GPSと「ドコモ ESN」を使った法人向けの花粉症日記システム


 ウェザー・サービスは、GPSを利用した花粉症日記システムを2011年1月より開始する。製薬メーカーや医療機関向けに提供される。

 今回提供されるGPS 花粉症日記システムは、携帯電話のGPSで位置情報を取得し、花粉曝露量を推定して記録するというもの。花粉の飛散量が多くなる春に、花粉症患者と医療機関・医師とのコミュニケーションや、セルフケアの手段としての利用が想定されている。

 同サービスでは、NTTドコモが全国2500カ所に設置している「環境センサーネットワーク」(ドコモ ESN)の花粉センサーでリアルタイムに得られた情報をもとに、任意の地点の空中花粉濃度を推定する。これにGPSによる位置情報を加えることで、「どの場所で、どれだけの花粉に触れたか」を正確に把握できるという。また、日記としてデータが蓄積されることで、花粉飛散量と症状の関連性を調べることができ、薬の効能を正確に判定できるとしている。

 同サービスはウェザー・サービスと千葉大学で3年にわたって研究されてきたもので、携帯電話を使うことで医師と患者のリアルタイムのコミュニケーションもサポート可能。位置情報は匿名性を確保した試験データとして利用することも可能になっている。

GPS 花粉症日記システム
行動履歴による花粉暴露量の違い。行動履歴(赤線・黄線)により個人レベルの花粉暴露量は大きく異なる

 



(太田 亮三)

2010/11/17 12:48