【WIRELESS JAPAN 2009】
携帯や次世代通信設備などを紹介する京セラブース


 京セラブースは、auやウィルコムに提供している国内向けのモデルや、各事業者に提供中の通信設備を紹介するものとなった。

 「WIRELESS JAPAN 2009」の展示会場を取材する中で、多くの関係者から聞かれたのは「今年は広々していて寂しい」という声だった。それもそのはず、これまでキャリアとともにイベントを盛り上げていたメーカー各社の多くが、今年は出展を取りやめているのだ。

 京セラでは、端末コーナーと通信設備のコーナーにブースを切り分け、来場者に積極的にアピールしていた。端末コーナーでは、auの夏モデルとして発売中の「K002」や、ウィルコム向けの「HONEY BEE」シリーズのタッチ&トライを展開している。

 「K002」は薄型ながら必要十分な機能を搭載した折りたたみ型のCDMA 1X WIN端末。デザイン的には高級感のある演出で大人を意識したものとなっている。ブースでも貴金属や香水などとともに展示するなどしていた。au向けモデルは、近日発売予定の簡単ケータイ「K003」も体験できる。

 ウィルコム向けのモデルでは、ストレート型端末「HONEY BEE」シリーズが並んだ。2008年2月に第一弾となる「HONEY BEE」が発売され、その後カラーバリエーションなどが追加。同年11月にはカメラを搭載した「HONEY BEE 2」が登場し、こちらもカラーバリエーションの追加やブランドコラボが展開されている。シリーズ合計するとカラーバリエーションは17色になるという。

 ブースでは、最新のブランドコラボとなる「HONEY BEE 2 LIZ LISAモデル」が積極的に打ち出されていた。HONEY BEE 2は若年層をターゲットにしたモデルで、ファッションブランド「LIZ LISA」も“マルキュー”(渋谷 SHIBUYA 109)で人気があるブランドだという。

 このほか、京セラの海外向けモデルも紹介されていた。

 通信機器関連の展示は、複数の通信規格に基地局設備などを供給している京セラらしく、LTE、WiMAX、XGP(次世代PHS)、iBurstとさまざまな通信設備が紹介された。

 LTEはパネル展示となったが、小型のLTEとWiMAX基地局などが紹介されていた。通常のLTEとWiMAXの基地局はマクロセルタイプとなるため、より広いエリアをカバーできるが、一方でこうした基地局でカバーしきれない電波の不感地帯ができてしまうという。京セラでは、エリアの穴を埋める小型のマイクロセル型の基地局を開発、グローバルにサービス展開していくという。WiMAX関連もパネル展示となったが、基地局だけでなくレピーターや商業施設向けの超小型無線基地局などが紹介されていた。

 XGP関連では基地局自体が展示されていた。ウィルコムのモバイルデータ通信サービス「XGP」は、2009年10月1日よりサービス開始予定となっている。ウィルコム向け基地局は従来、京セラのほか三洋電機なども供給していたが、同社は携帯事業から撤退し事業を京セラが引き継いだ。このため、XGP関連の基地局メーカーは現在では京セラ1社だという。

 京セラとArrayCommの共同開発となるモバイルブロードバンド技術「iBurst」の展示では、通信機器設備や対応製品などが紹介された。5MHz幅の狭帯域でシステム構築可能で、低コストでの導入が可能とされているiBurstは、国内で採用されなかったために日の目を見ていない状況だ。

 しかし、世界では12カ国で導入され、商用サービスも開始されている。京セラでは、インドの通信事業者であるBSNLが周波数の認可内定を得たとして、導入されれば13カ国目になるとしている。現在の導入国は、米国、カナダ、アゼルバイジャン、ガーナ、コンゴ、ケニヤ、レバノン、マレーシア、ノルウェー、南アフリカ、タンザア、モザンビーク。

 



(津田 啓夢)

2009/7/22/ 21:28