【英国大使館主催ビジネスフォーラム】
SOMO社ウミンスキー氏がモバイル広告メディアの可能性を語る
SOMO COOのカール・ウミンスキー氏 |
駐日英国大使館は、「英国モバイル・コンテンツ&スマートフォン ビジネスフォーラム ―英国からグローバル展開の機会を探る―」と題した講演イベントを開催した。
講演では、SOMO COOのカール・ウミンスキー氏が「スマートフォン先進国・英国から見たモバイル広告市場の可能性 スマートフォンにおけるSEO:ナショナル・クライアントを巻き込んだモバイル広告メディアの展開と収益戦略」と題した講演を行った。
SOMO社は、モバイル・マーケティング・エージェンシーとして、モバイルにおけるブランドの構築、Webサイトやアプリの開発、広告・PRキャンペーンの提案などの事業を手がけている。ウミンスキー氏は、iPhoneが登場してからスマートフォン市場が拡大し、無線LANの積極的な利用やパソコンに近いサービスの登場といった市場の変化に触れ、ヨーロッパの中でも英国は特にスマートフォンが普及している様子を紹介した。欧米ではスマートフォンのカテゴリに含まれるSymbian端末は、現在では「あまり使われなくなった。広告機会としても注目されていない」と、広告の観点からiPhoneなどが大勢を占めている実態を語る。
一方、モバイルの利用時間は紙媒体やラジオに迫っているにも関わらず、広告市場としては圧倒的に規模が小さいと指摘。「7億7100万ポンドの機会を逃した」と、メジャーなブランドを含むクライアントや広告規模がまだまだ不足しているとの見方を明らかにした。
同氏は、有料アプリのダウンロード数は減少傾向にあるという見方も示しており、「HTML5がユビキタス化で重要になる」と、多彩な表現が可能な最新のブラウザ規格に期待を寄せる。また、ユーザーがブラウザを利用するという側面では、モバイル版のGoogleがアプリストアの中まで検索対象として表示するという事例などを紹介。SEOの重要性に触れて、「広告キャンペーンでは重要なポイントを押さえれば素早い展開が可能」とした。
広告のフォーマットでは、従来型のバナーやテキストに加えて、端末の加速度センサーを利用して3Dグラフィックスを反応させる広告や、端末を振ると表示が変わる広告表示を披露。モバイル端末ならではの新しい広告商品が生み出されている様子を紹介した。
「モバイル広告市場の規模は伸びていく」と、前述のようにまだまだ伸びしろがあると指摘する同氏は、近い将来のキーワードとして「ソーシャル」「ローカル」「モバイル」という3つを示す。具体例では、foursquare、Grouponといったサービスや、ジオフェンス(geo fenced)と呼ぶ、特定エリア周辺のみに限定して、予め登録したユーザーにメールを配信するサービスを紹介し、ブランド認知度向上や実際の購買に結びつくといった事例も紹介した。
同氏はモバイル広告のポイントとして、「ユーザーを正しく理解」し、「ユーザーの役に立つWebサイトやアプリをしっかりと構築」した上で、「パーソナルなデバイスであることを理解」し、「適切なトラッキングを行って分析する」ことが重要であるとした。
■プレゼンテーション資料
(太田 亮三)
2011/3/4 23:07