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“ビールの売り子”をスマホで呼べる~京セラドーム大阪球場
(2014/8/25 12:08)
アプリックスIPホールディングス(以下、アプリックス)は22日、メディアアクティブとの協業により、同社のBeaconが京セラドーム大阪に採用されたと発表した。
メディアアクティブが開発したスマホアプリ「野球場 NAVI」と連携することで、球場内を案内・誘導するとともに、スマホからビールの売り子を呼び出すサービスを開始するという。
京セラドーム大阪では、アプリックスのBeaconが球場内の座席に設置され、「野球場 NAVI」を通じて、球場内のレストラン、ファストフード店、お土産やグッズの売店、あるいは化粧室や授乳室などの位置情報を顧客に案内する。
加えて、スマホからビールの売り子を呼び出す機能が実装された。日本の球場では初の試みとなる。
“好きな銘柄”をすぐに飲めるように
プロ野球を観戦していて欠かせないものとは何だろう。白熱のゲーム展開、ファインプレーにフェアプレー、気持ちの入った応援に、自分の応援するチームの勝利。加えて、気持ちよく試合を観戦するために、キンキンに冷えたビールが欠かせないという人も多いだろう。夏場は特にだ。
球場にはビールを売る“売り子”がいて、席にいながらビールを注文できる。彼女らもまた観戦には重要な存在だ。しかし、1つ課題がある。飲みたい銘柄が決まっているときに限って、その銘柄を担当する売り子が見当たらず、やむなく別の銘柄で諦める――野球観戦にはビールがつきものという人なら一度は経験があるのではないか。
そんな課題を解消する仕組みが、今回、オリックス・バッファローズの本拠地である京セラドーム大阪に導入された。スマホで好きな銘柄を取り扱うビールの売り子を呼び出す仕組みだ。
売り子を呼び出す具体的な流れ
導入されたシステムを利用するには、まず自分のスマホに「野球場 NAVI」(iPhone/Android対応)をインストールする。アプリ上で「近くの売り子を呼ぶ」ボタンを押すと、呼び出せる売り子の一覧が表示される。好きな銘柄を選択すると、観客席の位置情報が売り子のiPhoneにプッシュ表示される。
呼ばれた売り子は、対応可能ならその席へ。すでに接客中で対応できない場合は「拒否」することが可能で、その場合は近くにいる別の売り子へ呼び出し情報がパスされる。球場には50~150名の売り子がいて、この仕組みにより、すぐに対応できる売り子が速やかに観客へビールを届けられるようになる。
中核を担うのが、アプリックスが提供する「MyBeacon Pro MB004(盗難防止タイプ)」。現状はトライアルの意味も兼ねて、バックスタンドエリアの観客席に、約60個のBeaconが10m間隔で設置されている。これにより同エリアのおよそ1500席をカバーする。
BeaconはBLE(Bluetooth Low Energy)技術でスマホの位置情報を測定し、「野球場 NAVI」と連動することで、その情報が売り子のiPhoneにプッシュ通知されるわけだ。
ただし、Androidはバージョン4.3以降でないとBLEが利用できない。未対応のAndroidの場合、別途導入されているWi-Fi環境を利用して位置測位を行う。
京セラドーム大阪では、今シーズンの効果に応じて、来シーズンの全席展開も見据えている。