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“大手キャリア化”を進めるフリーテル、コンテンツサービスを提供する狙い

 27日、新モバイルWi-Fiルーター「ARIA 2」や「FREETEL SIM」の新キャンペーンなどを発表したプラスワン・マーケティング。music.jpと提携した狙いなど、同社代表の増田薫氏のプレゼンテーションや囲み取材の内容をまとめた。新製品やサービスについては、別記事をご覧頂きたい。

 発表会の冒頭、FREETEL(フリーテル)の近況を紹介する中で増田氏は、「FREETEL SIMは一部の詳しい方が買っていた状況が変化し、最近は一般の方にもどんどん広がっている」と語り、ユーザー層が広がっているという認識を示した。

 同社が、大手キャリアと同じ形でFREETEL SIMを購入できる「FREETELコーナー」を展開するヨドバシカメラでは、「FREETEL SIM」が提供開始以来11カ月連続で格安SIMの中で売上1位となっていると紹介した。

 また、端末の販売シェアでは、SIMロックフリーの端末のうち56%がフリーテル製品となっているとした。ただし、プレゼンテーションで紹介されたデータは量販店などの販売実績調査の結果に同社オンラインショップでの販売数を合計したもので、同社オンラインショップでの販売を除くとフリーテルのシェアは46%程度になるという。

 海外では既にメキシコ、チリ、カンボジア、米国、カナダに展開。バングラデシュとペルーでもまもなく販売を開始する。今後も、北米と南米、東南アジアを中心に販売を拡大する構えだ。

 今回発表された「あなたのスマホ基本料 最大3年間0円キャンペーン」では、エムティーアイのコンテンツ配信サービス『music.jp』と提携し、FREETEL SIMのユーザーが割安で利用できるようにしている。

 提携の狙いを増田氏は、「スマートフォンはただ安く使えばいいというものではなく、生活を充実させるツールでもある。FREETELでは回線と端末を用意しているが、より楽しいものにしたたいと考えた時に「music.jp」のコンテンツのラインナップが魅力的だった」と説明した。

コンテンツは選べるように、今後は「フィンテック」も

 プレゼンテーションでは質疑応答はなかったが、増田氏が囲み取材に応じた。

――music.jpのコンテンツサービスは店頭でも訴求していくのか。

増田氏
 「3年間0円キャンペーン」の一環として、新規ユーザーでは自動で適用する。格安SIMで有用なコンテンツサービスは少なかったので、評価いただけると思っている。

――FREETELでは「dマガジン」など、dマーケットのコンテンツサービスを取り扱っているが、どう棲み分けるのか。

増田氏
 自由に選べるというのも格安SIMのメリットなので、こことしか組まないという形ではやりたくない。併売していく。

――music.jpの次に提供するコンテンツサービスはどのようなものが考えられるか。

増田氏
 今後というとフィンテック関連のサービスだろう。時間がかかると思うが。コンテンツに限らず、ITを使った新しいサービスはいろいろと登場している。例えば、日本ではそれほど流行っていないが、Uberのようなタクシー配車サービスもある。こういったサービスはユーザーが必要とするから成長しているのだと思う。

――「新0円スタートプラン」を導入する理由は。

増田氏
 今までの「0円スタートプラン(プレミアムバリュープラン)」に比べて、有料の補償サービスなどを省いてシンプルにした。ユーザーの要望に応えるために用意したプラン。

――モバイルWi-Fiルーター市場は停滞気味だが、今回なぜ新機種を投入するのか。

増田氏
 モバイルWi-Fiルーターを購入するだけで、2年契約や3年契約が必要になってくる。購入時に契約が必要ないルーターとして、UQ WiMAXからの買いかえとしての購入するユーザーもいるだろいう。

――現状フリーテルユーザーが抱える不満点、また、それをどのように改善していくのか。

増田氏
 1番は品質でそこに尽きる。「REI」では発売から1カ月の間に2回ソフトウェア更新を提供している。発売から近いタイミングでの更新は、本当はなかったほうがいい。

 当社は従業員が200名と体制が整ってきたが、そのうち100名はエンジニアだ。発売の時点で品質を確保するようにしていきたい。