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ドコモが最大12回分の割賦を免除する「スマホおかえしプログラム」

36回払いと下取りを組み合わせ

 NTTドコモは、スマートフォンを購入しやすくする取り組みとして、「スマホおかえしプログラム」を6月1日より提供する。36回の割賦で購入し、2年利用してからドコモへスマホを返すと、残りの割賦が免除される。

 「スマホおかえしプログラム」は36回払いと下取りを組み合わせた格好となる新たなサービス。プログラムを利用するかどうかは任意で、利用料は不要。対象機種を36回の割賦で購入して同プログラムへ申し込めば利用できる。申し込み後、ドコモへスマホを返せば最大12回分の割賦の支払いが不要になる。

対象機種

 対象機種は、2017年以降のハイエンドスマートフォンで、AndroidだけではなくiPhoneも対象。一方、価格が割安なスタンダードモデルのスマートフォンやフィーチャーフォン、タブレット、Wi-Fiルーターは対象外。

種別対象機種
iPhoneiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus
AndroidスマートフォンXperia 1 SO-03L、Galaxy S10 SC-03L、Galaxy S10+ SC-04L、Galaxy S10+ (Olympic Games Edition) SC-05L、AQUOS R3 SH-04L、HUAWEI P30 Pro HW-02L、Google Pixel 3、Google Pixel 3XL、Xperia XZ3 SO-01L、Galaxy Note9 SC-01L、Xperia XZ2 SO-03K、Xperia XZ2 Premium SO-04K、Xperia XZ2 Compact SO-05K、Galaxy S9 SC-02K、Galaxy S9+ SC-03K、HUAWEI P20 Pro HW-01K、AQUOS R2 SH-03K、arrows NX F-01K、V30+ L-01K、JOJO L-02K、Xperia XZ1 SO-01K、Xperia XZ1 Compact SO-02K、Galaxy Note8 SC-01K、M Z-01K

申し込みはドコモユーザー、ただし中途解約しても適用可

 1回線あたり購入できる台数(割賦契約)は2台(2割賦)まで。申し込めるのはドコモ回線を持つユーザー(新規契約含む)となる。加入は実店舗だけではなく、ドコモオンラインショップでも可能。

 途中でドコモ回線を解約しても、そのまま割賦を24回支払った後に端末をドコモに返せば最大12回の残債は免除される。機種変更も必須とされていない。

 たとえば24回分支払い、ドコモから端末を買わず、中古ショップでスマートフォンを購入しつつ、それまで使っていたスマホ(スマホおかえしプログラム対象機種)をドコモへ戻すという形でも、残債は免除される。

docomo withユーザーはそのまま利用可能

 4月に発表された「ギガホ」など新料金プランとあわせて、今回の「スマホおかえしプログラム」は、端末代金と通信料金を分ける、いわゆる完全分離プランを構成する要素と言える。

 ギガホ以前の旧プランを利用している場合でも、6月1日以降、機種変更などハイエンドスマートフォンを購入する場合は、料金プランはそのままで「スマホおかえしプログラム」へ申し込める。

 たとえば、現在「docomo with」(通常よりも1500円安いプラン)のユーザーも、ハイエンドスマートフォンを購入し「スマホおかえしプログラム」を利用し始めたとしても、docomo withの料金はそのままだ。

 ただ、docomo withなど旧料金プランは6月1日以降、申し込めなくなる。もし料金プランを新プランへ切り替えるともうdocomo withには戻れない……が、これは「スマホおかえしプログラム」や端末購入とは別のお話ということでもある。

返却時の手続き

 返却時の手続きについては、2019年8月以降、ドコモショップでの受け取りが開始されるほか、準備が整い次第、郵送受付が開始される予定となっており、オンラインショップから郵送受付を利用できるようになる。

免除は最大12回

 免除される残債は最大12回。たとえば残り10回、5回となっている時点で端末を返却すると、免除される支払いは残り回数だけとなる。このあたりは、自動車購入で用いられる残価設定クレジット(一定期間後の買い取り金額を保証するもの)とは異なる。「スマホおかえしプログラム」のこの仕組みは、法律上、“代物弁済”と呼ばれる契約で実現しているという。

 支払いの免除は割賦の回数で、スマートフォンの価格(残債の額)は左右されない。たとえば10万8000円の端末を36回払いで購入すると、1回あたりの支払い額は3000円。12回分、免除されれば、3万6000円支払う必要がなくなり、10万8000円のスマートフォンを実質、7万2000円で購入できることになる。

 もし端末価格が21万6000円のスマートフォンであれば、12回分の免除時で、7万2000円の支払いが不要となり、実質14万4000円で買えることになる。

 この場合、気をつけたいのは、ユーザーがドコモへ返却するスマートフォンの中古買い取り価格だ。残り12回分で免除される残債の合計額と、買い取り価格を見比べると、機種や状態によってはドコモへ返す場合と、中古店での買い取りと、どちらがオトクになるか変わってくる。

 「スマホおかえしプログラム」では端末をドコモに返さず、36回丸々支払っても特にペナルティのようなものはないため、ユーザーとしてはよりオトクな選択肢を選ぶこともできる。

故障時利用料

 ドコモ側が下取りする際には、いわゆる従来の下取りプログラムと同じ基準で査定される。故障や水濡れ、著しい外観破損や画面割れがあると「スマホおかえしプログラム」の返却基準に達していない、と判定される。

 もし基準を満たしていない場合、「ケータイ補償サービス」へ加入していれば2000円(税抜、以下同)、未加入の場合は2万円の「故障時利用料」を支払えば返却できる。

購入時にdポイントを使ったらどうなる?

 スマートフォンを購入する際、「スマホおかえしプログラム」を申し込むときでも、これまで通り、ユーザーが持つdポイントを充当して購入できる。ただしこの場合、ドコモ側はユーザーに注意を促すという。なぜか。

 たとえば10万8000円の端末を買う場合、36回払いであれば1回あたりの支払額は3000円になる。もし5万4000円相当のポイントを充当したとする。すると、ユーザーは残り5万4000円を36回払いで支払うことになる。つまり1回あたりの支払額は1500円だ。

 「スマホおかえしプログラム」では、24回分支払えば、25回目以降の12回分の残債が免除されることになる。もしポイントを使っていなければ、3000円×12回、すなわち3万6000円相当が免除される。しかし5万4000円相当のポイントを使っていれば免除回数は同じ12回でも、免除額は1万8000円相当だ。

 つまりユーザーにとっては、免除額で差が出てしまい、不公平感を抱きかねないため、ドコモ側はその点をあらかじめアナウンスする予定だ。ただ、この注意点はドコモ側も認識しており、何らかの改修が検討される予定。改修の方針はまだ未定であり、どうなるかわからないが、たとえば36回払いのうち、当初の24回分だけにdポイントを充当する、といった形が想定できそうだ。