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【mobidec 2002】
ノキア大塚氏、グローバル市場への取り組みを語る
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8月29日、30日の2日間、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)および翔泳社主催による携帯電話関連のコンテンツ開発者向けイベント「mobidec 2002」が青山ダイヤモンドホール(東京・表参道)で開催されている。その中で、ノキア・ジャパンのプロダクト・マーケティング部マネージャーの大塚 孝之氏は「グローバル市場を目指したモバイルコンテンツサービスの開発」と題した講演を行なった。
携帯電話の標準化の鍵をみっしりと握る“OMA”
大塚氏の講演は、欧州のモバイルサービスの現状の説明から始まった。iモードサービスが開始したばかりで、日本に比べると携帯電話向けコンテンツビジネスが発達していない印象のある欧州だが、それでも市場規模としては着信音や壁紙のダウンロードを中心に、5億9000万ユーロ(約680億円)のコンテンツの売上があり、同じく欧州のパソコン向けインターネットコンテンツサービスの2億5200万ユーロ(約290億円)に比べると大きな市場を形成しているという。また、いまの欧州の携帯電話は、従来のSMSに加えMMSやJavaなどのオブジェクトのダウンロード機能やXHTMLのブラウジング機能などの新機能が追加され、サービスもこれから広がりを見せるという段階である。大塚氏は、こうした状況のモバイル・サービス産業における課題として、テクノロジーの標準化が重要であると語った。
欧州の携帯電話のサービス提供や開発にはフラグメンテーション(断片化)という問題が伴う。欧州では携帯電話は特定の事業者に向けて提供されるのではなく、GSMという標準規格に乗っ取った携帯電話が、GSMを採用するすべての事業者で使える、という形で提供される。このため、日本のように携帯電話事業者が自分たちで使う技術を独自に開発し、その事業者でしか使えない携帯電話に搭載する、という形での機能追加は、欧州では行なえない。欧州では、多数の携帯電話事業者と多数の携帯電話ベンダー、コンテンツプロバイダーが互いにうまく連動できず、断片化してしまうという状況が生じている。
このフラグメンテーションの問題に取り組むのが、2002年6月12日に発足したOpen Mobile Alliance(OMA)と呼ばれる組織である。OMAは「アプリケーションとプラットフォームに相互接続性が確保され、地理的にも次世代技術間においてもシームレスなローミングを提供する」ことなどを目指しているという。
OMAにはWAPフォーラムが参加するほか、位置情報を扱うLIF(Location Interoperability Forum)、SyncMLイニシアティブ、MMS-IOP(Multimedia Messaging Interoperability Process)、ワイヤレス・ヴィレッジ・イニシアティブなどの携帯電話に搭載される各種技術の標準化団体も、OMAと統合していく方針だという。
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境界線を越えた相互接続性がOMAのもたらすもの
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OMAの原則。ひたすらオープンかつグローバルなものを追求
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“Series 60”と“Forum Nokia”
OMAのプレゼンテーションに続いて、大塚氏は「Nokia Series 60プラットフォーム」について説明した。これはSymbian OS向けに開発されたユーザーインターフェイスやアプリケーションなどのミドルウェア群で、ノキアはこのSeries 60のソースコードを他社にライセンス提供していくという。他社はこのソースコードを使うことで、携帯電話に搭載する各種機能を自社で開発する手間を省くことができるわけだ。
また、大塚氏はノキアがコンテンツ開発者向けに提供している情報サービス「Forum Nokia」も紹介した。Forum Nokiaはインターネット上での開発ツールやドキュメントの提供などを行なうサービスで、無料で登録でき、現在全世界で70万人以上の登録メンバーがいるという。ドキュメントの提供など以外にも、技術的な質問へのサポートやプロトタイプ端末の提供などのテクニカルサポートに加え、世界各国の携帯電話事業者へのコンテンツやソフトウェアの紹介といったマーケティングのサポートも行なう。
・ ノキア・ジャパン
http://www.nokia.co.jp/
・ mobidec 2002
http://www.shoeisha.com/event/mobidec/
(白根 雅彦)
2002/08/29 21:45
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