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俺のケータイ of the Year 2006 筆者編 [2006/12/27]

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俺のケータイ of the Year 2005 筆者編 [2005/12/27]
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俺のケータイ of the Year 2006

編集部 スタッフ 編


 ケータイ Watchのスタッフが選んだケータイ of the Yearです。使い方や好みによって、ベストケータイは人それぞれ。このコーナーでは、そうした個人的な見地から、2006年のベストケータイを選んでいます。読者のみなさまの投票で決定された「読者が選ぶ ケータイ of the Year 2006」もぜひご覧ください。

【編集部スタッフの選出機種一覧】
湯野康隆
ソフトバンク
905SH
905SH
関口聖
NTTドコモ
N903i
N903i
津田啓夢
NTTドコモ
キッズケータイ SA800i
SA800i
太田亮三
au
W44S
w44s
工藤ひろえ
au
W43H
w41ca
甲斐祐樹
ウィルコム
W-ZERO3[es]
w41ca

俺のケータイ of the Year 2006 筆者編はこちら


 湯野康隆: ソフトバンク 「905SH」

905SH

 もうお腹いっぱいです、というくらい端末が出た2006年。MNPという業界的ビッグイベントもあり、各社から数々の端末が発売されることになった。数ある端末の中から私が今年のベストケータイに選んだのは、元祖“AQUOSケータイ”こと「905SH」である。

 まず、サイクロイドという新しい機構を取り入れたギミック的な面白さだ。ギミック的な面白さという視点では、F903iW44Sなども捨てがたいが、それらの機構は比較的想像しやすい動きで、やや面白味に欠ける。その点、サイクロイド機構の場合、「え? 何これ、どうなってんの?」といったような純粋な驚きがあった。まさに「予想外」の動きである。結果的に「予想GUY」なんていう人気キャラまで生み出してしまった。

 ギミック以外の真面目な話をしておくと、やはり今年のトレンドの一つといえるワンセグにきっちり対応しているところは注目に値する。メモリカードへの録画については、規格が決まったタイミングにもよるので、後発メーカーとして有利だったことは間違いない。しかし、例えば、ワンセグ視聴中のメールの送受信などは、未だに他メーカーのワンセグ端末では実現されていない。ただ単にワンセグ機能を付けただけではなく、ケータイとして守るべきポジションをきっちり守った端末と言えるだろう。

 ゴールドプランやら、MNPでのシステムトラブルやらで、最近何かとお騒がせのソフトバンクだけに、会社としてのマイナス方向のイメージが先行しがちで、いい端末があるけど契約しづらい、という状況になっているのが少々残念なところ。しかし、端末に罪はないのだ。


 関口聖: NTTドコモ 「N903i」

N903i

 例年以上の携帯電話が発売された2006年、「この操作感はーッ!」という興奮をもたらしてくれた「N903i」をケータイ of the Yearに選ぼう。その魅力は、ニューロポインターを活かしきった、ゼンリン製GPSナビアプリの操作感に凝縮されている。

 NEC製のFOMA端末には、2003年の「N2051」以来、「ニューロポインター」と呼ばれる操作デバイスが搭載されてきた。携帯電話の画面内を自由自在に指し示せるということで、ショートカット代わりになる「デスクトップ」機能との連携などが図られてきた。フルブラウザが「N901iS」で搭載されたときに「これぞニューロポインターが大活躍する場面なのか」と思ったものだったが、N903iでのGPSアプリの操作感は、そういった感慨を吹き飛ばすものであり、ニューロポインターはこのために搭載され続けてきたのだ! と言ったら過言だけれども、そう言いたくなるほどの使い心地が実現されている。スムーズに地図をスクロールし、滑らかな拡大縮小は、Google Map(Google Earth)にもひけをとらない。ということは「ゼンリンのアプリが優れている」とも言えるのだが、F903iの操作感よりもN903iのニューロポインターでぐりぐりしていくほうが恍惚感は上と断言できる(とはいえF903iでのGPSアプリは横画面表示が魅力なのだが)。またVGA+画面で表示される地図、というのも快適さを増した要因の1つと言える。

 「地図を見ていれば1日過ごせる」「地図だけでご飯三杯いける」といった方は、四六時中、N903iで地図を見ると幸せになれると思う。これでもか! これでもか! と拡大縮小を繰り返したり、東京から大阪までの道路を見尽くしたりして、へとへとになってから、いつの間にか寝てしまった……というのは土曜の過ごし方として“アリ”と言えなくもないような気がする。

