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【TELECOM ASIA 2002】
番外編「GSMケータイを買ってみました in 香港」

 CeBIT 2001/2002のレポートでは、ドイツのプリペイドケータイの購入レポートを紹介した。今回は世界でも1、2を争うほど、コストパフォーマンスの高いサービスが提供されている香港での取材。例によって、法林と編集スタッフYは、再びGSM方式のプリペイドケータイ購入にチャレンジしてみた。


狙うは007御用達のソニー・エリクソン「T68i」??法林岳之

 日本国内でプリペイドケータイというと、今ひとつメジャーな印象がないが、海外では過去にも紹介しているように、プリペイドケータイが広く普及している。逆に、普及しすぎて、高機能なケータイやサービスが育たないというマイナス面もあるが、我々のような旅行者にとっては、便利なシステムだ。

 今回、香港に出張するにあたり、当然のことながら、プリペイドケータイの購入を考えたが、実は事前の情報収集において、たいへん役立ったページがある。香港@山根さんという方が運営する「香港GSM携帯情報局」というページだ。このページで、香港にどんな携帯電話事業者があり、どのようにしてプリペイドSIMカードを購入するのかといった情報を事前に集めていたため、今回は拍子抜けするほど、カンタンに環境が整ってしまった。有用な情報を発信されている香港@山根さんに、この場を借りて、感謝の意を述べたい。

 さて、CeBIT 2001/2002のレポートでは、携帯電話事業者が販売する端末とプリペイドSIMカードのセットパッケージを購入した。こうしたプリペイドパッケージはすぐに使えるというメリットがある反面、多くの場合、SIMロック(特定の端末で特定のSIMカードしか使えなくするなどのプロテクト)が掛けられている。また、国際ローミングの料金も決して安いものではないため、今回はSIMロックのない端末とプリペイドSIMカードをそれぞれ単独で購入することにした。


SmarToneのショップ

 TELECOM ASIA 2002の会場近くにある「SmarTone」のショップ。店構えは日本に比べると小さめだ
 まず、プリペイドSIMカードは前述の香港GSM携帯情報局の情報を参考に、「SmarTone」の「SmarTone Stored-value SIM card」を購入することにした。理由はSMSが使えること、開通作業が非常に簡単であることを考慮したからだ。Stored-value SIM cardは180HKドル(約2,900円)で購入することができ、1分あたり1HKドル(約16円)で通話ができる。SMSが1通あたり1.2HKドル(約19円)と高く設定されているのは残念だ。有効期限は標準が180日で、300HKドル(4,800円)以上をリチャージをすることで、さらに270日も延長(リチャージした日から)することができる。さらに、リチャージをするためのバウチャーは香港内のセブン・イレブンや携帯電話販売店で購入できるだけでなく、同社のホームページ上でクレジットカード決済ができるそうだ。ちなみに、購入時にパスポートや現住所を確認するための書類などは、いっさい必要なかった。

 一方、端末の方は007最新作「DIE ANOTHER DAY」に登場するという個人的な思い入れもあり、ソニー・エリクソンのT68iを購入した。購入したお店は「豊澤電器(FORTRESS)」という家電量販店で、香港内のあちこちに支店があるチェーン店だという。日本でいえば、ヤマダ電機かコジマあたりに相当する場所なのだろうか。価格は2,380HKドル(約38,000円)。探せば、もっと安い店もあるのだろうが、クレジットカードで安心して購入できることを考慮し、ホテル近くのショップで購入した次第だ。


SIMパッケージ Stored-value SIM card
 Stored-value SIM cardのパッケージにはSIMカードや説明書が同梱されている。説明書は中国語と英語の両方で書かれている  「Stored-value SIM card」。中央のSIMカードを切り離し、端末に装着して利用する

 開通作業は至って簡単で、とにかくSIMカードを本体に挿すだけ。電話番号はプリペイドSIMカードが固定されているカードに記載されているので、ドイツのときのように電話番号がわからなくなるという心配もない(笑)。実際の使い勝手は、ボディがコンパクトなため、ボタンも小さく、操作性は今ひとつ。ただ、この小ささは最近の日本のケータイでは味わえないもので、とにかく気軽に持ち歩くことができる。

 また、今回は同伴者のために、もう1台、プリペイドケータイを調達した。異なる事業者のプリペイドSIMカードを購入することも考えたが、仕事で来ている以上、面倒は少なくしたいので、同じSmarToneのStored-value SIM cardを購入した。端末の方はいつかケータイ型OCTOPUSを使いたいということを考え、定番の「NOKIA 3315」を購入した。価格はT68iよりもグッと安く、898HKドル(約14,500円)で済んだ。ボディカラーがかなり地味なのが残念だが、そこはNOKIA。世界中で着せ替えカバーを購入できるので、また海外に出かけるチャンスがあれば、いろいろなカバーに交換してみたいと考えている。


「T68i」のパッケージ T68i
 ソニー・エリクソン「T68i」のパッケージ。同梱されているマニュアルは中国語。英語マニュアルはGlobalSiteからダウンロード可能。  T68iはとにかくコンパクト。Bluetoothも搭載しており、日本から持っていったVAIO PCG-SRX7とも接続できた

