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ゲーミングPCがなくても最新ゲームをスマホでプレイ、「GeForce NOW」を先行体験してみた

 ソフトバンクは、NVIDIAとの協業によるクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW Powered by SoftBank」を提供する。正式サービスに先駆けて12月中旬からクローズドベータテストを行う。

スマホでもPCゲームを遊べるクラウドゲーミングサービス

 「GeForce NOW Powered by SoftBank」は、NVIDIAが海外で提供しているクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の日本版。ゲームの処理はサーバー上で行い、映像・音声を手元の端末にストリーミング配信する仕組み。

 ユーザーが手にする端末には高い負荷がかからないゲームストリーミングサービスのため要求スペックは低く、本格的なゲーミングPCを用意せずとも、スマートフォンや一般的なノートPCで最新のPC向けゲームをプレイできる。

 ソフトバンクは、通信サービスを軸に新規事業に積極的に取り組んでいく「Beyond Carrier戦略」の一環として、GeForce NOWの日本展開を決定。回線の通信速度や遅延の少なさによってより快適なゲーム体験を実現できることから、5Gに向けたサービスの布石と位置付ける。

スペックを問わず快適にプレイ、セーブデータの“持ち込み”も可能

 本誌では、報道関係者向けの先行体験会にて、実際にノートPCとスマートフォンでGeForce NOWを体験する機会を得た。

 まずはノートPCで「SEKIRO」や「Fortnite」をプレイしてみた。使用したPCは「HP ProBook 450 G3」で、最新の高性能PCやゲーミングPCというわけではなく、ごく一般的なビジネスユースの機種だ。しかし、端末性能を要求しないGeForce NOWの仕様のおかげで動作に不満はなく、快適にプレイできた。

 続いて、スマートフォンで「GRIP」というレースゲームを体験。GeForce NOWは特定のタイトルに限定したシステムではなく、SteamやEpic Games Storeなどで購入したPC用ゲームをセーブデータごと持ち込んでプレイできるオープンプラットフォームとなっており、PC向け、スマホ向けで対応タイトルが区別されることもない。

 「AQUOS R2」にGeForce NOWの推奨コントローラー「Razer Raiju Mobile」を装着してプレイすることもできた。仕様上はAndroidスマートフォンに接続できるコントローラーであれば同製品に限らず使用できる。

 たとえば、12月に発売予定の2画面スマートフォン「LG G8X ThinQ」の場合、片方の画面を仮想ゲームパッドにする機能をGeForce NOWで使うことも可能だ。

遅延は目立ちにくく、5G時代の展開にも期待

 安定して通信できる回線とゲームパッドやキーボード、マウスなどのゲーミングデバイスさえ用意すれば、大掛かりで高価なゲーミングPCを用意せずとも楽しめる点がGeForce NOWの長所といえる。

 ゲームタイトルやプレイヤースキルによって要求レベルは異なるだろうが、第一印象としては、ネットワーク越しに入力操作を受け付け、サーバーで処理して映像を返す、という過程を経ているとは思えない程度にラグは抑えられている。

 数年後のコアネットワークも含めた5Gの本格展開を見据えると、より端末に近い場所にサーバーを分散配置するモバイルエッジコンピューティング(MEC)と組み合わせることができるようになれば、シビアな応答速度を要求するゲームでもより多くのプレイヤーが満足できるレベルに達するのではないだろうか。

 Wi-Fi環境でプレイするユーザーも多いと考えられるが、「GeForce NOW Recommended」認定を受けたルーターも登場している。ASUSのゲーミングルーター「ROG RAPTURE GT-AC2900」は、GeForce NOWの通信を優先させて帯域を確保できる機能を搭載する。

クローズドベータテストのスケジュール

 GeForce NOW Powered by SoftBankのクローズドベータテストの第1次募集は11月30日まで。テスト期間は12月中旬~2020年2月末。当選者には12月中旬から順次案内が届き、1月上旬までに最大1万人が招待される。

 12月2日からは第2次募集を開始。第2次クローズドベータテストは2月上旬から実施され、最大3万人が参加できる見込み。

※ NVIDIA、GeForce NOWは、米国および他国のNVIDIA Corpotarionの商標および登録商標です。
※ 他の企業および製品名は、それらと関連性のある各企業の商標である可能性があります。