【IFA2019】

ASUS、「ROG Phone II」の発売日などを発表、「VivoWatch SP」も

 ASUSは、ドイツ・ベルリンで開幕する展示会「IFA2019」に先立つ4日(現地時間)にプレスカンファレンスを開催。同社共同CEOの許先越(H.Y. Hsu)氏が登壇し、ゲーミングスマートフォンの「ROG Phone II」や、スマートウォッチの「VivoWatch SP」を発表した。

ROG Phone II
VivoWatch SP
プレスカンファレンスに登壇した、共同CEOの許先越氏

価格や1TB版が発表された「ROG Phone II」

 ROG Phone IIは7月に台湾で披露されたモデル。IFAでは、1TB版や価格などが新たに明かされた。

 中国では、テンセントとの協業でメモリを8GBに抑えた特別版が発売されているが、グローバルでは9月4日に予約受付を開始。9月20日の発売を予定する。グローバル版はメモリ(RAM)が12GBのみで、ストレージの容量は512GBと1TBの2種類。前者が899ユーロ(約10万5000円)、後者が1199ユーロ(約14万円)で販売される。

ROG Phone IIは、グローバル版の価格や発売日が明らかになった
7月の発表時には明かされていなかった1TBのストレージを搭載した「ULTIMATE EDITION」。発売は2019年第4四半期を予定する

 ROG Phone IIは、日本で発売された「ROG Phone」の後継機に位置づけられるゲーミングスマートフォン。スペックをゲームに特化させ、CPUや冷却システムなどを強化。アクセサリーによる拡張性の高さも特徴で、ゲームパッドやデュアルディスプレイなどを利用できる。こうしたROG Phoneの基本的な特徴は継承しつつ、ベースとなる性能をさらに底上げしたのが、ROG Phone IIだ。

 チップセットは、ハイエンド端末向けに採用される「Snapdargon 855」をクロックアップした「Snapdragon 855 Plus」を搭載。GPUも同じ「Adreno 640」ながら、処理能力は15%ほど向上している。上記のとおり、メモリも12GBと大容量だ。描画の滑らかさを左右するディスプレイのリフレッシュレートは120Hzと高速で、ゲームに最適化。先代のROG Phoneより大画面化も進み、サイズは6.59インチになった。タッチパネルのサンプリングレートは240Hzで、応答時間も1ミリ秒とゲームに最適化している。

ROG Phone IIの外観。ディスプレイが6.59インチと大型化し、チップセットにはSnapdragon 855 Plusを採用する
ディスプレイは、120Hzまでのリフレッシュレートに対応する

 CPUやGPUを高いパフォーマンスで動作できるよう、冷却システムも改善された。ROG Phone 2には「GameCool II」と呼ばれる仕組みを導入。3Dヴェイパーチャンバーや熱を放出するためのベントを備え、「冷却システムを新しい水準に引き上げた」(許氏)という。

放熱機能にも見直しを加え、「GameCool II」に対応する

 ROG Phoneに搭載された、「エアトリガー」も継承する。エアトリガーとは、端末側面に内蔵されたセンサーのこと。本体を横向きに持った際に、人差し指が当たる位置にあり、あたかもコントローラーを操作しているかのように、ゲームを楽しめる。エアトリガーに割り当てる動作は、設定で変更可能。ゲーム以外では、握ってGoogleアシスタントを起動するといった操作にも利用できる。

初代ROG Phoneと同様、エアトリガーを搭載する

 初代と同様、ROG Phone IIも、様々なアクセサリーを装着し、ゲームの遊び方を広げることが可能だ。プレスカンファレンスでは、デュアルスクリーンを実現する「TwinView Dock II」や、ゲームパッドの「Kunai Gamepad」、モニターや周辺機器を接続するための「Mobile Desktop Dock」が紹介された。

ゲームの体験を広げるアクセサリーを用意しているのも、ROG Phoneの特徴

 プレスカンファレンスでは、先行発売された中国での動向も紹介された。許氏によると、「24時間経たずに、200万台以上の登録(事前の予約受付)があった」という。1万台が73秒で販売されるなど、売れ行きが好調なことがアピールされた。上記のとおり、中国では現地のネット企業大手のテンセントと協業しており、その成果が出た格好だ。

先行して発売された中国の状況も紹介された

 なお、テンセント版のROG Phone IIは、メモリ容量が8GBに抑えられている一方で、3499元(約5万2000円)とハイエンドモデルらしからぬ低価格を打ち出している。コンテンツ分野での協業だけでなく、端末そのもののコストパフォーマンスの高さも評価された可能性がありそうだ。

心電図や脈波センサー搭載のスマートウォッチ「VivoWatch SP」

 プレスカンファレンスでは、スマートウォッチのVivoWatch SPも発表された。同モデルは、日本でも販売される「VivoWatch BP」の後継機。ヘルスケアに特化したスマートウォッチという位置づけだが、デザインはセンサーが表面に露出したVivoWatch BPよりも、より時計風になっている。

ヘルスケアに特化したスマートウォッチのVivoWatch SP
心電図を作成しているところ
VivoWatch BP(左)との比較。より時計らしいデザインになった

 脈波センサーは裏面に、心電図センサーは裏面および側面のボタンに内蔵された。こうしたセンサーを活用し、VivoWatch SPでは血圧や心拍数、ストレスレベルを「たったの20秒で計測できる」(許氏)という。「省電力なTFTディスプレイを搭載し、1回の充電で14日利用できる」(同)という、スタミナも、VivoWatch SPの特徴となる。

各種センサーは、背面や側面のボタンに搭載された

 防水は5ATMで、「スイミング中にも利用できる」(同)とした。バンドは22mmで、一般的な腕時計のものを装着可能だという。プレスカンファレンスでは、2019年の第4四半期に発売することが明かされた。ただし、価格や展開国などは不明。展示会場には実機も置かれていたが、メディア関係者が手に取って操作することはできなかった。VivoWatch BPが発売されているだけに、日本での展開にも期待したい。

バンドは、22mmのものを装着できる