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【mobidec 2003】
ケータイでのサービス開始により拡がるポストペットの世界

ソニーコミュニケーションネットワークの高木氏
 8月28日、29日の2日間、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)および翔泳社主催による携帯電話関連のコンテンツ開発者向けイベント「mobidec 2003」が開催されている。29日にはソニーコミュニケーションネットワーク(So-net)のOnline Interactive Entertainment Div.の高木 信之氏が「モバイルコミュニケーションによって拡がるポストペットサービスの可能性」と題した講演を行なった。


マルチに展開するポストペット

 ポストペットは「ペットがメールを運ぶ」というエンターテイメント要素が盛り込まれたメールサービス。パソコン向けのポストペットは1997年よりメールソフトの形で提供されており、高木氏によるとソフトの出荷本数は107万、プリインストール版を含めると1,000万出荷を超えているという。


ポストペットの概要 ケータイ向けポストペットについて

 ケータイ向けのポストペットのメールサービスは今年の5月より、ドコモの505iシリーズとJ-フォンのJ-SH53向けに提供が開始された。高木氏は前日の講演でNTTドコモの夏野氏が述べた「505iシリーズの出荷台数は270万台」という数字を引用し「ケータイ版ポストペットのユーザーは4万1,000人だから、505iユーザーの1.5%が利用していることになる。サービス開始から3カ月が経過したが、登録者数はさらに順調に伸びている」とケータイ向けのポストペットが好調であることを明らかにした。

 ポストペットのヒットした理由について高木氏は「Outlookなどは文房具。それに対してポストペットはファンシーグッズ。メーラーというベーシックな実用ツールにエンターテイメント性を付加することに成功したこと」と述べた。

 さらに高木氏は52万人の登録者を抱えるパソコン向けの有料ウェブサービスや、「モモ」を初めとするペットのキャラクターグッズなど、ポストペットのマルチな展開をアピールした。


ケータイ版とパソコン版でペット共有などマルチな連携を目指す

現状のポストペットのビジネス領域
 高木氏はポストペットのビジネス領域について「パソコン向けのメールソフトとしてのポストペット」「パソコン向けのウェブサービス」「ケータイ向けサービス」「キャラクターライセンス」の4つがあると説明。このうち、すでにパソコン向けのメールソフトとしてのポストペットは、ウェブサービスとの連動が図られているが、高木氏は、現状でパソコン版とケータイ版で互換性がないことに問題があると指摘する。

 現在、パソコン版とケータイ版のポストペットは互いにメールをやり取りすることが可能だ。しかしパソコン版のポストペットとケータイ版のポストペットの両方を利用していると、それら両方に別々のペットが存在することになり、同じ名前で登録していても、性格が異なってくるなど同一のペットにはなりえない。高木氏はこの点に今後の課題があるとして、パソコン版とケータイ版を同一のペットにできるペットデータサーバーを構築する考えを明らかにした。

 さらに将来の可能性として高木氏は、ペットのデータをサーバー上で管理することで「飼い主であるユーザーとコミュニケーションを取るペットから、マーケティングに利用可能なデータをサーバー上に収集する」というまったく新しいビジネス展開を述べた。


現在のポストペットサービスの問題点。ケータイ版とパソコン版でペットを共有できない 今後はパソコン版とケータイ版でペットを共有できるようになるという

 最後に高木氏はポストペットについて「メールを運ぶというミッションを持って、インターネットで生まれた特殊なキャラクタ」と表現する。さらにケータイにポストペットのメーラーが搭載されたことで「ケータイはパソコンとは比べ物にならないくらい起動する回数が多い。このユーザーとの接点が、次のサービス展開のネタになるのではと考えている」とし、「いまはメールを運ぶだけが彼らの役目だが、もっと別の役割に拡大できるのではないか。今まではパソコンに住んでいるペットだったが、これからはネットに住むペットにしていきたい」とポストペットの新たなる展開について語った。



URL
  mobidec 2003
  http://www.shoeisha.com/event/mobidec/
  ポストペットの概要
  http://www.postpet.so-net.ne.jp/


(白根 雅彦)
2003/08/29 18:32

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