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地域密着ニュースをどこでも観られる、J:COMのアプリ「ど・ろーかる」

全国から無料で視聴可能

「ど・ろーかる」

 ジュピターテレコム(J:COM)は、地域のニュース番組をライブ配信するアプリ「ど・ろーかる」の提供を開始した。J:COMユーザー以外も、登録せずに無料で視聴できる。

 「ど・ろーかる」は、全国43のJ:COM局が放送する地域密着型のニュース番組を放送と同時に視聴できるアプリ。札幌のユーザーが福岡の番組を見るなど、地域にとらわれず視聴可能。過去1週間分のニュース番組のアーカイブ視聴にも対応する。

 また、全国52カ所のライブカメラの映像も視聴可能。お天気カメラとして使われているカメラでは、江ノ島や熊本城などを高画質で視聴できる。

 不定期の「特番・ライブ」では、花火大会やお祭りなど、地域のイベントのライブ配信も行われる。5月には大國魂神社の「くらやみ祭り」(4月30日~5月6日)、小田原北條五代祭り(5月3日)、浅草神社の三社祭(5月20~21日)の配信が予定されている。

 このほか、各地の街を紹介するショートムービー「ご当地 VIEW」や対談番組「ご当地人図鑑」、自治体の広報番組のアーカイブ配信が行われる。

 アプリは地図上に「ピン」として映像に関連した場所を表示するモードや、リスト型の表示を用意。さまざまな地域のコンテンツを楽しみたいユーザーと、特定の地域のコンテンツに素早くアクセスしたいユーザーの両方が利用しやすいように設計されている。

 今後、防災情報のプッシュ通知やSNS連携、インバウンド対応などの機能が追加される。そのほか広告や、特産品のプレゼント番組などを用意し、収益化につなげていくとしている。

旧JCNとの統合がきっかけ、「地域密着」に大きく舵取り

J:COM 地域メディア本部長の髙平太氏

 「ど・ろーかる」アプリで配信されるコンテンツは、J:COMがケーブルテレビ提供エリアで放送している地域制作のコンテンツ。テレビでは1359万世帯が視聴可能となっている。外出先から視聴したり、ふるさとのニュースを下宿先から視聴したりといった需要に対応するため、2015年より2年弱の開発期間を経て提供が開始されたという。

 J:COM 地域メディア本部長の髙平太氏は、「J:COMは地域に不可欠な存在になる」と地域密着のコンテンツ制作の方針を表明。「地域密着」へと舵取りを変更したきっかけを2014年の旧ジャパンケーブルネット(JCN)との合併にあると紹介した。

 J:COMでは2014年当時、複数の傘下局にあった撮影スタジオを「メディアセンター」として統合し、効率的な番組制作を行っていた。一方、JCNでは各局に撮影スタジオを設置し、地域ごとに取材したコンテンツを配信していた。

 例えば、統一地方選挙では、旧JCN局は地元選挙区の情勢を放送。もとからのJ:COM局より圧倒的に多くの視聴を集めたという。逗子市の花火大会の中継では、旧JCN局とJ:COM局がそれぞれ担当した。結果、放送地域がより限られていた旧JCN局が多くの視聴を集めた。

 そのためJ:COMでは、地域に必要とされるローカルコンテンツ制作の方針を表明。テレビ視聴時間がスマートフォンに奪われている現状を踏まえ、アプリからも無料で視聴できるようにしたという。

 なお、「J:COM MOBILE」では、J:COMオンデマンドアプリのデータ通信料をカウントしないカウントフリーという機能を採用しているが、「ど・ろーかる」は現時点では対象外。カウントフリー対応について髙平氏は、今後検討していくとした。