 実は、外観や第2階層以下のメニューグラフィック、あるいはカメラ性能は「SO903i」のほうが好みだったりするのだが、きせかえツール非対応という点が個人的にはマイナスだったポイント。地図の快適さやVGA+液晶、デコメ絵文字の使い勝手などを含め、今年のナンバーワンには「N903i」を推したい。


 津田啓夢: NTTドコモ 「キッズケータイ SA800i」

SA800i

 今年は「いやもうホント、カンベンして下さいよ、マジ」と、グチの1つや2つ、いや3つや4つもこぼしたって罰があたらないぐらい多くのケータイが登場した。で、そんな状況の中、私が選んだのはキッズケータイ「SA800i」なのだ。自分に「何で?」とツッコんじゃったりして。これまで、J-P51A5305KツーカーSDOLCEと、高機能ではなくユーザーの生活に小さな変化を起こしてくれそうなケータイを選んできた。今回のキッズケータイもその例に漏れず、ちょっとした生活の変化に期待できる“生活デザインコンシャス”な端末となっている。

 子供がどう使うのか? 親が子供にどう使わせたいのか? がしっかりイメージできていなければ、こういう端末はうまくいかない。子供向け文房具を思わせる鮮やかだが柔らかいボディカラーに、手に馴染むラウンド形状のボディ。一見すると、子供の手には大きいが、小さな手にちょっと大きめの端末を持つ姿はとてもカワイイ。携帯を持った子供の写真をアルバムに貼ってニヤけたいところであるだが、私は未婚な上に子供もいない、そりゃ犯罪か。

 面白いのは、GPS機能や防犯ブザー、バッテリーロックといった安心機能の搭載が、便利で安全という機能面より、親を安心させる要素として搭載されているところだ。子供のケータイを買うのは保護者であり、子供のケータイ所有を許可するのも保護者の役目だろう。防犯上、安心機能がどこまで有効なのか判断に迷うところだが、少なくとも保護者に買わせる動機付けは充分。今回、子供向けケータイとして、バンダイの「papipo!」という選択肢もあった。この2つの端末は、子供向けという部分こそ同じだが、そのアプローチは大きく異なる。ウィルコムのW-SIMを利用したpapipo!は、親が買う動機付けよりも、子供に欲しいと思わせるという点に注力している。W-SIMの将来性や、今後のケータイの方向性として、オモチャのようなケータイを送り出したバンダイの発想はとても面白い。しかし、小学生が自分の意向でケータイを購入できるほど、市場やユーザーは成熟していない。ましてや子供の意見でケータイをチョイスすることなど現時点では容認はできない。2006年は、大人目線の子供向けケータイというアプローチに軍配をあげたいと思う。

 で、お子さんにSA800iを購入したそこのアナタ。子供が泣き叫ぶのを無視して端末を好き放題いじくり倒してみましたか? そうなんです、このケータイ。超サクサク動作なんです!! ドコモユーザーなら、この軽快な操作フィーリングに結構びっくりするはず。そういう基本動作の気持ち良さでも、俺のケータイ of the Yearに推したいッス。


 太田亮三: au 「W44S」

W44S

 auにおけるソニー・エリクソンのWIN端末を機構面で振り返ると、「W21S」(折りたたみ)、「W31S」(スライド)、「W32S」(折りたたみ)、「W41S」(折りたたみ)、「W42S」(スライド)、「W43S」(折りたたみ)、「W44S」(2軸ヒンジ)といったように、概ね折りたたみ型とスライド式を交互に発売している。この法則に従うなら次の同社製の端末は普通の折りたたみ型ということになるが(もちろん勝手な予想)、回転式、防水といった定期的に訪れる(?)チャレンジ精神はとても歓迎したい。ともすれば不格好ともとれるこのW44Sのヒンジを含めたデザインは、ガジェット感を演出して上手くまとめられていると思う。ただヒンジ部はウォークマンのスティック型コントローラーを思わせておきながらジョグレバーでは無かったのが残念だった。

 その横向きのスタイルで、ゲーム機のコントローラマニアの筆者が一番最初に思ったのは「ファミコン配置だ」ということだろう。アクオスケータイでも2軸ヒンジのスタイルでも実現できなかった「左に方向キー+右に操作ボタン」というゲーム機で綿々と受け継がれてきたスタイルで、なおかつ上側に画面があるという、リンクスでもゲームギアでもなくあえて「PCエンジンLT」スタイルを採用したのはテレビが見られるという共通点故だろうか。問題は横画面対応のゲームが少ないことなのだが……。

 個人的にはW44Sのようなギミックやハイスペックが特徴の端末のほかに、同社ならではの超小型、あるいは超薄型端末の登場も望みたい。auは最近ストレート型端末がラインナップに無いので、このあたりも含めて同社に期待したいところである。


