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新料金プラン発表の楽天モバイル、発表後の質疑応答で語られたこととは

左から、矢澤氏、三木谷氏、タレック氏、河野氏

 楽天モバイルは13日、従来の料金プランを改定した新バージョン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表した。7月1日に改定され、月額1078円~月額3278円の変動制となる。一方で、これまでのプランとは異なり、0円で利用できる幅がなくなる。

 本稿では、発表に関する質疑応答の様子をお届けする。

登壇者(肩書はすべて楽天モバイル)
代表取締役会長
三木谷 浩史氏
代表取締役CEO
タレック・アミン(Tareq Amin)氏
代表取締役社長
矢澤 俊介氏
CMO 常務執行役員
河野 奈保氏

――今回0円が廃止されたが、自動的に値段が上がってしまうことについて、ユーザーからの反発はどの程度想定しているのか。

矢澤氏
 ユーザーへの対応について、関係各所とも事前にたくさん相談をさせていただいた。7月1日に新プランへ変更となるが、そのあと4カ月間、実質0円の環境が続く。その4カ月間はちょうど夏休みに入るしお盆休みもあるので、「変更の希望があれば、そんなに急がずともだいたい4カ月あれば大丈夫じゃないか」という結論になった。

――0円で使っているユーザーが流出する可能性もあると思うが、そのあたりは折り込み済みなのか。

矢澤氏
 流出はもちろん0ではないと思うが、ほとんどの方が残っていただけるのではと思っている。その最大の理由は、「データ利用量が少ない方でも、楽天市場でのお買い物の金額がすごくある」ということ。

 なので、今回は6倍にさせていただいたが、楽天市場でのポイントを上げることで、お客さまにとってトータルのメリットになればいいかなと思っている。

三木谷氏
 正直に言えば、もう少しこのまま使ってもらってもいいかなと思った。ただ、電気通信事業法上で「それはダメだ」ということなので、「じゃ、どうしようか」と考えて、ほかのベネフィットをたくさんつけるかたちで対応させていただいた。

――電気通信事業法でダメ、というのはどういうことなのか。

三木谷氏
 僕も最初はよくわからなかったんだけど、「既存のユーザーをキープしたまま、新しいプランを出して他社に逃げないようにするっていうのはダメ」っていうことらしい。27条だっけ?(矢澤氏に向かって)

矢澤氏
 電気通信事業法上の27条「既存顧客の囲い込み」にあたる。

三木谷氏
 うちはワンプランが売りなので、2つのプランを並べるというよりも、1つのプランにする必要がある。それから楽天とのシナジーを追求する必要があるっていうことなので、当初の案としては「既存ユーザーは当面そのままでもいいですよ」ということを考えた。

 ただ、残念ながらそれは法律的にダメだということになったので、じゃあどうしましょうか? っていうことで、多くのベネフィットをつけた。大半の方は、そのままお使いいただけるのではと思っている。

――1GB以下0円は、もともと「コロナ禍で困っている人を助ける」という背景もあったと思う。廃止について、背景をもう少し詳しく教えてほしい。

三木谷氏
 今後のキャリアメールの開始、「Rakuten Link」などのアップデート、基地局の整備……我々としては、サービスレベルもかなり上がったという風に思っている。

 プラス、先ほど申し上げたが、楽天グループとのシナジーを追求していって、トータルで見ればユーザーさんにとってお得になるという設計ができると思う。

 ワンプランは死守したいという趣旨もあり、980円は高いと言えば高いかもしれないが、常識的に考えるとそれほどの負担にはならないだろうということで判断した。

――0円について、電気通信事業法上の指摘がなければ続けていたのか。

三木谷氏
 ぶっちゃけて言うと、「既存のユーザーさんは当面そのまま使っていただく」というのが我々の案だった。

 ただやっぱりこれは法律的にダメだという話があって、それではということで、ほかのかたちでお返しできるようにしようっていう設計にした。

――100GBでも200GBでも無制限という話だったが、これで税抜2980円は安いと思う。この水準はどのくらい続けていく予定なのか。

三木谷氏
 十分と採算ラインに乗っていく話だと思っている。未来永劫とは言わないが、当面は続けていく予定。

――新料金についての考えをもう少し教えてほしい。

三木谷氏
 他社さんに比べて、アグレッシブなプライシングをしていると思っている。サービスレベルの向上もしてきたということで、ワンプランで980円スタートは、まあ妥当じゃないかなっていう風には思う。

 今後は、より利益を上げて投資をして、インフラをさらによくしていくというサイクルにしていきたい。

――「Rakuten Link」のスーパーアプリ化に関して、現状の課題はどのようなところにあるのか。

河野氏
 当初はメッセージやコールというところで利用されている方が多かったので、そういったところのクオリティを注力ポイントとして改善を進めてきた。

 最近では、アプリ内のエコシステムのいろんなキャンペーンの参加率が、かなり上がってきた。そういったものに少しずつユーザーも慣れてきたという風に思っている。

 スーパーアプリのプラットフォームとしては、もちろんテクノロジーを提供することはできるが、それ以上にやっぱりユーザーに少しずつ慣れていただきながら、新たな世界を見ていただきたいと考えている。今後もラインアップを順次拡大していきたい。

三木谷氏
 総括すると、楽天モバイルは「モバイルにおける新人類」。たとえば仮想化技術など、いろんな地殻変動が今後起こっていくと思うが、そのフロントランナーが楽天モバイルであり、その成功例が、楽天モバイルジャパンのサービスだと思う。

 今後、既存の考え方のモバイル会社はビジネス的になかなか難しくなっていくのではと思っている。

 今日はさまざまなサービスを発表したが、まだ発表しきれてないものも正直言ってある。これをどんどんリリースしていくことによって付加価値を上げ、それをできるだけ安く提供していきたい。

 あとは、楽天の他サービスとのシナジーによって、巨大な経済圏がさらにパワフルになっていくと思っているので、応援していただければ。

【2022/05/13 22:12】
 本文冒頭の価格表記を税込にしました。質疑応答内で触れられている価格は税抜のままです。



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