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【mobidec 2003】
JASRAC野方氏、着メロと著作権の関係を説明
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社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC) 送信部ネットワーク課 課長 野方 英樹氏
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8月28日、29日の2日間、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)および翔泳社主催による携帯電話関連のコンテンツ開発者向けイベント「mobidec 2003」が開催されている。音楽関連の著作権を管理する社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)の送信部ネットワーク課 課長の野方 英樹氏が「音楽コンテンツビジネスにおける著作権処理の実際」と題された講演を行なった。
講演時間が約20分と短いものではあったが、野方氏から携帯電話向けコンテンツの提供において、著作権への対応で留意すべき点などが説明された。
■ 携帯コンテンツと一心同体
野方氏は、「携帯電話向けに着信メロディを配信するには、著作権は切り離せないもの。最初に着信メロディの配信がスタートした年は、著作権料が約3億円だったが現在は約76億5,000万円。そういう意味で、携帯コンテンツと著作権は一心同体と言える」と現状を分析。権利関係がクリアになったコンテンツ配信によって、作曲者やコンテンツプロバイダ、エンドユーザー全員が恩恵を受けられるようになればよいとした。
続いて野方氏は、著作権そのものの概要を説明。原点はグーテンベルクの活版印刷まで遡ると紹介し、「知的創造物の促進や保護が日本の法制度の目的。音楽だけではなく、絵画などにも著作権は存在する。著作権がある、ということは他人のものと考えて欲しい。他人のものを勝手に使ったら、それは泥棒と同じことだ」とその理念や意義を説いた。
また野方氏は、「一口に著作権と言っても、いくつか種類がある。音楽の場合、作曲者や作詞者に与えられる“著作権”。また、その曲を演奏したり、歌ったりする実演者やレコード製作者には“著作隣接権”が存在する。このほか、著作者の人格を尊重した“著作者人格権”もある。これは、嫌煙家が創作した曲をたばこ関連のCMに無断で使用された場合に主張できるだろう」と丁寧に説明。
さらに携帯電話向けコンテンツにおいては、「着信メロディは著作権と著作者人格権、着うたの場合は、著作権・著作隣接権、場合によっては著作者人格権が関わってくる。また映像コンテンツでは権利だけ見れば、著作権と著作隣接権だけになるかもしれないが、関わる人数も多くなり、複雑化してしまう」と述べた。
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著作権の概要
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携帯コンテンツと著作権の関係
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■ JASRACの果たす役割
JASRACは、著作等管理事業法によって、“指定管理団体”と定められている。音楽関連の他管理事業者は、コンテンツプロバイダなどから「著作権料が高い」と申し出があった場合に聞く義務はあっても協議する義務はない。CD化などの権利は、レコード会社が管理しているが、JASRACは、インターネット上のコンテンツにおける著作権管理を担当している。指定管理団体であるJASRACは、携帯電話やパソコン向けの音楽配信、着信メロディ配信において訴えがあれば必ず応じなければならず、うまく協議が進まなければ文化庁長官による裁定が行なわれる。野方氏によれば、この点がJASRACが他の管理事業者と大きく異なる点であり、このような法的整備もあって、著作権料が異常な価格ではなく、適正な価格になっているとした。ちなみに、着信メロディ1曲につき、著作権料は5円となっている。
野方氏は、JASRACが行なっている著作権保護活動について、「デジタルコンテンツにおいては、著作権保護機能の整備を訴えてきた。また権利情報の管理や正確に利用状況を把握し、その重要性の周知をはかっている」と語った。また、重要な点として「許諾を得ず、違法に配信されているケースがある。現在では、プロバイダの責任を問う法律が整ったおかげで、サイトを開設している人に訴えかけて改善されなくとも、プロバイダからファイルを消去できるようになった。昨年10月から半年ちょっとで3万ファイルを消去してもらっている」と述べ、違法配信の監視が著作権者の保護だけではなく、コンテンツプロバイダのビジネスを守る役割を果たしていると指摘した。
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著作権料を決定する仕組み
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デジタルコンテンツに対して、JASRACはさまざまな活動を展開
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■ 海外展開には細心の注意を
iモードの海外展開などで、日本のコンテンツプロバイダが海外キャリア向けに着信メロディの配信などを行なうケースが増えている。野方氏は「日本と同じやり方でいくことはない。全く違うと考えたほうが良い」と警鐘を鳴らす。海外の著作権者に許諾を得る場合は、相手の言い値によって高額の著作権料が設定される場合もある。同氏によれば、海外では、国ごとに著作権関連の法律が異なり、管理団体の存在の有無によって、交渉相手が一体誰になるのかという情報を集める必要があるという。
野方氏は「JASRACとしても協力できる点があれば、やっていくつもりだが、コンテンツプロバイダ側でもきちんと情報収集に努めてもらうことも大切だ」と語った。
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海外での着信メロディ配信を行なう際は、情報収集が必須
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■ URL
mobidec 2003
http://www.shoeisha.com/event/mobidec/
社団法人 日本音楽著作権協会
http://www.jasrac.or.jp/
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(関口 聖)
2003/08/28 18:35
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