パナソニックが夏モデル紹介、「ELUGA」国内展開に向けた意気込み
パナソニック モバイルコミュニケーションズは、2012年夏モデルを紹介する報道関係者向け体験会を開催した。この春、欧州でデビューした新ブランド「ELUGA(エルーガ)」を冠するスマートフォン、タブレットが今夏、日本で初めて発売されるなか、体験会は、スマートフォンとパナソニック製品の連携をアピールする内容となった。
挨拶を行ったモバイルターミナルビジネスユニット長の田中靖也氏は、「日本のスマートフォン市場、最後発のメーカーで大変厳しい状況。昨夏のスマートフォン一号機から約1年、ELUGAブランドの製品を日本でも発売することになった」と語る。現状への認識を示しつつ、「ELUGA」というブランドには、快適で楽しい暮らしを提供する“洗練ポータブル”というコンセプトがあり、パナソニックグループの家電と連携する機能を紹介したい、とコメントした。
今夏、提供されるELUGAブランドの端末は、4.6インチの狭額縁ディスプレイを採用する「ELUGA V P-06D」、5インチ液晶でXi対応の「ELUGA power P-07D」、NOTTV対応の10.1インチ防水タブレット「ELUGA Live P-08D」の3機種となる。いずれもNTTドコモの製品として登場する予定で、このうち「ELUGA V P-06D」は近日発売に向けて調整が進められているとのこと。「ELUGA power」と「ELUGA Live」は8月に発売される予定。
ELUGA V P-06D | ELUGA Power P-08D |
ELUGA Live P-08D | ソフトバンク向けの多色展開フィーチャーフォン「COLOR LIFE 3」 |
欧州では、4月にドイツで「ELUGA」ブランドのスマートフォンが発売され、6月にはイタリアで販売が開始される。今後はスペイン、オランダで発売予定とのこと。ただし、欧州全般の経済状況は、厳しい環境にあり、これまでの販売実績など具体的な数値は明らかにされていない。ただ、来年度以降は、中国、東南アジアでの展開も検討しているとのこと。スマートフォン一号機をリリースして以降、これまでドコモ向けに4機種、ソフトバンクモバイル向けに2機種のスマートフォンを提供しており、出荷台数は約90万台、国内のスマートフォン市場における同社のシェアは約4%とのこと。田中氏は、現在、フィーチャーフォンを含めたシェアが市場4位となっており、今後はシェア3位を目指すとコメント。
パナソニック モバイルの田中氏 |
特に今回のELUGAの開発にあたっては、「一号機は(操作感が)もっさりしていると厳しく評価され、非常に苦戦したのは事実。そのあたりの性能改善をきちんと実施しており、市場におけるポジションをしっかり確保したい」と述べた。ELUGA自体は、国内外で展開するモデルで、海外も国内もベースは共通しており、同様の性能改善に取り組んだとのこと。これまでのVIERA、LUMIXといったブランドの携帯電話で培った技術は主に「ELUGA V」に反映。「ELUGA Power」は、ストレージの一部へのアクセスを厳しく制限する仕組みを取り入れており、特にセキュリティ機能の向上を図ったという。
田中氏は、「国内で発売されたスマートフォンで、売れているものは1機種あたり100万台ほど出ているものはあるが、半期で2機種ほどになる。それ以外の機種は20万~50万台程度の販売だ。我々が目指す販売目標は昨年12月に発表した通り(2015年度で1500万台、そのうち海外が900万台)で、そこから変更はないが、その目標に達するかどうか、発売から1カ月程度で、新機種の成否を見えてくる」と説明した。このほかパナソニック モバイルとしては、生産は全て海外に移転。フィーチャーフォンは中国・北京で行う形となっているとのこと。
展示内容は、リビングにあるテレビでスマートフォン内の写真を見たり、録画していた番組を自分の部屋に戻ってタブレットで観賞したりする、といった内容のほか、ノートパソコン「レッツノート」にWi-Fi経由で直接アクセスしてリモートデスクトップで操作する機能などが紹介されていた。
端末内の写真をテレビに出力 | 手軽な操作感をアピール |
ブルーレイディーガで「おくだけ充電」 | テレビと離れた部屋でもタブレットで視聴 |
同社では「ELUGA」シリーズのデビューを記念したキャンペーンを6月25日より実施する。キャンペーンサイトおよび同社のスマートフォン向けサイト、携帯電話向けサイトでクイズに回答、およびメールマガジンの登録(無料)を行うと、抽選で「ブルーレイディーガ」「レッツノート」「ビストロ(スチームオーブンレンジ)」が各1名にプレゼントされる。キャンペーンは8月29日まで。
2012/6/13 17:37