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【第7回 組込みシステム開発技術展】
携帯同士で充電できる技術など各社が携帯向け技術をアピール

 7月7日~9日の3日間、東京ビッグサイトで「第7回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」が開催されている。産業用組込機器から組込機器ソリューションまで幅広く展示されており、会場は盛況を博していた。本誌では、携帯電話関連の展示を中心に紹介しよう。


エプソン、接続なしで携帯電話を充電できる技術

セイコーエプソンブース

無接点電力伝送モジュールのデモ。コイルを搭載した置物を特定の場所に置くとライトが点灯する
 セイコーエプソンのブースでは、7月6日に発表されたばかりの無接点電力伝送モジュールが紹介されていた。昨年の同展示会でも紹介されており、今回も開発段階のものとなった。新たにIDの認識機能および異物検知機能が追加され、より実用段階に近づいたという。

 同モジュールは、コイルの電磁誘導により発生する微弱電波を使って無接点で電力を供給できるというもの。例えば、携帯電話と充電アダプタにコイルを搭載すると、接点なしの端末でもバッテリーの充電が可能。また、携帯電話同士で、バッテリーが少ない方の端末に電力を供給したり、ノートパソコンと携帯電話を鞄にいれて、外出中にノートパソコンと携帯電話を接続することなく携帯電話の充電が可能となっている。

 電力の出力量は4Wで、伝送効率が70%程度となるため3W強の電力を供給できる。新たに追加されたID認証機能によって、電力供給の際に携帯電話の個別認証が可能になり、例えばドコモ端末同士であれば電力を供給できるが、他キャリアでは反応しないといった制御が可能になった。また、異物検知機能によって、金属などの物体が、端末間にあった場合に発熱などの被害を予防することも可能。

 セイコーエプソンでは、ID認証に対応しないモジュールを9月にもサンプル出荷する予定。11月にはID認証対応モジュールもサンプル出荷される見込みだ。ブース内のスタッフは、「新幹線の座席に備えてあるトレイなどにコイルを搭載することで、出張などで移動中に充電することが可能になる」とアピールしている。同社では社会的なインフラとして普及させたい考えだ。モジュールサイズは、送電側が50×30mmで、受電側が40×30mm。


ID認識機能や異物検知機能が追加された 端末同士で充電できる

 このほか、同社のブースでは、赤外線を使ったネットワーク型の製品などもデモンストレーションしていた。携帯電話を使って家の中にあるさまざまな機器をコントロールできるというもので、ブースでは、iモードを利用してテレビのチャンネルを変えられた。スタッフによれば、赤外線を利用したリモコンアプリとはことなり、外出先からも自宅の家電を制御できるため、電源の切り忘れや、帰宅する15分前にエアコンをかけておくといった利用方法が想定されているとのこと。


ネットワーク対応赤外線リモコン 携帯電話でチャンネルを変えた

ACCESS、「NetFront」の新バージョンや地上デジタル放送技術を展示

ACCESSのブース
 ACCESSのブースでは、携帯電話や情報家電向けのブラウザ「NetFront」を搭載した世界各国の携帯電話を展示し、アピールしていた。

 7日に発表された「NetFront v3.2」が紹介されており、Webページの表示を高速化する「Rapid-Render」や、画面サイズ合わせてWebページをレイアウトする「Smart-Fit Rendering」などをアピールしていた。

 また、5月に発表された地上デジタル放送対応ブラウザ「NetFront DTV Profile」などが紹介されており、携帯電話向けの1セグメント放送に向けて準備を整えているという。スタッフによれば、ブラウザはほぼ完成しており、今年9月頃に正式な規格が決定すればすぐに提供できるとのこと。

 地上デジタル放送関連では、松下電器産業 パナソニック ソフトモジュール カンパニーのブースで、同社の映像コーデックシリーズ「MediaArtist」を展示。参考出品としてH.264/MPEG-4 AVCのコーデックが紹介されていた。MPEG-4よりも高い圧縮率が特長で、地上デジタル放送の受像器や携帯電話なども視野に入れたもの。製品投入時期は未定としており、まず、従来のコーデックシリーズの充実を図っていくとしている。


NetFront搭載携帯電話を各種展示 各国の携帯電話を手に取ることができる

地上デジタル放送ソリューションを紹介 地上デジタル放送対応ブラウザの説明

パナソニック ソフトモジュール カンパニーは、H.264/MPEG-4 AVCのコーデックを参考出品

松下やアーニス、3Dサラウンド技術をアピール

松下電器産業 半導体社のブース
 松下電器産業の半導体社のブースでは、モバイル機器向けの3次元音響再生LSIのプロトタイプが紹介されていた。低消費電力でサラウンド効果が得られるのが特長。製品化の目処は未定としながらも、スタッフは「次かその次のFOMA端末では可能性があるかもしれない」と語っていた。その場合、自社製品へ投入されるのか、他社の端末メーカーへ供給するのかは明らかにしなかったが、サラウンド効果を得るためににはスピーカーの配置にも気を配る必要があるため、自社端末への導入の方が可能性がありそうだ。

 音響技術ではこのほか、マクニカのブースでアーニス・サウンド・テクノロジーズが3D音響技術を紹介していた。テキサス・インスツルメンツのチップ上で3D音響を実装するというもので、まず海外の携帯電話市場に向けて展開していくとのこと。


3次元音響再生LSIのプロトタイプ ホールにいるような音響効果が得られるという

アーニス・サウンド・テクノロジーズでは、携帯電話型のモックアップでデモンストレーションを行なった


URL
  第7回 組込みシステム開発技術展
  http://web.reedexpo.co.jp/ESEC/
  セイコーエプソン
  http://www.epson.co.jp/
  ACCESS
  http://www.access.co.jp/
  パナソニック ソフトモジュール カンパニー
  http://panasonic.co.jp/psc/
  松下電器産業 半導体社
  http://www.panasonic.co.jp/semicon/
  マクニカ
  http://www.macnica.co.jp/
  アーニス・サウンド・テクノロジーズ
  http://www.arns.com/


(津田 啓夢)
2004/07/07 18:09

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