モトローラ、スマホで復活した「RAZR」をアピール


「MOTOROLA RAZR IS12M」

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは、KDDIからスマートフォンの新モデル「MOTOROLA RAZR IS12M」が発表されたことを受け、記者向けの製品説明会を開催した。スペックなどの詳細は別記事で取り扱っている。ここでは、説明会の模様やデモの様子をレポートする。

 「MOTOROLA RAZR IS12M」は、薄さ7.1mmのボディやケブラー製背面パーツ、撥水加工などに加えて、パソコンとのデータ共有機能や、学習型の省電力機能など独自の機能も備えたAndroidスマートフォン。ソフトウェアプラットフォームはAndroid 2.3で、発表会の中では将来的にAndroid 4にアップデートすることも明言された。

 最初に登壇したモトローラ・モビリティ ジャパン モバイルデバイス事業部 営業統括本部長兼CP事業統括部長の高橋博氏は、2011年にKDDIから2つのモデルを投入し、日本市場に再参入したことを振り返る。Androidの市場が伸びている追い風の中、モトローラとしてどういったイメージを伝えていくか、ブランド構築の観点から調査を行ったところ、「ほかのメーカーとは違う、迎合しない、確固たるイメージがある」
といった旨の反応を得たという。

 また、フィーチャーフォンとして2006年頃までに発売した「RAZR」シリーズは、「今なお使ってもらっている商品」とユーザーからの支持が高かった端末とする。「RAZRというブランドは今後どうなるのか、また、モトローラがどうなるのかといった声を耳にする。若い世代・学生にも、ブランドをしっかりと理解してもらえるよう、気を引き締めて活動しなければいけない」と、高橋氏は改めてモトローラというブランドを再構築していく意気込みをみせ、北米を皮切りにアジアや中東でも立ち上げたAndroidスマートフォンの「RAZR」ブランドでもって、「スマホ市場に再参入する」と、日本のスマートフォン市場に本格的に取り組んでいく姿勢を改めて示した。スマートフォン版RAZRはすでに各国のユーザーから好意的な反応を得ているとのことで、北米での販売数も順調に伸びているとした。

 「MOTOROLA RAZR IS12M」については、特徴的なスリムなボディに、強度を確保したボディ構造や、省電力化に寄与するソフトウェアがポイント。内部は基板などと強度確保のためのステンレス素材を一体化させ、主に薄型化のためにバッテリーも取り外しできない構造となっている。ディスプレイ側には強度に優れたGorilla ガラスが採用され、背面は防弾チョッキなどにも利用されるデュポン製の「ケブラー」を採用。さらに、ボディには「水がパシャッとかかったぐらいなら大丈夫」という、IPX1相当の撥水加工が施されている。

 ソフトウェア面でも、独自の機能として、「スマートアクション」や「MotoCast」、従来のモトローラ製端末でも用意されていた「Webtop」を搭載。高橋氏は、「モバイルコンピューティングやデザインを追求するユーザー向け」と同端末をアピールした。


モトローラ・モビリティ ジャパン モバイルデバイス事業部 営業統括本部長兼CP事業統括部長の高橋博氏 

 

独自機能をデモ、発売検討中の周辺機器を展示

 モトローラ・モビリティ ジャパン モバイルデバイス シニアプロダクトマーケッティングマネージャーの宮川典昌氏からは、「MOTOROLA RAZR IS12M」のコンセプトの解説や、独自機能のデモが披露された。

 宮川氏は、同端末のコンセプトを「スリムなのにハード」「スリムなのにパワフル」とスペック面で各要素を紹介。「スリムなのにクレバー」とした3つ目、「スマートアクション」では、トリガーとなる動作を設定し、その後に「同期をオフにする」といったルールを設定することで、最大30%の省電力が行えるという。また、この「スマートアクション」では、繰り返して同じ行動をしていると、それらを取り込んだ省電力化ルールの提案も行う。

 同氏からはまた、パソコンの中で共有に指定したフォルダを操作したり、ストリーミングやダウンロードでコンテンツを利用したりでき、インターネット上のMotoCastサーバーを介して利用するデータ共有機能「MotoCast」のデモや、HDMIでディスプレイと接続することでブラウザやメールなどを利用できる専用OSが起動し、パソコンのように操作できる「Webtop」機能のデモが披露された。

 同氏からは周辺機器についても案内された。現時点では発売が決定していないものの、発売を検討している周辺機器として、HDMIケーブルで映像を出力できる「HDステーション」2機種、USBの充電機能を備えた車載用クレードル、「Webtop」専用のノートパソコン型端末「Lapdock」2機種が紹介された。HDステーションには、Webトップ利用時に便利なよう、USBポートを3つ備えたモデルも展示されたほか、Lapdockには10.1インチディスプレイのモデル「Lapdock 100」と、14インチでノングレア液晶とした「Lapdock 500 Pro」が展示された。

 質疑応答の時間には「WIN HIGH SPEED」に非対応の理由が問われたが、北米などグローバルで投入してから一刻も早く投入するため、「機能よりも投入時期を優先した」と回答された。また、おサイフケータイやワンセグなどへの対応については、「できるだけ早く、おサイフケータイを投入したいという考えはある」(高橋氏)と、前向きな姿勢を見せている。


モトローラ・モビリティ ジャパン モバイルデバイス シニアプロダクトマーケッティングマネージャーの宮川典昌氏 

会場の展示の様子


発売検討中の周辺機器

車載用クレードル 
  
Webtopのデモ。HDMI端子で映像を出力しているLapdock 100
 HDステーション
 Lapdock 500 Pro

 




(太田 亮三)

2012/1/16 23:19