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【第3回ケータイ国際フォーラム】
KDDI高橋氏、「WINは他メディアとコラボレーションしやすい」
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KDDIコンテンツ本部長の高橋氏
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京都で開催されている第3回ケータイ国際フォーラムのセミナーの中で、KDDIのソリューション事業本部・コンテンツ本部兼コンテンツ企画部長高橋誠氏が「KDDI ブロードバンド時代のモバイルインターネット戦略」と題した講演を行なった。
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3G普及の背景について
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高橋氏はまず、現在のauの端末ラインナップがすべて第3世代携帯電話(3G)で、3Gのシェアもauがダントツであると紹介し「ドコモのFOMAも普及し始める今年から来年にかけてが3Gの本命の年になる」と述べた。速い通信速度と安い通信料金が求められてきたことが3G普及の背景にあるとし、CDMA 1Xやパケット割を提供できたauが3Gでリードしていると説明。その上で1ユーザーあたりのパケット量がドコモに比べて増え続けているデータを紹介し「通信の常識だが、通信単価が下がっても通信ボリュームが増え、収入は一定に保たれる」と述べ、3Gのビジネスが順調であることをアピールした。
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3G端末の普及台数。2004年1月現在で1440万台中85%がauだという
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1ユーザーあたりの通信量。ドコモに比べてauは通信量が多く、増加傾向も強い
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着うた成功の要因
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3Gを活かしたサービス実例として着うたを挙げた。高橋氏は着うたが数少ない音楽ダウンロードサービスの成功例であると紹介。その成功理由の1つとして「ドコモとの比較になるけれど」と前置きしつつ、auが採用する従量課金を挙げた。ドコモではコンテンツ料金はすべて月額課金のみだが、auは1ダウンロードごとの従量課金での提供も行なわれている。高橋氏は「月額課金だとコンテンツ権利者は1曲ごとに値段を付けられないが、従量課金ならば1曲ごとに異なる値段を付けられる。こうした権利者寄りのシステムがレコード会社に受け入れられ、ビジネスがうまくいった」と説明した。さらに「パケット代が安くなればフルコーラスでの楽曲提供もありうる」として、着うた拡張の可能性を示唆した。
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auで提供されている着うた以外のマルチメディアサービス
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FMラジオ搭載ケータイについても、放送業界の注目度が高く、コラボレーションが成功していることをアピール
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■ 定額制はいろいろな仕組みを使うことで導入できた
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「ブロードバンドケータイ」を標榜するWIN
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昨年末に開始されたWINについて高橋氏はまず「2月末時点で20万人」という数字でまずまずの滑り出しであることをアピール。さらに「定額制はムリだと思っていたが、いろいろな仕組みとともに導入することで実現できた」としてEZチャンネルの夜間プッシュの仕組みを紹介した。WINで提供されているプッシュ型コンテンツ配信サービスのEZチャンネルは、夜間にWIN端末に自動で配信される。こうした仕組みの背景として、データ通信のトラフィックのピークが23時頃にあり、ネットワークインフラがそのピークにあわせて設計されていると説明。EZチャンネルはそのインフラがすいている夜間に自動配信することで、インフラへの負担を軽減しているという。またこの自動プッシュの仕組みについても「従量制だと勝手に通信することにユーザーは抵抗を抱くが、定額制ならば問題がない」として、定額制とEZチャンネルの組み合わせの相性がよいことをアピールした。
さらに高橋氏は、プッシュ型の配信形態にはこれまでにないメリットがあるとも述べる。「20万人のEZフラットユーザーのうち、4分の1にあたる5万人がEZチャンネルの着うたランキングを購読している。この着うたランキングから週に1万の着うたダウンロードがある」と説明。「マーケティングの本を読んだりすると、最近の若者にはウツ型が多いとある。しかしリコメンド(推薦)されると飛びつくので、プッシュ型でランキングが配信されるとそこからほかのコンテンツにつながる」として、プッシュ型のコンテンツ配信が、従来のオンデマンド型配信ではカバーしきれなかった需要を掘り起こせていることを説明した。
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EZチャンネルについて。プッシュ型配信で動画・音声があるなど、「テレビを見るように」使える放送風のサービスであることを強調
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現在のEZチャンネルのラインナップ(全20チャンネル)。ユーザーはこれらのうちいくつかを購読予約すると、番組が定期的に自動ダウンロードされる
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WINユーザーのアクセス状況
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このほかにWINユーザーの傾向として、トップメニューへのアクセス頻度が高いと紹介。定額制が利用できない非WINユーザーは目的のコンテンツがあっても通信料金を気にしてブックマークからアクセスするが、WINユーザーは通信料金を気にせずトップメニューを頻繁にアクセスするという。また月間の利用量推移についてのデータを挙げ「本当はネットワークのトラフィックは一定になって欲しいが、非WINユーザーは月末になるとパケット料金を気にしてデータ通信量が減る。しかしWINユーザーのデータ通信量は月初から月末まであまりかわらない」として、WINが通信事業者的に有利な構造を持っていることを紹介した。
■ WINはほかのメディアなどとコラボレーションが進めやすい
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従量制と定額制のビジネスイメージ
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最後に高橋氏は定額制のイメージについて、テーマパークのディズニーランドを例に出した。高橋氏は「ディズニーランドでの乗り放題チケットには、乗り物やアトラクションを料金を気にせず安心して楽しめるというメリットだけでなく、パレードなど無料サービスを含めた世界も含まれている」と説明。「WINの定額制には、ショッピングサイトでのウィンドウショッピングなど無料コンテンツも含まれる。定額制を契約してもらえれば、我々のインフラを使わないサービスの方がむしろありがたい。たとえば、これまではケータイにテレビを載せるとデータ通信がなくなり商売がなりたたなかったが、定額制ならば搭載されたテレビを含めた世界を4200円で販売できる」と述べて、定額制によりほかのメディアとの連携など、コラボレーションが進めやすい環境が整っていることを説明した。
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ケータイが放送の入り口となることで、メディア価値の向上やほかのメディアとの連携を強める
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試験的に行なわれている広告配信も、定額制ならばユーザーの抵抗感が少ないという
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WINは「メディアとしてのケータイ」という新しいステージへ進む
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講演の結論として高橋氏は、ケータイが初期の「話すケータイ」からモバイルインターネットの「使いケータイ」になり、次のステップのWINでは「メディアとしてのケータイ」になるという意見を述べた。さらにケータイをユーザーにいちばん近い端末=パーソナルゲートウェイとして、家電や非接触ICなどとコラボレーションさせるビジネスが今後5年間で成長するという将来の展望を語った。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
第3回ケータイ国際フォーラム
http://www.itbazaar-kyoto.com/forum/
■ 関連記事
・ 京都で携帯電話関連の展示会開催
(白根 雅彦)
2004/03/18 22:05
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