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mineo「ゆずるね。」「パケット放題」発表会で語られた新たな戦略とは

 29日、オプテージがMVNOサービス「mineo」の新たな取り組みを発表した。発表会で語られた同社の戦略とは。

福留氏(中央)

2019年の取り組みは

 オプテージ モバイル事業戦略部部長の福留康和氏は「2019年は、競争が激しくなる中、独自価値であるファン(ユーザーのこと)との繋がりを深めた1年だった」と振り返る。

 新たに導入したアンバサダー制度を通じて、計3回の座談会を実施して、ユーザーからの声を聞き、サービス開発に繋げた。サポートアンバサダーでは、格安スマホ相談会を開催したところ、ユーザー目線での客観的なアドバイスが得られたと好評だったという。紹介アンバサダーからは紹介率が約3割に達した。

 かねてより提供されてきた「災害支援タンク」は、特別警報が適用される地域も対象に含めるようになり、過去18回の開放で約3万人が利用した。たとえば2019年の台風19号でも、千葉県のユーザーに向けて災害支援タンクを開放。ユーザーからも現地を応援するコメントが多く寄せられた。

 福留氏は「安さなどの機能的な価値だけではなく、社会的な価値にも積極的に取り組みたい」と語る。

 そうした取り組みにより、コミュニティサイト「マイネ王」の会員は60万人に達した。ユーザー同士で疑問を解決するQ&Aサイトも、1万2000件の解決数となった。ユーザーからの改善提案や新サービスのアイデアなどが寄せられるアイデアファームは、約5000件のアイデアから584件を実現。これらの実績や、調査会社などの評価から「高いエンゲージメントを獲得できている」と福留氏は胸を張る。

 電気通信事業法、MNO各社の料金プラン見直しによる安価なプランの登場、楽天モバイルの参入などで、市場全体は様子見の格好となり、動きは鈍いなかでも、この1年、約4万回線増加し、117万回線に達した。今後も流動性が高まると見ているという。

 以前は200万回線の獲得を目指していたが、市場の鈍化を踏まえ、シェア10%以上を新たな目標に切り替えたという。現時点では2019年9月時点では、MMD総研のデータによるとシェア8.3%となっている。

 2018年10月からソフトバンク回線のSプランを提供してきたが、その契約数は全体の2%。残りはauとドコモで半分ずつ。「絶対数は伸びてないように見えるかもしれないが、伸び率でいうと、ドコモもauもソフトバンクも変わらない。その頃から市場が鈍化し始めた」と福留氏。

2020年は2本柱で

 mineoの独自性である「共創戦略」をさらに深めるのが2020年と語る福留氏は、「共創価値の深化とベース価値の追求」という2つの柱を示す。

 そのうち共創価値では、「共創」「共想」という考え方をもとに、「ゆずり合い、助け合い」をする新サービス「ゆずるね。」を3月23日から提供する。

 一般的に、MVNO事業者は、大手携帯会社(MNO)から通信帯域を調達するが、ランチタイムなどは通信する人が増えてしまい、速度が遅くなりがち。MVNO側はさらに多くの帯域を調達して増強することもできるが、それもコストになるため、料金に影響を与えかねない。そこで「ゆずるね。」では、ランチタイムに「私は今日通信しない」と宣言し、実際に通信しないことで、特典をもらえるようにした。

 「ゆずるね。」はファンとともに作り上げたサービスとのことで、使いたい、使い続けたいと思ってもらえるかどうかが、成功するかどうかの分水嶺と語る福留氏は、参加のモチベーションアップなどに対して、ユーザーの声を聞いてきたという。

 福留氏は「mineoらしいサービスではないか」と自信を見せる。さまざまなユーザーがいるなかで、mineoのアプリを毎日使う人や、共創という考え方に共感するユーザー、速度制限を利用するユーザーが中心となって、「少なくとも毎日5万人程度に利用されるのではないか」と予測した。

ただし、どの程度、混雑を解消できるかは不透明。福留氏は「まだ利用者がどの程度になるか正確に掴めない。制限をかけるのではなく、利用量をカウントするだけであり、宣言が成功するかどうかによって効果が変わる。宣言する人の普段の利用傾向によっても異なっており、たとえば普段から使っていない人、逆にヘビーに使う人がいる。実際に開始してから数値を見ていきたい」とした。

パケット放題で「ベース価値」を上げる

 共創戦略を深める「ゆずるね。」とともに発表されたのが、月額350円で、最大500kbpsで通信し放題となる「パケット放題」だ。

 2019年6月に実施したトライアルサービスでは、65%が満足し、正式なサービス化を求める声もあって、今回、提供されることになった。

 あわせてキャンペーンも1月30日から実施され、サービス開始前日まで無料で利用できる。

 また2月1日~5月31日に申し込むと6カ月間、800円割り引くキャンペーンや、6カ月間1GB増量するキャンペーン、端末購入者に最大3000円の電子マネーをプレゼントする。

 キャンペーンの組み合わせにより、auプランであれば4GBを月額710円で利用できる。福留氏は、期間限定ながら「業界最安になる」とアピールしていた。