防水対応、ファミリー向けの「ARROWS Tab LTE」


 富士通製「ARROWS Tab(アローズ タブ) LTE F-01D」は、防水性能(IPX5/IPX7)を備えるタブレット端末。10.1インチ(1280×800ドット)で1677万色表示のTFTディスプレイを装備し、ソフトウェアプラットフォームはAndroid 3.2となる。10月中旬に発売される予定。価格は、月々サポートなどの割引施策を反映させた実質価格で2万円台前半になる見込み。

ARROWS Tab LTE F-01D

 

 リビングに置いて家族全員で使うことが想定されたモデルとなる。たとえば料理のときに活用できるよう「楽天レシピ」を搭載するほか、キッチンタイマーウィジェットが用意されている。

 また、特徴的な機能として、ホーム画面のデザイン、壁紙、ウィジェットを全て切り替えられる「スタイル」機能が用意されており、ウィジェットの管理画面、ホーム画面ので画面長押しなどから設定を呼び出せる。ウィジェット、アイコンの配置、壁紙などは各スタイルごとに保存され、家族用、子供用といったように使い分けられる。

 スタイルには、AV機器風のデザインやウィジェットを揃えた「Audio & Visual」、防水性能をテーマにした「ウォータープルーフ」、キッチンタイマーウィジェットや楽天レシピウィジェットなどがプリセットされた「ロハス」、文具のようなカレンダーウィジェットなどが用意された「ステーショナリー」、時間割ウィジェットや幼い子供が歯磨きなどをきちんと行うとカレンダーにシール風の素材を張って記録できるウィジェットとアプリを用意した「キッズ」、Android 3.2オリジナルのインターフェイスとなる「Honeycomb」が用意されている。

 さらに、新たなスタイル用デザインを作成することもできる。パソコンにおけるアカウント切り替えに近いイメージだが、スタイルを切り替えてもインストールされているアプリや、Googleアカウントが切り替わるわけではない。ユーザーにあわせたスタイルをその都度選んで楽しむための工夫となっている。

 防水端末で、静電容量式のタッチパネル搭載とあって、画面が濡れた状態や、濡れた手でも操作しやすいよう、インカメラで手の動きを検出し操作できる「ハンドジェスチャーコントロール」機能を新たに搭載している。設定でジェスチャー機能をオンにすると、画面右下の隅にジェスチャー機能のアイコンが表示され、インカメラが常時ジェスチャーの検出待ち状態になる。

 インカメラから20~30cm程度の距離で、手のひらを左右、もしくは上下に移動させると、アプリに割当てられた操作が行える。この機能では、手の表面の色も利用して動きを検出しているという。

 同機能により、例えばブラウザでは、上下のジェスチャーで画面をスクロールできるほか、ワンセグでは左右でチャンネル切替、上下でボリューム調整が行える。なお、「ハンドジェスチャーコントロール」機能は、キーボード接続時のカーソルキー(上下左右)に相当する入力情報をアプリに渡すという比較的シンプルな仕組み。このため、一般のアプリであっても、キーボードのカーソルキーに機能を割り当てているアプリは、このジェスチャー機能で操作できるという。

 9月8日の発表会で展示された端末では、誤検出や、動きを検出しないといったケースも見られたが、端末側の軽快な動作もあり、コツを掴むと連続して操作できる印象だった。

 ネットワーク関連の機能では、DLNA(DTCP-IP)対応のメディアプレーヤーアプリ「DiXiM Player」がプリセットされる。このアプリはAndroidマーケットでは提供されず、同端末のみにインストールされるという。家庭内のレコーダーなどで録画したデータを、同じ家庭内ネットワークを通じて、ストリーミングで再生できるようになっており、例えばDLNA(DTCP-IP)対応機器にある映像データを、お風呂に入りながら観賞する、といった使い方ができる。

 端末前面にステレオスピーカーを搭載しており、ホームシアターのようなサウンドを再現する「Dolby Mobile v3」に対応している。

 電子辞書機能が充実しており、「富士通モバイル統合辞書+」がプリセットされ、画像も収録した広辞苑や、角川新語辞典など29の辞書が利用できる。このほか、映像配信サービスのTSUTAYA TV、ひかりTVにも対応する。

 チップセットは「OMAP4430」で、1GHz駆動のデュアルコアCPUを備える。ストレージは16GBで、microSDカードスロットも装備する。またmicroSIMカード(ドコモではminiSIMと呼称)を採用する。メインカメラは810万画素、インカメラは130万画素で、GSM、GPS、Bluetooth 2.1+EDR、Wi-Fi、テザリング、spモード、ドコモマーケット、DLNA(DTCP-IP)、ワンセグがサポートされる。おサイフケータイや赤外線通信は非対応。

 通話は非対応だが、マイクは装備しており、音声認識による文字入力、アプリでの利用は可能となっている。パッケージには充電対応の卓上ホルダーが同梱される。この卓上ホルダにはmicroUSBポートが用意される。オプションとしてmicroUSBをUSBに変換するアダプタが提供され、USB接続でマウスやキーボードを利用することもできる。HDMI出力は非対応。

 バッテリー容量は6560mAh。3G(下り最大7.2Mbps、上り最大5.7Mbps)での連続待受時間は約1600時間、LTEでの連続待受時間は約900時間、GSMでの連続待受時間は約1200時間。大きさは約262×181×11.3mm、重さは約597g。カラーはEternal White(エターナルホワイト)1色。SIMロックの解除に対応する。OSのメジャーバージョンアップは、次期OSの内容を確認しながら提供の有無を検討していく方針。

 「ARROWS」は、富士通のスマートフォンやタブレットに用いられる、新たなブランド。今回の「ARROWS Tab LTE F-01D」が最初の製品ということになる。

 




(関口 聖/太田 亮三)

2011/9/8 12:19