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SIMフリー版iPhone 6/6 Plus発売、アップルストア表参道に行列
(2014/9/19 13:32)
19日午前8時、アップルストア表参道において、SIMロックフリー版を含むiPhone 6/6 Plusの販売が開始された。開店と同時にスタッフが歓声を上げながらハイタッチするという、アップルストア独特のハイテンションな雰囲気で来店者を迎えた。
通常、アップルストア表参道の開店時刻は午前10時。だが、この日はiPhone 6/6 Plusの発売にあわせて特別に午前8時に開店した。10時以降は通常営業となるが、それまでは行列に並んだ人、もしくはiPhone 6/6 Plusの予約をした人のみを対象とした営業だった
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アップルストア実店舗では、オンラインで事前予約を受け付けていた。一方で予約していない人向けに、当日販売分の在庫も用意され、それを目当てに長大な行列が発生していた。6時半ごろには、地下鉄銀座線で表参道の隣駅となる外苑前駅とそのさらに隣駅の青山一丁目駅の中間地点あたりまで、距離にして約1.2kmの行列ができていた。
かつて、日本で初めてのiPhone 3Gが発売されたときは、原宿にあるソフトバンク表参道から山手線の隣駅の渋谷駅近くまで、1km程度の行列が発生したが、今回はそれに匹敵する行列になった。行列の人数などは発表されていないが、概算で1000人以上は並んでいたと推測される。
アップルは、「行列は自然発生したもの」というスタンスを取っているが、行列に警備員を配置したり、アップルのスタッフがゴミ回収をするなど、今回も行列のケアを行っていた。アップルストア表参道は今年6月にオープンしたばかりの新しい店舗(※関連記事)。オープン時の記念セールでも、今回ほどの規模ではないが、行列が発生したことがある。
販売時には、当日販売分の行列より、オンライン予約の方が優先される。オンラインの予約では時刻が指定でき、その時刻に行けば行列に関係なく入店できる。行列は前日より形成されていたが、最初のグループとして入店し、iPhone 6を購入した男性は、オンラインで事前予約していて、1時間ほど前に来店したとのことだった。
アップルでは当日販売分の在庫数や販売数、予約数などを公表しておらず、行列に並んだ人たちのどのくらいがiPhoneを購入できたかはわからない。
日本国内でのSIMロックフリー版iPhoneは、前モデルのiPhone 5s/5cから販売されていたが、キャリア版より遅れて発売された。しかし今回は、キャリア版と同じ、世界共通の発売日である9月19日(時差の関係で日本は最速発売のグループに属する)に発売となった。
SIMロックフリー版のiPhoneは、オンラインおよび実店舗のアップルストアでの販売のみで、量販店などでの取り扱いはない。オンラインのアップルストアは、予約のみで2週間以内の出荷分を完売していて、実店舗の事前予約も現在は受け付けていない。
キャリア版と異なり、SIMロックフリー版のiPhoneの購入には通信契約が伴わず、キャリアが提供しているiPhone購入に関連した割引施策も受けられない。しかし、もともと端末割引施策を提供していないMVNOのユーザー、あるいは海外での利用頻度が高く現地の安価なプリペイド回線が必要なユーザーなどにとって、SIMロックフリー版は選択肢の1つになる。
ちなみに各国のApple Storeで売られているSIMロックフリー版のiPhone 6(128GBモデル)を比較すると、日本は9万6985円(税込)、アメリカは約9万円(別途、州ごとに8%前後の消費税がつく)、欧州は約12~13万円(税込)、香港は約10万円(税なし)などとなっている。発売タイミングが早く、価格もあまり変わらず、さらに日本で販売されているモデルは中国国内のTD-SCDMA方式にも対応(米国版は非対応)するなど汎用性が高いモデル。日本で提供されるSIMロックフリー版は、国境を越えて魅力的なものと言える。
そうした要因もあってか、今回の行列からは、中国語での会話が目立ってよく聞こえた。中国本土ではiPhone 6/6 Plusはまだ発売されておらず、個人輸入でも高値で取引される傾向にあるため、日本国内ではなく主に中国で利用するために購入する人も多かったと見られる。
アップルストアでは、輸出や転売目的でないことに同意することをiPhoneの販売条件としているが、そうした「輸出」あるいは「転売目的での購入」を防ぐ具体的な対策を取っているかどうかについては明らかにしていない。また、購入者自身が母国に戻ってから使うために購入することについては、当然ではあるが、問題はないとしている。