【Mobile World Congress 2012】
NVIDIA、クアッドコアの「Tegra 3」を大々的にアピール
NIVIDIAのブース |
「Mobile World Congress 2012」のNVIDIAのブースでは、MWCで多数の搭載端末が発表されている「Tegra 3」について、その特徴がデモを交えて解説されている。
日本でもすでにタブレット端末で搭載が発表されている「Tegra 3」だが、搭載される端末に合わせてタブレット版、スマートフォン版という大きく2つのバージョンが存在する。
スマートフォン版は、「HTC One X」と「LG Optimus 4X HD」、「K-Touch Treasure V8」、「ZTE Era」、富士通の開発中のLTE対応スマートフォンが「Tegra 3」を搭載する。このうち、富士通の端末以外はMWCの会期中に発表された新端末となっている。また、NVIDIAが提供するモデムチップ「Icera 450」と「Tegra 2」を搭載する「ZTE Mimosa X」も登場している。モデムチップはNVIDIAとして新たな領域となるが、これについてもLTEをサポートした「Icera 410 LTE」のデモを実施。「Tegra 3」のリファレンスプラットフォームを使い、LTE経由でマルチプレイヤーのゲームをできるとしていた。
「Tegra 3」搭載スマートフォン | 「LG Optimus 4X HD」 |
「ZTE Era」 | 「HTC One X」 |
富士通の開発中のLTE対応スマートフォン | LTE対応を謳うIceraモデムとデモ |
タブレット向け「Tegra 3」は、東芝の7.7インチのタブレット端末、ZTEの「ZTE T98」「ZTE PF100」、「ASUS Transformer Pad 300」が同社ブースにて披露されている。これらのタブレットでは、大きな画面や処理性能を活かした最新のゲームタイトルも披露されている。
「Tegra 3」搭載タブレットとデモの内容 | 東芝の7.7インチタブレットで「Golden Arrow THD」をプレイしている様子 |
東芝の7.7インチタブレット | 「ZTE T98」 |
「ASUS Transformer Pad 300」と「ZTE PF100」 | |
「Tegra」シリーズでは、ゲームタイトルのサポートにも注力されており、アプリ「Tegra Zone」で「Tegra」シリーズに最適化されたゲームタイトルを紹介する取り組みも行われている。「Tegra 3」対応タイトルとしては、MWC会期中に、新たにセガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソード2」(2012年春にリリース予定)が発表されており、NVIDIAのブースで試遊できるようになっている。また、「Golden Arrow THD」(2012年秋にリリース予定)も、タッチパネルで簡単に攻撃などを繰り出せる、アクションゲームの新規タイトルとして紹介されている。いずれも、グラフィックの緻密な描写もさることながら、光源の処理もリアルで、美麗なものとなっていた。これらはいずれも「Tegra 3」対応を前提に開発されており、「Tegra 2」への対応は検討中のようだ。
情報が公開されたばかりの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソード2」(2012年春にリリース予定) | |
富士通のスマートフォンを使ったボートレースゲームのデモ |
NVIDIA Director of Product Marketing, TegraのMatt Wuebbling氏 |
同社のブースではまた、NVIDIA Director of Product Marketing, TegraのMatt Wuebbling氏に話を伺う機会も得た。Wuebbling氏は、「Tegra 3」を搭載する端末が一斉に発表されたことや、スマートフォンでも5つの搭載モデルが登場したことなどを説明。さらに、セガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の最新タイトルなどを紹介して、「エコシステムができている」と、Tegraシリーズを活用するコンテンツの拡大に自信を見せる。
「Icera」シリーズなど、同社のモデムチップを搭載した端末が発表さていることも新たな展開となっている。「Tegra」シリーズとの統合については、将来的にはそうした方向性があると認めるものの、ハイエンドな端末向けに「Tegra」を提供している現在はまだ、モデムを個別に選択できるほうが有利だとしている。
また、タブレット端末では、3GやLTEといった通信機能の搭載をアピールされることも増えつつある。同氏は、Wi-Fi端末が多くを占めており、3GやLTEといった通信機能の搭載率は大幅には変わらないだろうと予測する一方、通信機能が拡充が「トレンドとしてみられる」としている。
(太田 亮三)
2012/3/1 00:29