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ソニーモバイル、5Gスマホ「Xperia 1 II(マークツー)」を発表

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、5G対応のAndroidスマートフォン「Xperia 1 II(エクスペリア ワン マークツー)」を発表した。日本を含むグローバル市場に向けて提供されるとのことで、今回、グローバルモデルとしてのスペックが発表された。

3つのカメラと深度センサー、ツァイスレンズを採用

 「Xperia 1 II」には、16mmの広角カメラ(F2.1、1200万画素、デュアルフォトダイオード)、70mmのズームカメラ(F2.4、1200万画素、PDAF)、24mmの標準カメラ(F1.7、1200万画素、デュアルフォトダイオード)、そして奥行きを測定できる深度センサーである3D iToFセンサーを備える。ToFセンサーは3~5m程度まで判別できる。

 カメラレンズはZEISS(ツァイス)を採用。「T*(ティースター)」コーティングにより、レンズ内反射を抑え、よりクリアな写真を撮影できる。

 メインカメラのデュアルPDセンサーは1/1.7というサイズで、アスペクト比は4:3。従来の約1.5倍、高感度撮影を実現した。

 静止画撮影ではRAWで記録することもできる。

 800万画素のフロントカメラも用意される。

1秒20コマの高速連写、瞳AFも

 ソニーの一眼レフカメラであるαシリーズの技術を活かし、AF/AE(オートフォーカス、自動露出)追従1秒20コマの高速連写を実現。「Xperia 1」の倍の速さで撮影できるようになり、「α9」と同じ枚数、撮影できる。

60回/秒のAF/AE演算

 オートフォーカスエリアは70%となり、カメラが捉えている被写体が動いても追従してフォーカスし続ける。また1秒あたり60回のAF/AE演算も行う。これもソニーの一眼レフカメラで培われた技術を元にしている。

瞳AF

 リアルタイム瞳AFも引き続きサポート。人やペットの瞳を認識してフォーカスが追従し、動いている場面でも躍動感のある写真を記録できる。フードや風景など、被写体の違いにあわせた撮影もできる

αシリーズを継承するマニュアル撮影「Photography Pro」

 新機能の「Photography Pro」は、本格的なマニュアル撮影を楽しめる。一眼レフカメラのαシリーズの操作を継承し、撮影モードのダイヤル切り替えや、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなど、好みに応じて調整できる。

25fps撮影もできる「Cinematography Pro」

 「Cinematography(シネマトグラフィ)Pro」と名付けられた機能は、映画撮影に関わるプロなどからのアドバイスをもとに開発された映像撮影機能。録画と録音、どちらもプロクオリティを追求した。

 撮影では、21:9というアスペクト比で、4K HDR映像を24fps、30fps、60fpsで撮影できることに加え、さらに欧州で使われるという25fpsをサポートする。水準器の表示や、タッチ操作でのオートフォーカス、ホワイトバランスのカスタム設定なども盛り込まれた。

 録音については、ソニーのAI技術を駆使した「インテリジェントウィンドフィルター」により風ノイズを除去。マイクジャマーのような効果を得られる。

21:9の4K HDR対応6.5インチ有機ELディスプレイ

 6.5インチの有機ELディスプレイは「シネマワイドディスプレイ」と称し、アスペクト比21:9というXperia 1から続く縦長シルエットを継承し、4K HDRをサポート。

 60Hz駆動ながら、白と黒を素早く切り替えられるよう、フレームが代わる際に電圧を上げる仕組みを採用し、残像を低減。90Hz駆動相当の効果を実現した。それでいて実際に90Hzで駆動させる場合と比べ、5%ほど電力消費が少なくなっているという。

 ディスプレイの色表現では、標準光源や色温度からホワイトバランスを設定できるようになった。たとえば「D50/D55」に設定すると、暖かみのある印刷したような紙焼き写真の色味を、ディスプレイ上で再現できるという。

横へのスライドでアプリを切り替え「マルチウィンドウスイッチ」

 21:9という縦長ディスプレイを活かす新機能として、「21:9マルチウィンドウスイッチ」が搭載される。最近のAndroidでは、画面を上下に分割して、2つのアプリを同時に利用できるようになっているが、「マルチウィンドウスイッチ」では、上下で使うアプリの切り替えを、より直感的に操作できるよう、左右へスライドして選べるようにした。

