ||||||
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