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Evernoteに新機能「Work Chat」「Context」登場
日経新聞と資本業務提携、伊藤園ともコラボ
(2014/11/10 18:20)
米Evernote(エバーノート)は、同社サービス「Evernote」向けの新機能として、新たにグループチャットと情報共有を統合した「Work Chat(ワークチャット)」を来週(11月17日の週)、また文書作成中にキーワードなどにマッチするコンテンツを自動的に表示、文書へ引用できる「Context(コンテキスト)」の日本語対応版を2015年初頭から提供する。コンテキストの提供にあたり、Evernoteは日本経済新聞と資本・業務提携することで基本合意に達した。
「Work Chat」と「Context」
メモや写真などを記録、管理できるツールとして発展してきた「Evernote」に導入される新機能が「Work Chat」「Context」の2つ。どちらも既に発表済だが、今回、「Work Chat」がまもなく利用できるようになること、そして「Context」の日本語版にあたり日経新聞と提携することが新たに発表された。
発表済とはいえ、あらためて新機能に触れておこう。10月3日に発表された「Work Chat」は、仕事をしながら、その業務に関連する人とEvernote内でノートを共有し、チャットできる機能だ。あるユーザーが共有コンテンツにアクセスすると、その人の顔写真のアイコンが表示され、既読になったかどうか把握できる。来週(11月17日の週)からAndroid、iOS、Windows、Web版で利用できる予定。
一方の「Context」は、文書を作成しながら、その内容にマッチする情報が自動的に表示され、手軽に確認できるという機能。現在はMac、iPhone、iPadの各英語版で利用でき、今後、WindowsやAndroidに対応する。英語版では、ウォールストリートジャーナル、ダウジョーンズなどといったメディアと提携しており、それらの記事を参照、ときには作成中の文書へ引用できる。引用時には、出典元もあわせて表記される。2015年初頭より利用できるという日本語版では、米国外で初めての提携として、日経と協力。これにより日経新聞の記事をソースとして利用できるようになるが、たとえば日経新聞電子版の有料会員と無料会員が利用する際には、どういった機能の違いがあるのか、といった詳細は今後、検討される。あわせて日経では、Evernoteに対して2000万ドル(約23億円)、出資する。
ワークスペースを目指す
かつては“ユーザーの外部の脳”を目指し、昨年はEvernoteをさらに活用するためのリアルグッズを扱う「Evernote Market」をオープンした同社。数カ月ぶりに日本を訪れたというCEOのフィル・リービン氏は、Evernoteのユーザーがグローバルで1億人に達し、その7割が仕事で使っていると紹介する。
仕事に役立つツールとして愛用者を増やすEvernoteでできることは一体なにか、それは「ワークスペースになること」だとリービン氏は語る。そして作業の、仕事のための空間として機能するために、リービン氏が挙げたのは「書く」「集める」「見つける」「発表する」という4つの要素だ。
「書く」は、最も基本的な機能であり、Evernoteの出発点とも言える機能だ。「集める」はWebサイトのクリッピング、あるいは名刺を写真撮影してテキスト化して分類したりする機能のこと。「見つける」はEvernote内に蓄積されたコンテンツから適切なものを見つけ出すという意味。最後の「発表する」は、ユーザーが書き留めて、収集した情報や、これまで貯めこんだ情報から適切なものを見つけ、まとめあげて、それを他の人に伝える、という部分のこと。これは「プレゼンモード」として用意された機能で実現しており、写真入りのメモとして記録していたものであっても、プレゼンモードをONにするだけで、プレゼンテーション用のスライドへ早変わりする。
“IT応援団”の伊藤園
仕事に役立つ“ワークスペース”を目指すEvernoteでは今回、日経新聞との提携を発表するとともに、飲料メーカーの伊藤園と協力することも明らかにされた。両社のコラボは、11月3日発売の新製品「お~いお茶 玉露入り旨(うまみ)」でのキャンペーンとして実施されている。新製品についたキャンペーン応募シールを集めてポイントを貯めると、それにあわせて、スタイラスペンの「JO SCRIPT EVERNOTE EDITIONT」(500名)や、「JINS PC &ITOEN オリジナルグラス」(1000名)などが抽選でプレゼントされる。
それにしても飲料メーカーの伊藤園が、なぜEvernoteという企業とコラボレーションするに至ったのか。
伊藤園の「お~いお茶」は、今や、シリコンバレーでも人気の飲料になり、企業のカフェテリアなどでも多く導入されている。その背景には伊藤園側のスタッフの活動もある一方、シリコンバレーで最初に「お~いお茶」に注目し、「お~いお茶」の形をしたパネルを使い“伊藤園ポーズ(ITO-EN Pose)”で写真を撮る、というアイデアを出したのが、個人的にも「お~いお茶」を愛飲しているというEvernoteのリービン氏だった。
そうしたエピソードを披露した伊藤園代表取締役副社長の本庄周介氏は、「緑茶は集中力のアップ、リラックスできて、さらに瞑想もできると言われたことが意外だった。クリエイティブサポートドリンクというコンセプトで、今後、お~いお茶を展開していきたい」と述べて、緑茶に新たな価値が加わったと説明。さらに、Evernote JAPANの会長である外村仁氏から、伊藤園の社名のアルファベット表記「ITOEN」をもじると“IT-OEN(アイティ オーエン)”、つまりITを応援する、という意味であり伊藤園のDNAに組み込まれているのではないか、と指摘されたことを紹介。IT応援団として、既にハッカソンイベントに協賛しており、今後もそうした活動を続けていくとした。さらにリービン氏と本庄氏のフォトセッションでは、ITO-EN Poseでキメた二人の姿も披露された。