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「DAZN」、映像のダウンロードやプッシュ通知など2018年の強化策を発表

Jリーグは「フライデーナイトJリーグ」導入、カメラ増加など連携強化

 Perform Investment Japanは、スポーツ配信サービス「DAZN」(ダ・ゾーン)の2018年の強化策を発表した。いずれの機能やコンテンツも、現在の料金で利用できる。

 「DAZN」は2018年のコンテンツとして、「ジロ・デ・イタリア」をはじめとする自転車競技ロードレースの配信ラインナップを発表。1月28日から、UCIワールドツアー37レースのうち21レースをライブ配信する。

 またすでに発表されているように、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、UEFAスーパーカップの独占配信も行う。

フォロー、プッシュ、パーソナライズ、ダウンロード

 2018年中に提供する、新たな機能面での取り組みとして、好きな選手やチームをフォローできる機能、フォローしている選手の活躍やチームの試合についてプッシュ通知で知らせる機能を追加する。

 また、パーソナライゼーション機能も上半期に提供される予定で、ユーザーの好みを学習し、アクセスしたページでより好みに近い内容が表示されやすくなる。

 さらにダウンロード機能も提供する予定で、例えば、ライブ配信では見づらい時間帯に開催される欧州サッカーなどで便利に利用できるとする。一部コンテンツはダウンロードに非対応になるが、「ほぼほとんどのコンテンツ」がダウンロード機能を利用できるという。視聴期限もコンテンツにより異なるが、見逃し配信(1週間)よりは長くなる見込み。

フォロー・プッシュ通知
パーソナライズ
ダウンロード
日本のDAZNのCEO、ジェームズ・ラシュトン氏

 日本のDAZNのCEO、ジェームズ・ラシュトン氏は、家庭のテレビを含めて、さまざまなデバイスに対応してきたことや、ユーザーが見ているスポーツがオフシーズンに入れば、解約せずに料金の支払いを一時停止できる「ポーズ機能」と言った、ユーザー・ファンを中心に考えサービスを組み立てていることを紹介。

 2017年は「非常に好調だった。日本でもスポーツのストリミーング配信や中継サービスが受け入れられた」と振り返り、「スポーツの本拠地になりたいと思っている。この立ち位置を強固にしていきたい」と意気込みを語った。

 DAZN マーケティング・パートナーシップ バイスプレジデントの大崎貴之氏からは、各スポーツのコアなファン層を前提に、データベースとマーケティングを重視している方針が語られ、アンバサダーとして契約するスポーツ選手をさらに広げていくことも紹介された。

DAZN マーケティング・パートナーシップ バイスプレジデントの大崎貴之氏
特別ゲストとして、DAZNアンバサダーでプロボクサーの村田諒太選手も登場

Jリーグ、「平日だったら行けるのに」に応える金曜夜の開催

 日本でのサービス開始と同時に提供しているJリーグの試合は、カメラ台数をさらに増加させた試合を増やし、楽しめる要素を拡充していく。将来的には、こうした多数のカメラを活用した拡張現実の表示も検討している。

 さらにJリーグ側も、DAZNと連携をさらに深め協議を重ねた結果、金曜日の夜に試合を開催する「フライデーナイトJリーグ」を立ち上げることを正式に発表した。

 DAZNの発表会に登壇したJリーグ チェアマンの村井満氏は、「2017年は、DAZNと組んで、大きく変貌を遂げることができた。世界を知るDAZNから多くの学びをもらった。DAZNのサポート・指導の下で、初めてJリーグ自ら1000試合以上の中継制作を行った。動画データを保有でき、Webに拡散することで多くの視聴者に関心を持ってもらえた。2017年のJリーグは入場数が過去最高。ずっと上昇していた平均年齢は、J1では下降に転じ、新たなファン層を獲得できた。これもDAZNのサポートによるところが大きく、本当に感謝している」と語り、入場者数やファン層などさまざまな面で良い影響があったことを示す。

 村井氏はこうしたDAZNとのパートナー効果を強調した上で、「DAZNと協議する中で、意思決定をした大きなアクションが『フライデーナイトJリーグ』」と語り、すでに試合日程などから開催が明らかになっていた、金曜日の夜に試合を開催する取り組みを正式に発表した。

Jリーグ チェアマンの村井満氏

 これは、J1リーグ全34節のうち、金曜日に開催できる12節すべてを『フライデーナイトJリーグ』として開催するというもの。金曜日には一部クラブがアジア・チャンピオンズリーグに参戦するが、それ以外の14クラブのうち、希望する11クラブが「フライデーナイトJリーグ」の開催に対応している。

 金曜日に試合を開催する議論はこれまでもあり、クラブ側から「金曜日は入場者数が減るのではないか」と懸念する声も聞かれていたが、DAZN側がJリーグオフィスを訪れて、J1各クラブの社長と協議を続けたという。欧州5大リーグすべてで金曜または月曜など、平日に開催する観戦習慣が地域に根付いていること、また観戦者のプロフィールを調べていくと、土日に観戦する熱心なサポーターがいる一方で、土日は家族やパートナーのために使いたい、平日だったら観戦に行けるのに、というサポーター層が多いことも分かってきたとのことで、こうした点を含めて「フライデーナイトJリーグ」が導入されることになった。

 DAZNのラシュトン氏は「しっかりと協議した上で立ち上げた。フライデーナイトJリーグは、ファンのフェスティバルにしていきたい。スタジアムの周辺でも面白いことをやって、お祭りのような雰囲気を作っていきたい」と語り、Jリーグの試合にも積極的に関わっていく姿勢を示している。