「NOKIA 3315」のパッケージ NOKIA 3315
 ノキア「NOKIA 3315」のパッケージ。NOKIA 33xxシリーズは世界中で使われている定番モデル  NOKIA 3315はT68iよりも大きいものの、比較的コンパクト。ボディは着せ替えが可能

仕方なく買った「T300」は外付けカメラ付き??湯野康隆

SmarToneショップ

 Causeway BayのSmarToneショップ。近くにはOne 2 FreeやOrangeのショップもある
 私も法林氏と同様、事前に「香港GSM携帯情報局」に目を通していたので、オペレーターはプリペイドでSMSが使える「SmarTone」にしようと決めていた。幸い、私が宿泊したホテルは香港でも有名なショッピング街のCauseway Bayにあるので、買い物には困らない。大通りには、One 2 Free(CSL)、Orange(Hutchison)、SmarToneといった香港大手のキャリアショップが並ぶ。迷うことなくSmarToneのショップに入った。

 お店のショーウィンドウを眺めながら、現地の人々がどんな端末を購入しているのかをさりげなくチェックしてみたところ、どうやらパナソニック製の「GD68」が人気のようだ。カラー液晶を搭載しているほか、透明な背面パネルに写真など挟んで見た目をカスタマイズできる仕様となっている。値段も約1,400HKドル(約22,500円)と手頃だ。


「T300」のパッケージ

 仕方なく買った「T300」のパッケージ
 列に並んで待つこと十数分、ようやく自分の番が来たので、GD68のパンフレットを見せながら「これとプリペイドのカードをください」と店員に告げた。ところが、その店員曰く「ごめん。今ので売り切れた」。ガーン……。呆然とする私を見ながら、その店員は「カラーディスプレイの端末がほしいの?」と語りかけてきた。「ほかにどんなのがあるの?」と尋ねると、ソニー・エリクソンの「T68i」や「T300」のモックアップが出てきた。私が「仕方ない。ちょっと高いけど、これにするよ」とT68iを指さしたところ、「すまん、これも売り切れだった」と店員。結局、T300しかないのかよ……。

 T300を半ば強制的に選ばされた私。パッケージには外付けカメラ「CommuniCam(MCA-25)」が同梱されている。値段は180HKドルのプリペイドSIMとあわせて2,660HKドル(約43,000円)だった。

 店員さんに回線の開通作業をしてもらい、店を出て、ホテルに戻って気が付いた。メニューが中国語だ……。実はこの失態、昨年ドイツでもやらかしていたりするのだが、そこは中国語、漢字なので何となく意味は分かる。どうにか英語表示にモードを切り替えて普通に使えるようになった。


T300 外付けカメラ
 ソニー・エリクソン「T300」。キートップには中国語入力用の記号もプリントされている  やっぱり気になるのは外付けのカメラ

 当然、通話やSMSについては問題なく利用できる。なので、興味は同梱されていた外付けカメラに移る。撮影できる画像のサイズは、640×480、320×240、160×120、80×60の4種類。自分撮り用のミラーもなく、外付けという面倒臭さはあるものの、その辺の風景を撮るぶんにはまあまあ普通に利用できる。ただ、問題は液晶ディスプレイのスペック。画面が小さいのは仕方ないとして、256色表示なので、かなり厳しいものがある。

 さらに問題なのは、プリペイドの契約ではSMSは使えてもMMSは使えないというところ。つまり、撮影した画像はどこにも送信できないわけだ。もちろん赤外線通信でパソコンに転送、というのもアリだとは思うが、残念ながら赤外線通信ポートがあるパソコンは今や皆無に等しい。端末自体はGPRSにも対応しており、着メロやゲームなどをダウンロードできるような仕様になっているのだが、この辺はプリペイド契約ということでかなり寂しい思いをすることになってしまった。完全にオーバースペックである。果たして今後、この端末のスペックをフルに活かせる機会はあるのだろうか。

 記事掲載後、「香港GSM携帯情報局」の香港@山根さんから、T300でもデータ通信対応のSIMを用意し、Eメールアカウントの設定を行なえば、インターネット経由でパソコン等に撮影した画像データを送信できるはず、という情報をいただきました。香港@山根さんには改めて感謝いたします。(2002/12/6 湯野)


カメラを接続 撮影画像
 縦にするとレンズ部分に手がかぶって撮りづらい。横向きにして使うのが正しいらしい  液晶が256色表示なので、かなり荒い印象。元のデータはもっとキレイなのかもしれないが……

ケータイをより身近に感じられる香港

 香港での携帯電話環境についての説明は、また別の機会に譲るが、街中を歩いていると、とにかく歩きながら、あるいは立ち止まって「通話」をしている人がたいへん多いことに気づく。さらに、地下鉄の中でもバンバン電話が掛かってくることにも驚かされた。おそらく、香港の人にはそれだけケータイが身近な存在であり、ケータイ型OCTPUSのようなサービスが登場するのも自然な流れなのかもしれない。ぜひ次回はこちらにもチャレンジしてみたい。


・ SmarTone
  http://www.smartone.com.hk/
・ 香港GSM携帯情報局
  http://gsmhk.hp.infoseek.co.jp/
・ ソニー・エリクソン(英文)
  http://www.sonyericsson.com/

スペシャルレポート
プリペイド携帯電話・通話料リチャージ編


(湯野 康隆, 法林岳之)
2002/12/05 17:11

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