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【WIRELESS JAPAN 2002】
ドコモ木下氏、「MzoneとFOMAのシームレスなサービスを目指す」
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NTTドコモクロスメディアビジネス部担当部長 木下誠氏
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WIRELESS JAPAN 2002の最終日、公衆無線LANサービスの将来に関するコンファレンスで、NTTドコモ クロスメディアビジネス部担当部長の木下 誠氏が「NTTドコモのMzoneサービスの戦略と今後の展望」と題した講演を行なった。
公衆無線LANサービスを取り巻く現在の状況と将来像といった話題を交えながら、7月1日より提供が開始された公衆無線LANサービス「Mzone」の展開と将来像について語られた。
公衆無線LANサービスへの需要
まず木下氏は、今後のモバイルコンピューティングの普及予測や自宅における無線LANの普及率、さらにユーザーからの需要の声など、公衆無線LANサービス全体に対する状況分析を説明し、潜在需要の大きさや今後の市場拡大が期待を持てるものだという認識を示した。
続けて同氏は、明らかに増大しているニーズに、ドコモを含めた様々な事業者が試験を含むサービスを提供、もしくは検討していることを示した上で、携帯電話の加入者数の増加が鈍化している事にも触れ、ドコモとしては音声通信から、コンテンツ配信などを含めた非音声通信へのサービス転換を重視して「新たな市場を開拓していく必要がある」と述べ、ユビキタス化への熱意を示した。
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木下氏は様々なデータを挙げ、公衆無線LANサービスの需要が高まっていることを指摘。
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多くの企業が公衆無線LANサービス提供へ動き始めている。
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現在、そしてこれからのMzone
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Mzoneによって多様な利用シーンが想定されるという。
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次に木下氏は、PDC方式の携帯電話やPHSなど従来のものや、FOMAを含めたドコモのモバイル通信サービスの速度や提供エリアについて簡単に説明し、「FOMAは移動、携帯といった面で有利であり、エリアの拡大も順次行なわれる。Mzoneはそれらの点では、FOMAに及ばないが、通信速度や高品質・大容量のコンテンツ閲覧で優れている」と、それぞれのメリット・デメリットについてコメントした後、「面をカバーするFOMAと、点で提供するMzoneという形でサービス提供を行なっていく」と、今後の展開戦略を述べた。またMzoneが現在IEEE802.11b規格で提供されている点に触れ、より高速な通信が可能なIEEE802.11a規格でのサービス提供は、ユーザーの動向やニーズを見極めながら検討していくと述べた。
「Mzone」はこう使われる
ここで、企業の営業担当者や弁護士などのナレッジワーカーや報道関係者など、Mzoneの利用法について想定されたイメージを挙げ、Mzoneがモバイルオフィスのような利用に適していると同氏は説明。また6月に開催されたサッカーのワールドカップにおいて、札幌会場で提供された公衆無線LANサービスが活躍した例を挙げて、公衆無線LANサービスの利便性をアピールした。このほかに一般ユーザーについては、観光地から自宅近くの写真屋に画像データを送信し、帰宅する頃には現像されているサービスや、結婚式場から遠隔地の親戚・友人へのリアルタイム動画配信など、様々なサービスが想定できると語った。
またノートパソコンやPDAからMzoneの利用が可能であるものの「ノートパソコンユーザーが多数を占めており、その利用法を推定すれば、一定時間座れる場所でのサービス提供となった」と語り、サービス初期である現在はホテルや空港、カフェなどの利用傾向が高いと想定される場所からサービスエリアを充実させていくプランであるとした。
同氏は、「一般ユーザーが、休日に出先でノートパソコンを使用する状況は想像しがたい生活スタイルである」として、ビジネスユーザーのニーズが先行している状況だと話した。だが「時期は分からない」ものの「コンテンツやアプリケーション、端末が揃えば、iモードのように一般ユーザーの需要は一気に爆発するだろう」との予測を明らかにした。続けて一般ユーザーに対して、Mzoneを使った様々なサービス例を挙げたが「どれがキラーコンテンツになるか、まだ不明だ」ともコメントした。
「Mzone」モニター試験の結果
ひと通り、Mzoneのサービスや想定シーンを語った木下氏は、4月から行なったMzoneのモニター試験の結果を明らかにした。それによると利用者の総計は1000名で、30代男性がメインであったといい、ユーザーの2/3から「満足した」との回答を得たが、残り1/3から「不満」とされたという。不満の理由については、具体的なサービス提供の場所の分かりにくさや利用するマシンのバッテリーの減りが早いことなどが挙げられている。
そのほか、ユーザーの7割がインターネットに接続、その他のユーザーは地域情報やストリーム配信などを利用したとのことだが、同氏は「ユーザーのほとんどがインターネットだけの利用だと想定していたため、それ以外の3割という数字に驚いた」と語り、モニターに対するアンケート結果からもコンテンツ配信に対するニーズは高いとの判断を示した。
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Mzoneの試験サービスは4月15日~6月30日にかけて行なわれた。
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アンケート結果によると、多くのモニターからコンテンツ配信のニーズが挙げられた。
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Mzoneはシームレスなサービスでいく
講演終盤では、Mzoneの将来像について語られた。ドコモ立川社長のカンファレンスでも触れられたFOMAと相互補完について、木下氏は「ユーザーがFOMAのエリアで、メールやインターネットをしていても、Mzoneのサービスエリア内に入れば、自動的に高速なデータ通信が提供されるといったシームレスなローミングサービスを目指していく」と再度強調した。また他の事業者とのローミングサービスにも意欲を示し、「それぞれのサービスエリア内であれば、ユーザーには公衆無線LANが利用できるようにしていきたい」と述べる一方、「技術的には可能であるが、料金面で詰めが必要」と今後の課題を掲げた。
これらに加え、法人ユーザーに対しては、イントラネットへのアクセスなどのソリューションを提供していく予定を挙げたほか、PHS通信を利用したM-stageの電子書籍配信サービス「M-stage book」が提供予定であると前置きした上で、Mzoneでのコンテンツ配信サービスへの考えを明らかにして、講演は終了した。
「Mzone」と「FOMA」シームレスサービスのデモ
なお、展示会場のNTTドコモブースでは、MzoneとFOMAのシームレスサービスのデモも行なわれていた。FOMA対応データ通信端末「P2401」と無線LANカードが取り付けられたノートパソコンが設置されていたが、担当のスタッフによれば、無線LAN機能を搭載したFOMAのデータ通信端末も予定されているとのこと。また「どういうものか」「いつ開始なのか」といった質問が多く寄せられているそうで、公衆無線LANサービスへ関心を持つユーザーにとっては興味をひく内容であったようだ。
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サービスデモとして、ノートパソコンが設置されていた。
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視覚的にシームレスなサービスを説明するため、無線LANカードとP2401が取り付けられていた。
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・ Mzone
http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/mzone/index.html
・ WIRELESS JAPAN 2002
http://www.ric.co.jp/expo/wj2002/index.html
・ NTTドコモ立川社長、「体制を作れば、まだまだ発展できる」
(関口 聖)
2002/07/19 20:50
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