夕方から打ち合わせに行こうと外出の準備をはじめて、はたと気がついた。さっきまで持っていたiPhone 3Gがないのだ。慌てて探してみたものの、見つからず。鞄のなかから、ベッドの下、「もしかして洗濯物と一緒にしちゃった?」と思って、洗濯機のなかをみても影も形もない。iPhone 3Gの電話番号を呼び出してもみても、家の中で鳴っている気配はない。「やばい。さっき、取材から帰ってきたときに落としたのかも」。顔面蒼白。なぜならパスワードなどはかけていないので、中身が見放題なのだ。
仕事柄、ケータイを複数台持ち歩いているので、たまにどこかに置き忘れることがある。しかし、普通のケータイならば、GPS機能と連動し、パソコンからケータイの居場所を探すことができる。この機能に何度もお世話になったことか。さらに遠隔操作でFeliCaだけでなく、さまざまな機能を第三者が触っても使えなくする機能も備わっているから便利。
しかし、iPhone 3Gの場合、GPSは搭載されていても、紛失した場所を遠隔地から探し出すことはできない。しかも、遠隔ロックも非対応。探し出すことも、ロックかけることも不可能なのだ。
はて、困った。仕方ないので、取材から帰ってきたルートを歩いて探すことにした。まずは、自宅に入る前にコンビニに寄ったので、家からコンビニまでをくまなく探索してみた。しかし、道には落ちていない。その間も何回も電話を鳴らしてみるが、呼び出し音はせず。うーん。困った。
しばらく下をキョロキョロしていると、見知らぬおじさんに声をかけられた。「もしかして、これ、探しているの?」とポケットから取り出したのは、マイiPhone 3Gだった。「ありがとうございます!助かりました!」 拾ったものの交番に預けるのも面倒なので、落とした人が戻ってこないかしばらく待っていたらしい。
それにしても、なぜ、落とし主を待っていたにも関わらず、電話に出てくれなかったのか。こっちは、何十回も発話しているというのに! 「何度か電話もらっていたみたいだね。着信しているのはわかっていたけど、どうやって電話に出たらいいのかさっぱりわからなくて......」
なるほど。普通のおじさんには、iPhone 3Gで電話に出たくても使い方がわからないんですね。一度、指をスライドさせることがわかっていれば、簡単だけど、初めて触る人には理解できないのかも......。
iPhone 3Gは、もっとセキュリティ関連機能を強化して、もっとメジャーにならなきゃダメだ!