さまざまな方式に対応した端末を世界に提供している三洋電機は、TELECOM ASIA 2002でも数多くの端末を出品している。なかでも注目を集めているのがメインディスプレイに有機ELを搭載したCDMA2000 1x端末だ。
スライド式ボディを採用した三洋電機製の有機EL搭載端末は、すでに国内の展示会などで何度か出品されたことがあるが、今回のTELECOM ASIA 2002ではほぼ市販端末に近い実動する端末でデモが行なわれている。デモ端末のメニュー構成や展示品の充電台などから見る限り、au向けに提供されることは間違いなく、ムービーメールに対応した「A530xSA」として発売される見込みだ。有機ELディスプレイは視認性も良く、視野角も広い。動画などもスムーズに再生できているが、太陽光の下でどの程度の視認性が得られるのかは室内での展示のため、今ひとつわからない。
また、同じ中国市場及び台湾向けとして、PHS端末も出品されている。PHSは本誌でも過去にニュースで取り上げたように、中国が最大の市場として成長しており、同社も日本で培った技術をベースに、製品を供給してる。今回のTELECOM ASIA 2002では、すでに出荷されている製品に加え、「PHS-UT95」という新端末のデモも行なわれている。「PHS-UT95」は6万5536色表示が可能な2.12インチのTFTカラー液晶を採用し、32和音の着信メロディに対応する。基本的には国内向けに販売されている「RZ-J700」をベースにしたもだが、実機を試した限り、メニュー画面などのソフトウェアが国内向けのものよりも使いやすくなっており(もちろん、中国語/英語表記だが)、今後、日本市場向けにも同様の新端末が登場することも考えられる。この他にも現行の製品が出品されていたが、いずれも通常の携帯電話と変わらないレベルに仕上げられている。