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ドコモが初めて大ゾーン基地局運用、釧路市で【北海道胆振東部地震】

 NTTドコモは、平成30年北海道胆振東部地震により、北海道での停電の長期化が予想されることから、釧路市内の一部エリアで、大ゾーン基地局の運用を開始した。同社が大ゾーン基地局を運用するのは、初めてのこと。

大ゾーン基地局とは

 大ゾーン基地局は、最大半径で約7kmのエリアをカバーする基地局。その名の通り、通常よりも遙かに広範囲なエリア(大ゾーン)で携帯電話を利用できるようにする。東日本大震災をきっかけに全国で整備されてきた。

 普段、携帯電話の基地局は1つ1つのエリアは小さく、大容量の通信を可能にしたり、屋内の隅々に電波が届くようになっていたりする。そうした設備のうち1つの基地局が大ゾーン基地局としての機能を備えており、大規模災害時に広いエリアをカバーする。ただし、建物内部で通信がうまく繋がらなかったり、通信速度が上がらなかったりすることもある。そのため、動画や高精細な写真よりも、LINEなどのテキストメッセージや、テキスト中心のWebサイトのほうがよりスムーズに利用できそうだ。

釧路の市街地で

 6日朝に発生した地震により、北海道の広い範囲で停電が発生している。

 今回、停電が長く続くことが予想されていることから、ドコモでは一部のサービスエリアの維持が困難になると判断。6日16時26分から、釧路市内の一部エリアにおいて、大ゾーン基地局の運用を開始した。仕様上、最大で約7km(半径)カバーできるが今回は周囲の基地局が稼働していることを踏まえ、約2~3kmというエリアで運用されている。

携帯の基地局、停電も使える理由

 携帯電話の基地局には、バッテリーや発電機が用意され、停電中でも通信することができるが、その稼働時間には限りがある。

 ドコモの場合、たとえばバッテリーの場合であれば、24時間稼働できる。発電機のある基地局であれば、燃料がある限り数日間は稼働できる。

 もし稼働できない基地局が出てきても、周囲でまだ動く基地局がその穴を埋めるようにカバーすることもあり、停電が長く続いても、ある程度、携帯電話のサービスエリアは維持されそうだ。また北海道内にある一部の発電所が再び稼働しはじめたとも伝えられており、停電の影響が徐々に収まることに期待したい。