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「違約金は1000円、端末割引は2万円まで」――完全分離プランの総務省案

 6月11日、総務省で開催された有識者会合「モバイル市場の競争環境に関する研究会」において、総務省側から、携帯電話の完全分離プランや、回線契約の期間拘束に関する省令案が提示された。

完全分離プランと期間拘束の規定を提案

 省令案は、5月17日に国会で可決され、11月16日までに施行される予定の改正電気通信事業法の細かな点を補足するもの。

 注目されるのは、通信料金と端末代金を分ける、いわゆる完全分離プランに関する規定と、長期にわたる点が問題視される期間拘束の是正に関する規定だ。

違約金は1000円まで、根拠はアンケート

 このうち期間拘束に関する省令案は、長くても最長2年までとしつつ、中途解約時の上限額を1000円までと提案。さらに期間拘束があるプランとないプランを比べた場合、その料金差は1カ月あたり170円にするよう求めている。

 総務省の料金サービス課によれば、1000円という額を提案する根拠となったのは、総務省が実施したアンケート結果。消費者を対象に実施したところ「1000円であれば携帯電話を乗り換える」といった回答が約8割存在することから、違約金の上限を1000円と提案することになった。

 アンケートの内容は追って公開する予定とのことだが、11日の会合では委員から「アンケートは根拠が十分なのか?」という指摘はあったものの、現状の9500円という金額から下がること自体は否定されず中には「1000円ではなく0円でも良いのではないか」といった意見もあったという。

 また、期間拘束の有無による料金プランの差額「1カ月あたり170円」という点については、現状の料金プランと9500円という違約金の金額をもとに算出した。

 現在は、期間拘束があるプランと、ないプランを比べると1カ月あたり1500円という差があるが、これは6カ月以上、利用する場合、期間拘束ありのほうがオトクになる。

 「6カ月利用すれば期間拘束ありのほうがオトクになる」という形を、「違約金が1000円の場合」に当てはめる(1000円÷6カ月)と、1カ月あたり約166円となり、四捨五入して170円という額を導き出した。

端末割引は上限2万円、キャッシュバックやポイント付与は禁止

 一方、完全分離プラン関連のほうでは、端末割引の上限を2万円にするという提案となった。

 これは、通信回線を継続して利用する、つまり回線契約と端末販売がセットになるケースを想定したもの。省令案では、あわせてキャッシュバックやポイント付与も一律で禁止する形。

 ただし、2万円以下の廉価な機種は「0円以下にならない範囲は可」、つまりという1円という値付けまでであれば提供できる。

 いわゆる型落ち機種については、規制の例外にすることが案に含まれているが、こちらは11日の会合では議論されておらず、詳細は検討中とのこと。

 3G端末からの移行といった通信方式の変更・周波数の移行のためのスマートフォンの提供については、0円未満とならない、つまり0円で販売してもOKという形の案となっている。