WIRELESS JAPANはかなり専門色の強い展示会だけに、業務向けのソリューションやメーカ向けのソフトウェアや部品などの展示も行なわれている。そのなかからいくつかを紹介しよう。
1xEV-DO端末を展示するクアルコム
CDMA方式の携帯電話のチップを製造するクアルコムは、最新のCDMA方式である1xEV-DOに対応した端末も展示している。この端末は韓国のキャリアKTFが提供している1xEV-DOサービス向けの端末で、すでに販売されているという。折りたたみデザインで、液晶が横軸にも左右90度ずつ回転するようになっていて、ヒンジ部左側面にあるカメラ使用時に、自分撮りと対面撮りのいずれにも対応できるという非常にユニークなデザインを採用している。韓国のメーカLGによる製品で、国内での発売の見込みは薄いが、非常に興味をそそる製品だ。
この他クアルコムブースには、データカードタイプの1xEV-DO端末も展示し、同社の最新技術である1xEV-DOのアピールをしている。なお、KTFではサムスン製の1xEV-DO端末もあるというが、そちらの方はまだ広くは出回っていないとのこと。
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カード型1xEV-DO端末。アンテナ2本のダイバーシティで通信の安定化を図っているものもある
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クアルコム製チップを使った世界中の端末とそのチップの展示
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ウェブ閲覧できる事業所用PHSを展示する日立国際電気
NTTドコモのKOシリーズの端末を手がける日立国際電気は、業務向けのPHSシステム「Sine Net」を展示している。工場やホテル、病院といった大きな施設内で内線電話的に使用される、いわゆる事業所用システムだ。
Sine Netでは公衆回線を使わない構内で音声通話だけでなく、専用の「P-web」端末を利用することで簡易ウェブ閲覧機能も利用できる。たとえば工場などで、点検項目を入力するためのイントラネットに、公衆回線を介さずにアクセスする、といった用途に使える。P-web端末は構内通話、いわゆる自営モードでウェブ閲覧機能が動作する特別仕様のドットi端末とのこと。同様に公衆回線を介さずにウェブ閲覧ができるシステムは珍しい。
会場では実際に構内向けの基地局とノートパソコンを使ったサーバー、そして移動用の交換機を設置してデモを行なっている。ちなみにP-web端末はAJ-51をベースとしているが、ソフトウェアだけでなく、デザインがまったく異なっている。
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左奥にあるのが事業所用アンテナ。右のノートパソコンはサーバ
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展示台下に隠された交換機。イベント会場などで使いやすいようにアタッシュケース入り仕様
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Pocket PCを使ったIP電話を展示するスカイウェイブ
スカイウェイブはPocket PCを使ったIP電話を展示している。これはPocket PC上で動くボイスチャットソフトで、同社のプロキシーサーバーなどとあわせての展示となる。
このPocket PC向けのソフトウェアは、5月のビジネスシヨウではカシオブースで展示されていたが、そのときよりもソフトウェアは完成度を高めていて、標準的なIP電話のプロトコルである「SIP」に対応したほか「GENIO e550G」や「PocketGear」など多数のPocket PC上で動作するようになっている。
なお、現在のところPocket PCメーカーに対してプリインストールをさせるライセンス販売を想定していて、ダウンロード販売などの具体的な予定は立っていないという。販売する際には、接続のたびに変わるIPアドレスを固定の短縮ダイヤルに変換するプロキシーサーバーや、一般電話にかける際に必要なゲートウェイが必要になるが、それらのサービスについてはスカイウェイブが提供する予定はないとのこと。実際にはスカイウェイブのソフトを購入した端末メーカーやプロバイダなどがサービスを提供することになると思われる。
インデックスはホームセキュリティシステムを参考出展
モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)のブースでは、多数の携帯電話向けコンテンツプロバイダが展示しているが、その中でインデックスは、ホーチキと共同開発した一般家庭向けのセキュリティシステム「S-mode」を参考出展している。
S-modeは常時接続のインターネット回線を使い、家庭に設置した防犯装置からのアラートを携帯電話などにメールで知らせたり、リモートカメラの画像を携帯電話から見れるというシステム。カメラだけでなく、煙や熱、ガスを感知するセンサや、要介護者のためのペンダント型発信機などの防犯・防災・福祉に対応できる。
S-modeは家庭内サーバーとなる「防犯マスター」を中心にセンサを追加するような形で構成される。価格は30万円程度とのこと。この他、1個のセンサのみ追加可能で、カメラも搭載した簡易式のサーバーを使った「S-mode Lite」も用意されていて、こちらは6万円程度になる予定。いずれも月額980円程度のサービスとあわせて利用することになる。
なお、S-modeは8月から、S-mode Liteは9月からの販売を予定しているが、主に住宅会社などの企業向けバルク販売を前提としていて、一般への小売については検討中だという。
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防犯マスターとサーバー、それに接続できるセンサー群
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S-modeのシステム構成図
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S-mode Lite用のカメラ一体型サーバ
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S-mode Liteのシステム構成図
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・ 日立国際電気
http://www.h-kokusai.com/
・ スカイウェイブ
http://www.skywave.ne.jp/
・ インデックス
http://www.indexweb.co.jp/
・ ホーチキ
http://www.hochiki.co.jp/
(白根 雅彦)
2002/07/18 13:09
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