「WIRELESS JAPAN 2004」で開催された「ワイヤレス コンファレンス2004」では21日、KDDI 代表取締役社長の小野寺 正氏が「ブロードバンドワールドがもたらす『ユビキタス』ライフスタイル」と題した講演を行なった。
■ ユビキタスは情報共有・情報発信、課題はセキュリティ
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KDDI 代表取締役社長 小野寺 正氏
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小野寺氏はまず、どこにいても情報を発信できるのがユビキタスネットワークの特徴であるとし、ユビキタス社会は情報を共有できることが重要であるとした。そしてそれには大容量で高速なブロードバンド環境の普及が鍵となるとの見方を示した。
同氏はユビキタス社会の「ユビキタスライフスタイル」として「遠隔モニタ」や「どこでも決済」、「電子行政」「情報家電」「遠隔医療」「電子タグ」などを挙げた。同社でも開発中という非接触IC搭載の携帯電話による決済や、遠隔モニタ、電子行政などで、プライバシーの保護とセキュリティを確立することが重要であるとした。また、同氏は非接触IC搭載の携帯電話についてはSuicaの搭載をターゲットに開発を行なっていることにも触れたほか、携帯電話のように普及している製品が電子タグの読み取りなどについても大きな役割を担うとの予想を明らかにした。
家庭内と外出先でのコンテンツのやりとりがシームレスに行なえる「情報家電」の項目では、技術的には実現可能としながらも「家電メーカーと協調してどう普及させていくかが重要」であるとした。また、家電においてはいかに簡単に使えるかが重要であるとし、「これを解決しなければ普及は難しい」と語った。
同氏はユビキタスライフスタイル実現への課題として、セキュリティの確保やGPS以外の高精度測位技術の確立を挙げ、今後これらの課題をクリアしていくことがユビキタスネットワークの実現と普及につながると述べた。
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ユビキタスライフスタイルでの情報共有
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どこでも決済
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情報家電
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今後の課題
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■ 光サービスが本命
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ブロードバンドとモバイルとの連携
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ユビキタスライフスタイルを支えるネットワークについては、同社のADSLサービスと光サービスを例に挙げて解説を行なった。同氏は冒頭で「ある意味本当のブロードバンドには光が必要になってくるだろう」と述べ、「ユビキタス社会では個人がどんどん情報を発信できる社会。それには上りの速度が大切」であるとし、ADSLの弱点である上り速度や、ノイズなど電気的影響を受けやすい点を光ファイバーによる接続が解決できるとした。
同氏はIP電話についても「どんどん普及を進めていきたい」と意気込みを語り、やがて「レガシーな」固定電話はIP電話に置き換わるとの予想を示した。これにより、電話も「本当の意味で次の世代へ」移行できると語った。
同社の光サービスに付随する形で提供していく方針の「モバイルとの連携」については、比較的セキュリティが高いとされる携帯電話と家庭内のブロードバンドを組み合わせることなどができると述べた。例えば「テレビで欲しい商品を注文し、決済の時にはセキュリティが高い携帯電話を利用する」といったもので、今後モバイルとの連携を実現する環境整備を行なっていくという。
■ ICカード付き携帯電話はSuicaをターゲットに
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2次元コードの応用
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ユビキタスネットワークを支える携帯電話のネットワークについては、NTTドコモの3G端末であるFOMAが500万契約を突破したことにも触れながら、これからは「3Gが伸びてくる時代」との見方を示した。同社の「着うた」の成功については「コンテンツプロバイダーとの協業がうまくいったに尽きる」とし、「リーズナブルな値段、スピード」が成功の要因であるとの見方を示した。
同社携帯電話の2次元コードへの対応と応用については、GPS機能との連携を紹介。EZナビウォークにおいて2次元コードを読み取るだけで目的地に設定できることに触れ行先などの「入力の改善に大きな役割を果たすだろう」と期待を明らかにした。
ICカード付き携帯電話については、「Suicaをまずターゲットにして開発を行なっている」ことを明らかにし、そのほか電子マネーやポイントカード、電子チケットなどへの応用が紹介された。また搭載されるアプリは基本的にBREWアプリであるとし、今後BREWが同社携帯電話の「核になっていく」ことを改めて表明した。
CDMA 1X WINのサービス、とりわけパケット定額制については「サービスがあるうえで、安心して使ってもらわなければいけないということを認識した」と述べ、着うたサービス開始と同時に「パケ割」を導入したことに触れながら「いいコンテンツがあっても高ければだめ」とし、ユーザーをストレスから解放することが重要であると述べた。またWINの特徴的なサービスであるEZチャンネルについては、「1つのメディアとして発達するのではないか」と期待を寄せていることを明らかにし、今後も注力していくことが語られた。
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ICカード付き携帯はSuicaをターゲットに開発
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定額制はユーザーの不安を取り除けるという
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■ 地上デジタルラジオ受信端末も開発中、コンテンツとの連携が鍵に
同社が進める次世代技術開発については、まずユビキタス環境におけるセキュリティ技術が紹介された。同氏はユビキタス環境では「認証処理の分散化が進む」とし、ローカル認証、リモート認証といったように認証処理が1つに集中しないとの見方を示した。また、ユビキタス環境では「不正侵入検知技術が重要になってくる」との認識を示し、認証処理の分散化と不正検知技術の確立の2つがユビキタス環境におけるセキュリティ技術の大きな柱になるとした。
端末の操作性や運用性については「ゼロアドミニストレーション」(プラグ&プレイ高度化)が重要と述べ、センサー、ICタグなどが普及すれば問題になってくる互換性の確保について家電メーカーを含めて開発を行なっていくことが重要であるとの見方を示した。
地上デジタルテレビ放送連携端末については、すでに公表されている試作機などが例に挙げて紹介されたほか、エフエム東京との共同開発で地上デジタルラジオ受信端末を開発中であることが明らかにされた。同社ではすでにFMラジオ受信端末を発売しているが、このことにも触れながら「ただラジオを聞いてもらうだけでは意味がない。コンテンツとどう連携させてくかが重要」と述べた。
同社が独自開発したMPEG直接編集技術も紹介され、ダイジェスト編集技術では自動的にハイライトシーンが生成される技術がデモを交えて紹介された。同氏は「コンテンツを持っている方にどう加工して提供して頂くかが重要」とし、これらの編集技術により高度な編集が手軽に行なえると同社の次世代技術をアピールした。
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ユビキタス環境におけるセキュリティ技術
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プラグ&プレイとも呼ばれる互換性が課題に
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地上デジタルラジオ放送連携端末について
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自動でハイライトシーンを抽出できる編集機能
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■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
WIRELESS JAPAN 2004
http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/
(太田 亮三)
2004/07/21 19:31
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