Symbian Foundation、非営利団体から法人へ


 非営利団体として活動してきたSymbian Foundationは、ノキアと協力して、法人化すると発表した。

 Symbian Foundationは、携帯電話向けソフトウェアプラットフォーム「Symbian OS」をオープンソース化して提供するため、2008年6月、ノキアがシンビアン(当時)の全株式を取得する方針が発表され、その後設立された団体。2010年2月にはオープンソース化が完了し、今後の進化のロードマップも明らかにされているが、団体設立後に発生した、リーマンショックに代表される世界規模での経済危機など、環境の変化を受け、現在の体制では適切ではないとの判断が下され、ソフトウェアライセンスの供与や商標など知的所有権を担う法人になることになった。あわせて、これまでSymbian Foundationが担っていたプラットフォームの配布という業務は、ノキアへ委譲される。なお、開発自体は、これまでもノキア内で行われており、今後も継続される見込み。

 今後は業務や職員数の縮小を行い、2011年4月までには組織のライセンス機能を統括する非常勤役員のグループにより管理される。メンバーの取り扱いについては検討中とのことで、来年4月以降の対応など、詳細は別途案内されるとのことだが、影響が最小限になるよう、Symbian Foundationではノキアと協力するとしている。オープンソース化により中立的な姿勢を示し、拡大を目指したSymbianだが、ノキアでは「Symbianは、スマートフォンにおいて世界最大のマーケットリーダーであり、今後も変化することはない」として、Symbianのエコシステムを保証する姿勢を示している。

 もともとSymbian OSは、エリクソン、モトローラ、ノキア、サイオンの4社が1998年6月に設立した「Symbian Software」によって開発された。国内では、富士通やシャープの携帯電話で採用されている。

 



(関口 聖)

2010/11/9 13:15