サウンドも向上

 カメラ、ディスプレイに続く特徴はサウンドだ。3.5mmのオーディオジャックを備えるほか、フロントスピーカーは、左右均等に配置される。これまでもステレオスピーカーではあったが、片方が底面に向いており、音の出る方向がやや異なっていた。そこで今回は、まっすぐユーザー目がけて音が向かうように変更した。

 さらにスピーカーボックスの設計を見直し、音圧のアップと低音域の拡大が図られている。

 音楽再生時の音質は、ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業による独自チューニングで、ボーカルや楽器の定位感、その場にいるかのような臨場感などを再現する。

 映画コンテンツを再生する際にも、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとの協業で、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)の効果をチューニングし、こちらもさらに臨場感のアップが図られている。

 グローバルのストリーミング配信サービスである「TIDAL」「deezer」「nugs.net」に対応し、「360 Reality Audio」として新しい音楽体験を楽しめる。ハイレゾ音源をストリーミングで再生することもできる。

 オーディオ技術の「DSEE(ディーエスイーイー) Ultimate」により、圧縮音源をハイレゾ相当にして楽しめる。AIにより高音域の表現力や、楽器の音のきりかえなど、細かな音の再現性がアップした。DSEEの効果は、SpotifyやYouTube Musicといったサブスクリプション型サービス、あるいはワイヤレスのヘッドセットでも味わえるという。

没入感のあるゲーム体験も

 ディスプレイとサウンドのスペックアップに伴い、「Xperia 1 II」が打ち出す体験のひとつがゲームだ。

 ゲームモードでは、ディスプレイのタッチ操作をクイックに拾えるよう120Hzでスキャン。また通知やナビゲーションバーを無効化する「コンペティションセット」が追加され、プレイ時の誤操作を防止する。

 FPSゲーム「Call of Duty : Mobile」とコラボしており、「Xperia 1 II」の21:9ディスプレイに対応させた。またクアルコムのゲーミングプラットフォームで、一定の基準を満たすスマートフォンへ与えられる「Qualcomm Snapdragon Elite Gaming」を得ており、Call of Dutyにも独自のチューニングが実装されている。

 PlayStation 4のゲームコントローラーである「DUAL SHOCK4」を繋いでプレイすることもできる。

主な仕様

 5Gの通信仕様としては、6GHz帯以下の周波数(Sub6)に対応する。対応バンドはn1、n3、n28、n77、n78。なおn77は、時期未定ながら発売後のソフトウェアアップデートで対応予定とのこと。一方で、ミリ波は非対応。なお、5G利用時の通信速度は、通信事業者などによって異なり、デバイスとしてのスペックは非公開。

 LTEの対応バンドは1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、19、20、25、26、28、29、32、34、38、39、40、41、46、66。

 国・地域によってデュアルSIMモデルとシングルSIMモデルが用意される。

 本体側面の電源キーは指紋認証センサーとしても機能する。先代モデルの「Xperia 1」では電源ボタンから独立したデバイスとして実装されていたが、ユーザーからの声に応え、電源キーと一体化した。

 内蔵バッテリーの容量は4000mAh。有線での充電では最短30分で50%までの急速充電をサポート。21W以上の急速充電器を利用する際には独自の充電最適化と、長い時間をかけて充電する際に休息するタイミングを入れる「いたわり充電」により2年使ってもバッテリーが劣化しにくい仕組みとした。ワイヤレス充電の「Qi」にも対応し、11Wで充電できる。

 ボディカラーはブラック、パープル、ホワイトの3色。大きさは166×72×7.9mm、重さは181g。Xperia 1と比べ、3g重くなる一方、0.3mm薄くなった。

 チップセットは、クアルコム製の「Snapdragon 865」。メモリは8GB、ストレージは128GB、256GBがラインアップされる。防水防塵(IP65/68)に対応する。

Snapdragon 865を採用
Xperia 1とのスペック上の比較