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「Xperia 1」、SIMフリー/デュアルSIM/FeliCaなしのProfessional Edition

映像制作や報道写真、eスポーツ向けに、15万7300円

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、SIMロックフリーのAndroidスマートフォン「Xperia 1 Professional Edition(型番:J9150)」を10月25日に発売する。価格は15万7300円(税込)。

 ソニーマーケティングが販売元となって、法人向けに提供されるほか、個人でもソニーストア実店舗(銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神)や、ソニーマーケティングの直販サイト「ソニーストア」で購入できる。24日からはソニーストアで展示される。

3つの分野にあわせた新スペック

 「Xperia 1 Professional Edition」は、3つの分野に特化して、業務などでの活用を想定したスマートフォン。従来のXperia 1と比べ、カメラやディスプレイのスペックはそのまま、いくつかの機能に手を加えて、“プロ仕様”に仕立てられている。

映像制作現場のサブモニターに

 1つは「映像制作」。Xperia 1にもともと搭載されている「クリエイターモード」で、ディスプレイの色温度の初期値(D65ホワイトポイント)を、ソニー製のマスターモニター(映像制作で活用されるモニター)を基準に調整。この調整作業は、出荷時には、1台1台、個体ごとに対して実施される。

 クリエイターモードは、4K有機ELディスプレイと独自の画像処理により、ITU-R BT.2020という色域や10bit相当の階調表現を実現。色温度をプロの用いる機材にあわせることで、映画などの制作現場において携帯できる小型のサブモニターとして「Xperia 1」を活用できるようにした。

 本当に役立つアイテムたり得るのか、現場の声を聞いたというソニーモバイルによれば、クリエイターが映像を撮影する際には、現場で必ずモニターを使って映像を確認するステップがある。その際、撮影する場所から少し離れたテント内にモニターが設置されている、といったこともある。その場合はテントに戻って映像を観て、撮影作業に関する判断を下す……という流れになるため、行き来の手間が生じる。「Xperia 1 Professional Edition」の登場により、映像制作時の作業をより効率化できる、とアピールしていく。

報道写真のプロへ

 「Xperia 1 Professional Edition」では、10月末以降のソフトウェア更新で「Transfer & Tagging add-on」「Imaging Edge Mobile」という2つのアプリがインストールされる。

 このうち「Transfer & Tagging add-on」は、報道写真向けのメタデータ規格「IPTC(International Press Telecommunications Council)」に対応するもの。ソニーのデジタルカメラ「α9」などから写真(JPEG)をFTPで転送できるほか、Xperia側に音声で写真用のキャプションを入力することもできる。このほか、「Xperia 1 Professional Edition」で撮った写真にIPTCタグを付与することもできるようになる。

 「Imaging Edge Mobile」では、カメラのライブビューをスマホで確認しながら設定変更もできる。またスマホ側からカメラの電源オフでもカメラ側の画像を確認、転送できる。

eスポーツ向けに有線LAN対応

 3つめの仕様は、有線LANへの対応。サードパーティが提供する市販のアダプターを用いて、「Xperia」側のUSB Type-Cに1000BASE-TのEthernetケーブルを装着、通信できるようにする。

 eスポーツ大会での活用を想定したもので、モバイル通信ではなく有線LANで対戦できるようにして、より安定した通信環境で楽しめるようにする。

好きを極めるユーザー向け、デュアルSIM対応

 ベースとなる「Xperia 1」は、大手携帯各社の今夏モデルとして登場したハイエンドスマートフォン。21:9の縦長サイズで、世界初の4K有機ELディスプレイやXperia初の3眼カメラを搭載したモデルだった。

 ソニーモバイルでは、「好きを極める(コミュニティ オブ インタレスト)」ユーザー、つまり特定の分野に特化したユーザーへ訴求を強め、そこからより幅広いユーザーへXperiaの体験価値を伝えていくという戦略を打ち出しており、今回プロエディションが登場することになった。

 従来版と比べてもっとも大きな違いのひとつはデュアルSIMへ対応すること。スロットのひとつはmicroSDカードとSIMカードのどちらかを利用する排他式となるが、SIMスロットの1つには個人、あるいは主として使ってきた回線の説明SIMカードを装着する。もう一方には、法人回線などのSIMを挿す。主回線はこれまで通り使いつつ、2つめのSIMは業務用の大容量データ転送に……といった使い分けができるようになる。なお、どちらもSIMロックフリーとなっている。
 このほか、従来版と比べ、FeliCaがない(NFCはある)ことや、テレビ機能が非搭載となること、ストレージが64GB→128GBと倍になっていることといった違いがある。