“スマートフォン版iモード”、ドコモ認定コンテンツの「dメニュー」


 NTTドコモは、2011年冬~2012年春モデルの発表にあわせ、同社が審査したコンテンツプロバイダのアプリやサイトを紹介するポータルサイト「dメニュー」を提供する。

 11月中旬から提供される予定で、あわせて、これまで提供されてきた「ドコモマーケット」は、後述する「dマーケット」の一機能となる。ドコモのAndroidスマートフォンでは、「dメニュー」「dマーケット」のショートカットアイコンが用意され、夏モデル以前の機種は「ドコモマーケット」のアイコンからdメニューへ接続できる。

 

iモードのスマートフォン版

 「dメニュー」は、ドコモ提供のスマートフォン向けポータルサイト。これまで同社スマートフォンのブラウザ起動時に表示された「ドコモマーケット」の発展版であると同時に、iモードのように、ドコモが審査・認定したコンテンツが紹介される。審査の基準は、iモードと同等とのことで、コンテンツプロバイダ提供のアプリやサイトが紹介され、月額課金も可能となる。

 月額課金や無料会員など、継続的に利用するサービスを登録する“マイメニュー”機能が用意される。iモードでも同様の機能が用意されていたが、iモード端末からスマートフォンへ乗り換える際、それまで利用してきたサービスがスマートフォンでも提供されていれば、マイメニュー登録はそのままスマートフォン向けサービスに移行される。

 スマートフォン版のiモードと言えるサービスだが、従来のiモードサイトをそのままスマートフォンで利用するのではなく、スマートフォン向けコンテンツがiモードで培ったノウハウを元に提供されるサービス、という形となる。

 当初、提供されるコンテンツは約700社による約3600サイトで今後、順次拡大する。動作推奨機種としてスマートフォンのほかタブレットも含まれる。BlackBerry端末などでは一部機能制限がある。サイトのデザインは、iモードサイトに非常によく似ており、「マイメニュー」のほか、各コンテンツをジャンルごとに分類した「メニューリスト」も用意される。

 

コンテンツ配信の「dマーケット」

 またiモード公式メニューで「ドコモマーケット」として、アプリや楽曲、書籍が配信されているが、同等のサービスが今回より「dマーケット」として提供されることになり、新たに映像配信が行われることになった。コンテンツ配信サービスの「dマーケット」は、dメニュー内からアクセスし、アプリ、映像、楽曲、電子書籍が配信される。

 アプリは、iモード版と同じく、比較的オープンな審査体制での提供で、Androidマーケットのコンテンツから注目のアプリをピックアップして紹介する。iモード版と異なり、ドコモポイントで購入することはできない。

 映像配信の「VIDEOストア」は、ドコモ向け映像配信サービス「BeeTV」を提供するエイベックス通信放送がパートナーで、月額525円でBeeTVで配信されるコンテンツのほか映画など約5000タイトルが見放題となる。ドコモが9月にタブレットを発表した際、映像配信サービスとして「Hulu」「Jookey」が紹介されたが、「dマーケット」の映像配信サービスとは別のサービスということになり、「dマーケット」はタブレット非対応となる。冬春モデルのうちAndroid 2.3搭載機種で利用できるが、P-01D、SH-04Dは非対応。

 楽曲配信「MUSICストア」はレコチョクがパートナーで、100万曲程度が配信される。洋楽・邦楽が提供され、1曲105円~420円程度になる見込み。電子書籍配信は、無料のものや実用書などが用意される。。冬春モデルのうちAndroid 2.3搭載機種で利用できるが、P-01D、SH-04Dは非対応。

 ドコモ向けの電子書籍配信サービスは「2Dfact(トゥ・ディファクト)」が存在するが、2Dfactは大日本印刷と協力し、実書店との連携を進めるサービスとなり、「dマーケット」の電子書籍配信とは、サービスの方向性が異なる。「dマーケット」の「BOOKストア」はドコモ自身が運営するオンライン書店となり、ドコモが直接出版社と交渉して電子書籍を調達、配信する。コミックがやや多めのラインナップになる見込みだが、ユーザー層を限定することなく、実用書も取り扱われるとのことで、サッカー日本代表の長谷部誠選手の書籍「心を整える」などがラインナップされる。

 映像や楽曲、電子書籍については、機種変更後も、再ダウンロードすることで利用できるようになる。

 

iコンシェル

 スマートフォン向けコンテンツへの取り組みとして、2012年3月より、情報配信サービス「iコンシェル」がスマートフォンでも利用できるようになる。利用料は月額210円でspモード契約が必要。冬春モデルのうちAndroid 2.3搭載機種で利用できるが、P-01D、SH-04Dは非対応。今回は概要の紹介と、展示会場でのデモンストレーションが行われた。

 iモードでは、交通情報や気象警報・注意報などのインフォメーション、天気やユーザー自身が登録した予定を管理するiスケジュール、トルカ、OCR機能を備え写真から情報を作成したりできる「メモ」といった機能が用意されているが、そうした機能全てがスマートフォンでも利用できるよう、現在開発が進められている。

 スケジュールとメモは1つのアプリで提供され、グーグルのアカウントにも対応するとのこと。ただグーグルカレンダーの情報と、ドコモアカウントで登録されたスケジュール情報の同期は行えない。

 iコンシェルはアプリで実現する形となり、ホーム画面用に、ひつじのしつじくんが登場するウィジェット(縦1コマ×横4コマ)も用意され、インフォメーションが配信されるとウィジェット上に表示される。

 オートGPSについては、対応するかどうか、現在検討中とのこと。ハードウェア、あるいはAndroidの改変といった仕組みではなく、アプリで対応するとのことだが、提供されるかどうか現時点では未定。ただ、今回はオートGPSのアイコンを表示したデモになっているなど、実現に向けて開発が進められていることが窺える。もし実現する場合、対応機種は今回の新機種以降になる見込み。

 

ドコモ地図ナビがスマホ対応

 これまでドコモがゼンリンデータコムのサービスを活用し、iモード端末で利用できた「ドコモ地図ナビ」だが、11月中旬よりスマートフォン版も提供されることになった。利用料は月額315円。

 Androidには、グーグルによる無料の地図アプリが用意されているが、「ドコモ地図ナビ」は地図データを大まかなものから細かなものへ段階的に読み込んだり、より精細な地図を用意する。また、全国津々浦々の観光地データを収録した「ご当地ガイド」も用意される。「ご当地ガイド」ではプロの写真家による名所の写真を楽しむこともできるなど、大画面のスマートフォンにあわせたコンテンツも用意される。

 

プレゼン

提供開始時期は11月中旬、700社が参加し3600サイトが利用できるバンダイナムコゲームスの米澤弘樹氏が登壇塊魂、パックマンが提供されるSIMPLE100シリーズも
スマホ用きせかえ対応コンテンツイマジニア社長の澄岡和憲氏spモードメールがバージョンアップし、絵文字が画面中を動く

 




(関口 聖)

2011/10/18 12:28