住宅・電気自動車・電力をつなげる実証実験開始


テープカットの様子

 NTTドコモとNECを代表幹事とする「スマート・ネットワークプロジェクト」は、11月4日、横浜みなとみらい21地区で実証実験を開始した。7日から同じくみなとみらい21地区で開かれるAPECに合わせてスタートするもの。実験は2011年3月まで続けられる。

 スマート・ネットワークプロジェクトは、ホームICTやスマートグリッド、電気自動車を組み合わせ、その基盤に利用する通信技術の国際標準化を目指す取り組み。総務省により第2次補正予算「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業」に採択されている。

 代表幹事がNTTドコモとNEC、幹事が積水ハウスとバンダイナムコゲームス。ほか、アイホン、内田洋行、NTTファシリティーズ、JX日鉱日石エネルギー、日産自動車、日本ユニシス、野村総合研究所、三菱電機が参加する。

 実証実験は、「住宅/EVネットワーク」グループと「EVサポートネットワーク」グループの2つに大きく分かれる。「住宅/EVネットワーク」グループでは、フェムトセル基地局とホームサーバーの機能を持つ「フェムト一体型ホームICT」を中心に、太陽光発電システム、電気自動車、家電を結びつける。「EVサポートネットワーク」グループでは、電気自動車の充電スタンドの管理やユーザー認証を連携させるための通信規格、カーシェアリングのための通信規格、オフィスビルなどに充電スタンドを設置し電力情報や利用状況を収集するための通信規格を策定し評価する。

 開所式では、NTTドコモ 代表取締役社長 山田隆持氏、積水ハウス 代表取締役社長 阿部俊則氏、日産自動車 常務執行役員 篠原稔氏、総務副大臣 平岡秀夫氏、横浜市長 林文子氏が挨拶。低炭素社会とスマートコミュニティへの抱負を語った。

モデルハウスを見学

 同日、スマート・ネットワークプロジェクト実験のモデルハウス「観環居」と電気自動車の充電スタンドの見学会も開催された。

モデルハウス「観環居」。積水ハウス設計施工。玄関に設けられたモニター
玄関のすぐ横に、障子1枚で仕切られて車庫がある。電気自動車なので、排気ガスの心配がない。車庫とつながったSOHOルームも設けられている。
リビングのテレビに情報を表示。コルクボード風の画面になっている。住宅のメンテナンス履歴などを蓄積し住宅の長寿命化に役立てる家歴システム
太陽光発電や家庭内の電力消費、電気自動車の充補電などを管理する画面
各部屋の温度を管理するシステム家庭内のそれぞれ場所で、AR(拡張現実)技術により電力消費などをスマートフォンの画面に表示
キッチンの壁のモニター食品のRFIDタグを読んで産地などの情報を表示するタンジブルカウンター
廊下の壁や寝室などに設けられたホームコントロールモニター。情報表示のほか、照明のコントロールもできる。フェムト一体型ホームICTと、車庫や玄関とのインターホン
充電状態の電気自動車。左の写真の充電ステーションはNECのサーバーに、右の写真の充電ステーションはユニシスのサーバーに接続されているため、実証実験で策定する通信規格によってサーバー間で認証情報や充電情報などを共有する。
携帯電話で認証充電中の画面


(高橋 正和)

2010/11/4 19:31