 工藤ひろえ: au 「W43H」

W43H

 携帯電話に関する2006年最大の話題はやはりMNPだが、機能や端末側の大きな話題と言えばワンセグだ。初めてのワンセグケータイ「W33SA」は2005年12月に発売されたが、わたしは「W33SA」と「W41H」で迷ったものの、クレードルに横置きした時のデザインに惚れて、「W41H」まで待つことに。2月15日にワンセグケータイの人となった。

 昔から携帯できる小さいテレビが欲しかったわたしは、首から提げるペンダントタイプのものなどもいくつか買ってみたりした。しかし、アナログのテレビではアンテナをつながないと画質が悪くてまともに観られない、というのがそうした買い物を通して得られた個人的な結論だった。だから、ワンセグの画面をはじめて見たときは、そのクリアな表示に本当に驚いた。技術の進歩って素晴らしい。

 その「W41H」発売から半年余り。9月下旬に「W43H」が発売された。「W43H」については、「EZニュースフラッシュ」や「au My Page」、「デコレーションメール」などの新サービスにも対応しており、他にもセールスポイントはあるのだが、個人的にはなんといっても、ワンセグの録画に対応した点が最大の魅力だ。

 録画機能は、ニュースなどを見ていて、ちょっと人に見せたいと思ったところをクリップ的に録画するのに便利だ。きっちり録画してゆっくり観たいドラマなどは、誰でも自宅のハードディスクレコーダーで予約録画するだろう。対して、ケータイで観たいテレビコンテンツは、ニュースクリップなど話のネタになるようなコンテンツかなと使ってみて思った。ハードディスクレコーダーでは持ち歩くわけにはいかないが、携帯電話の録画データなら、宴会などの席でも見せられる。PSPなども動画を携帯可能だが、携帯電話で観て録画して再生して、というオールインワンの手軽さや、意識しなくても必ず携帯している点が、他の携帯機器と携帯電話で最も違う点だろう。

 2006年は携帯電話でテレビが観られるようになった。2007年はどんなものが載ってくるのか楽しみだが、その前に、個人的には電子コンパスを搭載したワンセグケータイが欲しいわけなんですが、この2つの機能は、両立させにくいものなんでしょうか。電子コンパスを一度使ってしまうと、電子コンパスなしの地図サービスにはなかなか満足できないのですよね。メーカー様におかれましては、ぜひご検討いただけますよう、この場を借りてお願いしたいと思います。


 甲斐祐樹: ウィルコム 「W-ZERO3[es]」

W-ZERO3[es]

 2005年は、弊誌「ケータイ of the Year」にも輝いたW-ZERO3の発売で話題を集めたウィルコム。2006年にはメモリの強化と新たなカラーバリエーションを用意した「WS004SH」に続き、デザインを一新した「W-ZERO3[es]」を発表するなど、W-ZERO3シリーズのラインナップが急速に拡充された。

 前モデルと比べて無線LANが省略されたW-ZERO3[es]だが、USBホスト機能を搭載したことでキーボードやワンセグなどオプションが拡充され、使い勝手が大幅に高まった。また、携帯電話型のダイヤルキーを備え、本体も小型化。街でW-ZERO3を使って電話している人を見ると、どことなく違和感を感じてしまっていたが、W-ZERO3[es]はそうした違和感の解消に一役買ったのではないだろうか。

 携帯電話らしくなったのは外見だけではなく、メール機能も専用のメールソフトを搭載し、11月発売の「Premium version」ではホームメニュー機能を実装。W-ZERO3の頃は「PDAにPHS機能が付いただけ」という印象が否めなかったが、こうしたブラッシュアップを重ねることでより「携帯電話の使い勝手」に近づいた。

 W-ZERO3のヒットでウィルコム以外の携帯電話事業者もスマートフォン市場に次々と参入したが、この市場を独自に切り開いたウィルコムの功績は大きい。そうしたW-ZERO3シリーズの中でも、スマートフォンに馴染みのない層への訴求を図りつつ、より直感的な使い勝手を目指して完成度を高めたW-ZERO3[es]を、今年のケータイ of the Yearとしたい。

 一方で、今年のウィルコムの流れを見ると、W-ZERO3シリーズのようなスマートフォン系の端末と、「nico.」「9(nine)」のような機能特化型とニッチな端末ばかりが充実し、一般的な音声端末は前年に発表済みの「WX310J」しかないという状況が目に付く。モバイルナンバーポータビリティの開始で純増ペースも下がったというウィルコムだが、一般的なユーザーを獲得するためにも、「WXシリーズ」のような音声端末の新機種にも期待したいところだ。


2006/12/27


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