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 iPhoneは文庫リーダーとしてもかなり使い勝手が良いことに気がついた。とくに青空文庫リーダーが便利だ。

 青空文庫は、著作権の消えた小説などを集めたネット上の電子図書館だ。ボランティアベースのサービスだが、夏目漱石や芥川竜之介などの名著が多数公開されている。詳細は、青空文庫のWebサイトをご参照いただきたい。一読者として、名作に気軽に触れられる素晴らしい場所だと感じる。

 わたしはこの青空文庫専用のリーダーとして、App Storeで配信されている「ポケット文庫 SkyBook」を使っている。このSkyBookでは、青空文庫に収蔵されている作品の検索からダウンロードまでを、アプリから直接行なえる。パソコンを使う必要はないので、移動中などでも、いつでもダウンロードできるのが嬉しい。

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 文庫を読むときは、縦書き表示が可能で、ページをめくるような感覚で読み進められる。フォントや背景の種類・色は好きなものに変更可能だ。フォントに関しては、iPhoneには標準ではゴシック体のヒラギノフォントしか搭載されていないが、SkyBookは独自に明朝体フォントを実装している。ただ個人的には、ヒラギノフォントで小説を読むのがわりと気に入っている。

 わたしもこれまで、「小説は紙の書籍で読む方が良い」と思っていたが、しかし実際に使ってみると、iPhoneの文庫リーダーには、紙の書籍にはないメリットがあることに気がつく。iPhoneならば暗い場所でも姿勢を問わず、片手で読み進められる。とくに寝床で読書するときは、紙の書籍とは比べものにならないくらい快適だ。いくら本をダウンロードしても場所を取らないというのも、本棚にもカバンにも嬉しいメリットと言える。

 App Storeではいくつかの青空文庫専用リーダーが配信されている。使い比べてはいないが、それぞれ個性はあるものの、だいたい同じような機能を搭載しているようだ。SkyBookはリリース自体は古めだが、バージョンアップによる機能追加は多く、売り上げの一部が青空文庫に寄付されると公表されている。しかも1月末までは期間限定価格で230円だ。このほかにもApp Storeには無料の汎用テキストリーダーもあるが、青空文庫の利用に限って言えば、文庫ダウンロードの手間などを考えると、有料の青空文庫専用リーダーを断然オススメしたい。

 現在のところ、iPhoneの電子書籍ビジネスというと、青空文庫以外は漫画ばかりだ。しかし個人的には商用の小説配信も欲しい。iTunes Music Storeのように、既存メディア=紙の書籍よりお得な価格設定にしてくれれば、電子書籍購入の機会も増えると思うのだけどなぁ。

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 昨年12月31日、iPhone用のワンセグユニット「TV&バッテリー」が発売された。そちらはケータイ Watchにレビューが掲載されているので、興味があれば参照されたい。

 iPodとそのファミリーであるiPhoneには、サードパーティからさまざまな周辺機器が発売されている。iPod用のFMラジオチューナなんかもあるのだから、テレビチューナがあってもそれほど不思議ではないわけだが、まさか登場から半年も経たずiPhone向けのワンセグ機器が登場するとは思わなかった。グッジョブとしか言いようがない。

 しかし、実は「TV&バッテリー」がiPhone初のワンセグ機器というわけではない。昨年11月の段階で、マキエンタープライズのパソコン用ワンセグアダプタ「PCTV-hiwasa mini」がiPhoneに対応していた。直接iPhoneで使えるわけではないが、Macで録画したワンセグの番組をiPhone/iPod touchへダビング10準拠で転送し、視聴する機能がある。

 わたしは前モデルの「PCTV-hiwasa」をMacで使っていた。このPCTV-hiwasaシリーズ、個人的な印象だが、なかなかアグレッシブな製品である。やけにネットワーク機能が充実していて、録画番組や放送中の番組の視聴から録画予約までもネットワーク経由で別のマシンから行なえる。iPhone対応はこのネットワーク機能の一環というわけだ。

 わたしが持っている旧モデルも、視聴ソフト「OneTV」の有償バージョンアップでiPhoneに対応できたので、さっそく試してみることにした。

 使い方はいたってシンプルである。App Storeで提供されている専用アプリを立ち上げると、iPhone内に保存されている番組リストが表示される。番組を転送するときは、アプリが勝手にLAN上のMacへ接続するので、あとは好きな番組を転送指定するだけ。転送は無線LANを使うが、Macと同じLANにつながっていれば良いので、普段の設定のままで動作した。説明不要な簡単さである。

 転送した動画は、全画面表示で再生できる(Youtubeなどと同じホームボタン右側方向に固定)。視聴中に無線LANなどが使われないせいか、1時間くらい視聴してもバッテリは1割くらいしか減っていない印象だ。外出中のヒマつぶしなら、TV&バッテリーよりもPCTV-hiwasaシリーズのような録画視聴の方が適しているのではないか、とも思う。

 ただし、残念ながら利用上の制限事項も多い。とくにOSの制限とかで、一部の放送局や番組が非対応となっているのがツライところだ。Macのみというのも、人によっては手も足もでないだろう。放送中の番組を生で見られないのも欠点と言えば欠点だ。ついでに贅沢を言わせてもらえば、複数チャンネル同時録画や自動録画予約にも対応して欲しい。

 しかしダビングに制限のないアナログ放送ならともかく、デジタル放送の録画をiPhoneに転送できる製品は珍しい。一部の放送局が非対応、ということで、実用上まったく問題ないわけではないが、iPhone+Macでタイムシフト視聴環境を作るなら、ちょっと試す価値のある製品だ。