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東芝、実店舗との連携を図る新電子書籍ストアオープン
東芝、実店舗との連携を図る新電子書籍ストアオープン
(2013/4/4 17:10)
株式会社東芝は4月4日、新しく電子書籍ストア「ブックプレイス クラウド イノベーション(BookPlace Cloud Innovations)」をオープンすると発表した。Android OSおよびiOS搭載を搭載したスマートフォンとタブレット、および4月16日から販売を開始する東芝製電子ペーパー端末「ブックプレイス モノ(BookPlace MONO)」で利用できる。
AndroidアプリはGoogle Play、iOSアプリはApp Storeからそれぞれ無料ダウンロードできる。PCは5月からサポートする予定だ。
O2O展開などをにらみ、BookLiveとは別途独自の電子書籍ストアをオープン
東芝はこれまで、トッパングループのBookLiveと協業して電子書籍ストア「BookPlace」サービスを提供してきたが、別途、新たに独自で電子書籍ストア「ブックプレイス クラウド イノベーション」(以下ブックプレイス)をオープンすることになる。
新「ブックプレイス」オープンに合わせ、4月4日から旧「BookPlace」は「BookLive for Toshiba」に名称を改め、運用もBookLiveに移管する。「BookLive for Toshiba」の会員はもともとBookLiveの会員登録の仕組みを使って登録されており、会員は今後もそのままサービスが利用できる。
なお、旧「BookPlace」(現BookLive for Toshiba)の登録会員情報は引き継がないため、新「ブックプレイス」では新しく会員募集を行う。
東芝は、2011年4月にBookLiveと協業で電子書籍ストア「BookPlaceストア(powered by BookLive!)」(現BookLive for Toshiba)のサービスを開始。2012年3月30日付けで、三井物産、日本政策投資銀行、NECとともにBookLiveの第三者増資に加わり、BookLiveに出資している。
東芝によると、今回、O2O(Online to Offline)展開など、東芝独自のストア構想を推進するために別途電子書籍ストアを開店することになったが、BookLiveとの資本関係はそのまま継続するという。
6インチの電子インクパネルを採用した「ブックプレイス モノ」
電子書籍リーダー端末「ブックプレイス モノ(BookPlace MONO)」は、OSにはAndroid OS 2.3.4を採用。CPUはFreescale i.MX508(800MHz)、メモリはオンボードで512MBおよび4GBのフラッシュメモリ(うちソフトウェア占有率は1GB未満)を搭載する。
ディスプレイは758×1024ドット表示の6.0インチ電子インクパネルを搭載。タッチパネルは光学式タッチパネルを採用する。
Wi-FiはIEEE 802.11b/g/nに準拠、WPSによるかんたん設定に対応する。電子デバイスに慣れていない人も操作に迷うことのないよう、POWERボタンと、いつでもホーム画面に戻れるHOMEボタンの2つのワンタッチ操作ボタンを装備した。
インターフェイスは、microSDカードスロット1基を搭載。SDHC対応で、容量32GBまでのmicroSDカードが利用できる。ほかに、USB 2.0(Micro-B)及びヘッドホン端子(3.5mmミニジャック)を装備する。給電はUSBポートから行う。スピーカーは搭載していない。
ボディカラーは黒のみ。ストラップホールを装備する。バッテリーはリチウムイオンバッテリーを内蔵、一度の充電で約8000ページが読める。充電時間は約5時間以内。サイズは約110×170×9.5~9.9mm(横×縦×厚)、重量約180g。
フォーマットは、EPUB、XMDFに対応。6月以後にPDFにも対応する予定だ。また、今夏以後になるが、音声読み上げ機能の搭載も予定する。
リーダー端末の販売は書店とネットで、実店舗配布のしおりを使った顧客誘導も
「ブックプレイス モノ」は提携書店とウェブでの販売の2つを販路とするが、基本的にコンテンツとのセット売りとなり、単体販売は行わない。
提携書店では、3万円分の電子書籍が購入できる3万ポイントと「BookPlace MONO」で3万円のセットを販売。3万ポイントは、1万ポイントの券が3枚ついている形で、3枚を家族や友人などと分けあって使うこともできる。
発売時の取り扱い書店は、全国106店舗。京都・滋賀を中心に「平和書店」「ABCブックセンター」「TSUTAYA」を店舗展開するダイレクト・ショップ、静岡に本社があり、静岡・群馬・千葉・新潟・山梨・山形・青森・沖縄などに39店舗を展開する戸田書店、池袋本店をはじめ全国に87店舗を構えるリブロの3社で販売を行う。
書店ではしおり型クーポンで新規顧客の獲得も行う。店頭でクーポン番号入りのしおりを配布し、クーポン番号を使って会員登録を行うと、300ポイントが付与される。クーポン番号で配布店舗が識別できるため、しおりから誘導した顧客は、電子書籍ストア内の「行きつけの書店」のコーナーで配布店舗の情報を閲覧できるようにするなど、行きつけ書店の店舗情報を発信する。
「行きつけの書店」には、端末を販売するリブロ、戸田書店、ダイレクト・ショップのほか、旭屋書店と有隣堂も参加。全国201店舗でしおり配布を行う。
ネット直販では、おとな買いセットとして、名作の1セット(20冊)と東芝電子書籍の端末をセット販売する。名作1セットとのセット販売は、5月10日までのキャンペーン価格で9800円。名作セットは、「静かなるドン(1~20巻)」「サラリーマン金太郎(1~20巻)」「ゴルゴ13(1~20巻)」「ガラスの仮面(1~20巻)」「ベルセルク(1~15巻)」「彼氏彼女の事情(1~17巻)」「幸せの時間(1~15巻)などが用意される。
毎月の購入額に応じてボーナスポイント付与、1万円購入で2000ポイントバック
新・ブックプレイスは5端末同時に利用可能で、利用端末の解除は当該端末以外でも、どの端末からでも行える。また、再ダウンロード期間は原則無期限となる。決済方法はクレジットカード決済のみ。iOSアプリはApp Storeから、Android OSアプリ「BookPlace Reader」はGoogle Playから無料ダウンロードできる。PCからは、5月に利用可能となる見込みだ。
取り扱いジャンルは、文芸、コミック、ビジネス書、新聞、写真集など幅広く取り扱っていくという。
東芝では、書籍を多く購入するヘビーユーザーをメインターゲットにしており、毎月の購入額に応じてボーナスポイントを付与する。1万円購入で2000ポイント、5000円購入で750ポイント、3000円購入で150ポイントを付与する。
また、プリペイド式でポイント購入が可能だが、1万ポイント購入(1万円)で700ポイント、5000ポイントで300円、3000ポイントで150ポイントが付与される。
そのほか、「静かなるドン」「彼氏彼女の事情」などの全巻セット購入でポイント20倍など、“たくさん購入するユーザーほどメリットが大きい”仕組みを導入する。