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ソフトバンク大規模通信障害、エリクソンが「技術的なミス」と一部原因を解説

 ソフトバンクが12月6日午後に発生させた大規模な通信障害について、機器を納入していたエリクソンが技術的な原因の一部を解説した。

 通信障害の原因について、ソフトバンクは12月6日の発表の中で、「エリクソン製パケット交換機」のソフトウェアの異常と言及、エリクソン自身も発表の中で、コアネットワーク内にある「SGSN–MME(Serving GPRS Support Node – Mobility Management Entity)」にデジタル証明書の期限切れの問題が発生したことを明らかにしていた。

 日本のエリクソンは、12月6日付でアナウンスしている以上の内容は持ち合わせていないとする一方、既知となっている部分については具体的に回答している。

 それによれば、より具体的に問題となったのは、「MME(Mobility Management Entity)」に搭載される、ライセンス関係のデジタル証明書の期限切れだという。12月6日に期限が切れたことで、MME自体が正しく動作しなくなり、致命的な問題を引き起こす結果になった。

 エリクソンは、ほかの機器では同様の(証明書期限切れの)問題は起こっていないとし、「エリクソンの技術的なミス」としている。

 なおMMEはバーチャルMMEであったとしているが、バーチャルであることと今回の問題は関連が低いとしている。

 MMEは、LTEのコアネットワークの中では「頭脳」に相当するとし、ユーザーの端末が最初に接続しにいく、制御信号をやりとりする機器。コアネットワークの中では基本的かつ重要な装置になる。MMEが「HLR/HSS」に接続されることで加入者管理を行い、パケット処理装置「S/P-GW」とも接続している。MMEとS/P-GWをあわせてパケット交換機と呼ぶ場合もある。

図の右側が4G LTEネットワークの機器構成の概要。制御信号を扱うMMEは端末が最初に接続する重要な場所にある ※図は通信障害の解説のために用意されたものではない

 ソフトバンクは、全国をカバーする東京センターと大阪センターに配置されている、エリクソン製「パケット交換機」の全台数で異常が発生し、全国のユーザーが影響を受けたと説明している。このことから、少なくともMME周辺についてはシングルベンダー体制だったと思われる。

 エリクソンによれば、キャリアによってはマルチベンダー体制を採ることはあり、その場合は、地域でベンダーを分けて構築することが一般的としている。バックアップだけベンダーを変えることは一般的ではないとのことだった。